『疑似科学と科学の哲学』 伊勢田哲治著
『疑似科学と科学の哲学』 伊勢田哲治著
名古屋大学出版会 2800円+税
進化論と創造論のページで紹介されていたもの。全く知らなかったけれども、これはかなり面白い。
「科学と疑似科学」ではなく「疑似科学と科学」としたところがすごい。
例によって、まだ買ったばかりで少しか読んでいないのだけどまずは書いちゃいます。
章立ては、以下のとおり。
第1章 科学の正しいやり方とは?
--創造科学論争を通して
第2章 科学は昔から科学だったのか?
--占星術と天文学
第3章 目に見えないものも存在するのか?
--超能力研究から
第4章 科学と疑似科学と社会
--代替医療を題材に
第5章 「程度」の問題
--信じやすさの心理学から確率・統計的思考法へ
これを見ただけでもワクワクする。「超能力」の話はあちこちで読めるけれども、「創造科学」や「代替医療」が扱われているのがなんとも嬉しい。
第1章では(って、まだここしか読んでないけど)「帰納」と「演繹」や「反証」についての解説が実にわかりやすく書かれている。実例がニセ科学に関することだから〈私にとっては〉わかりやすいってことなんだろうけど、
ともあれ一気に読めそう。Born to Rebell読みかけなのに。
※ふと思いついて伊勢田さんを検索したら黒木さんの掲示板に1998年に書いていたのが見つかった。田崎さんへのコメントなんてのもあった。
この本の書評もふたつみたけど、どちらも好意的だった。京都大学の内井惣七さんが書評の中で
著者のような力量のある人が「疑似科学」を題材として追いかけるのは問題ないのだが、
キミたちのように科学の素養に乏しい人たちが、ホンモノの科学を調べることをないがしろ
にして「疑似科学」ばかり面白がって追いかけるのは「要注意」やゾ!
と書いていたのが、ぐっと来ました。ほんとに要注意>>nob.
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