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2004.06.23

2004-06-23 ブラウン運動と非平衡統計力学

田崎晴明さんの日々の雑感的なものに、

物理学会主催 2004 年科学セミナー
「アインシュタインと 21 世紀の物理学」
のためのテキストとして「ブラウン運動と非平衡統計力学」というのがある。「物理学会が著作権について何を言いだすかわからない」(田崎さんの書いたことをやや曲解)というので、直接リンクはしてないけど、行けばすぐに手に入ります。(ってったって、誰もが読みたがるものではないだろうけど)

さて、田崎さんの雑記コラムが面白いからといって、専門書がシロウト(ぼくね)に読めるだろうなどと思うわけもないのであるが、今回のテキストは「それなりに一般向け」であろうということで意を決して読んでみた。 結論としては「うん、結構わかったかな」である。(これはボクとしては画期的なことである)
理解度を「何%」というのも無意味だけど、読む前よりもこんな進歩があった。(じゃ「%」って言うなよ)
・ブラウン運動について、以前は、「動くのは花粉ではなくて花粉から出るもっと細かい粉である」というトリビアの方に熱心だったが、もう少しわかった気がする
・数式を追っていけた数が増えた
・ぼくにもわかる簡単な式やモデルから出発して、結構難しそうな話にたどり着いた
・アインシュタインがこんなこともやっていたのかと知った
などなど、いろいろと得ることがあった。
「理論物理学って、こういう風に役立つのか」というようなことも思ったのだけど、ちょっとおそれおおくて言えない。

ブラウン運動の実物を見た話が出てくるところがいいな。というか、題名に「ブラウン運動」と入っていたから読んだようなものか。だって、ブラウン運動の話をするからには「実物」の話にならざるを得ないからね。そこに、ぼくでもわかるような式」をあてはめて、適度に簡素化しつつも、外力とか加えはじめて、「ああ、わけわからなくなるぞ」というところで、タテヨコひっくり返して「重力場」の話になって、ちょっと安心する、という展開はよかったなぁ。 アボガドロ数を決めるのに関係あるなんて思わなかったし。

読みながら、田崎さんの顔を思い浮かべるんだけど、作者を知っているからといって理解が深まるわけではない。ただ「むにょむにょ」とかいうのを見た時、ふつうなら「なんじゃこれ」と思うところを、スッと読んでいけるのは人徳を知るが故かもしれない。

そうそう、江沢洋さんの『誰が原子をみたか』という本の題名、面白いと思いつつも深く考えていなかったのだけど、「冗談でもシャレでもない」という田崎さんの脚注を見て、ハタと気付きました。「反語」だったのか。実はまだほとんど読んでないので、今度こそ読み通そう。

それにしても学生時代の勉強しなさ加減は何だったんだろう。物理化学1,2,3とやったのだけど、な~んにもわかっていない。ああ、それでも熱力学の古典的なところは結構面白がっていたから、今でもとっつきやすいのかな。量子力学なんて当時まるでわかっていなくて、微分方程式もわからなくて、でも興味はあるんだよねぇ、くやしいことに。まあしかし、その方面の研究室を優秀な成績で卒業していながら、今では全く覚えていないという例も身近に知っているので気にしないことにしよう。

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Tracked on 2007.04.14 12:52 PM

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