『人間この信じやすきもの』
『人間この信じやすきもの』 トーマス・ギロビッチ著 守一雄・守秀子訳
新曜社 認知科学選書 ¥3,045 (税込)
How We Know What Isn't So by Thomas Gilovich
1998年頃だったか、社内教育のひとつで「認知科学」の講座を受けた時に、〈「バスケットのシュートなどが波に乗る」というのはウソである〉という話を紹介された。その試合で調子良くシュートを決めている選手は「波に乗っている」から、同じ選手にシュートさせるのかよい、と信じられているが、実際にはそんなことはないだろう、ということを統計から調べたという話。この調査自体には疑問もあるのだけど、とにかくこの話が載っていた本が『人間この信じやすきもの』だったというわけ。
すぐに、本を買ってきて、その後今にいたるまで認知科学関係では最高の書だと思っている。 その後、いろんな本を読むと、推薦書にこの本が出てくることが何と多いことか。それも、「特におススメ」となっていることが多い。
訳者のひとりの守一雄さんは認知科学の専門家で、わかりやすい文章で訳に心配などないのはもちろんのこと、守さん自身の書いたものも面白い。日垣隆の「サイエンスサイトーク」の初期に登場していて、ぼくが日垣さんの本にハマルきっかけにもなっている。
ギロビッチ氏は一般向けの本はこれ以外にあまり書いていないのだけど、共著の、
"Why Smart People Make Big Money Mistakes And How To Correct Them:
Lessons From The New Science Of Behavioral Economics"
by Gary Belsky, Thomas Gilovich
も、面白かった。「3つの扉」の問題を初めて知ったのはこの本。
翻訳されてもいいと思うのだけど、いまだに出てこない。 と思っていたら、出ていた出ていた、
『賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか』
ゲーリー ベルスキー (著), トーマス ギロヴィッチ (著) 鬼沢 忍 (翻訳)
なんだ、2000年に出てたんじゃないか。, しかも文庫版も出てた。買ってこよう。
ところでamazonでは、Gilovichは『人間この…』では「ギロビッチ」、他では「ギロヴィッチ」になっていたために、著書一覧に出てこなかった。
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