『メジャーリーグの数理科学』
『メジャーリーグの数理科学』 上・下
J.アルバート /J.ベネット 著
"Curve Ball: Baseball, Statistics, and the Role of Chance in the Game"
by Jim Albert, Jay Bennett
加藤 貴昭 訳
シュプリンガー・フェアラーク・ 版
各巻とも2,835円(税込) ISBN4-431-71016-7
ちょっとタイトルが大げさだけど、大リーグのデータをいろいろな統計的手法を使って表わした本。
「送りバントは意味があるのか」とか「『調子の波』はホントにあるのか」などなど、前々から気にしていたことを、取り上げてくれた嬉しい本だったので、書店で見つけてノータイムで買いました。レジに行ったら、何やらすごい値段でビックリしたけど買うしかないでしょう。
All Star Baseballという1950年代からの野球ゲームの話から始まって、いろいろな「モデル」が、選手やチームの実力をうまく表わせるかどうかを細かく検討している。例えば、あるシーズンの打率が.350の選手は、「実力どおり」.350なのか、実力は低いのに、運良くそのシーズンだけが.350なのか、という命題をわかりやすく説明してくれる。
全般的にちょっとクドイかなという気もするけど、徹底的にやるとこうなっちゃうのでしょう。原書は1巻だけど、翻訳で2冊になったところはハリーポッターと同じ。セット販売ではないけど2冊で6000円近いから、単なるメジャーリーグファンには買ってもらいにくい。アメリカの「スポーツ統計屋さん」の中には「統計学者」はいない、著者は言っちゃってますが、この本で少しは状況が改善されますように。
日本にも野球データを揃えているwebがたくさんあるので、同じような調査をしてみると面白そうです。
訳者は、慶応大学で野球部にいて、マイナーリーグでプレーしたこともある人だそうす。
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