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2004.09.01

唯物論者チンダル

このところチンダル(John Tyndall)のことをずっと調べている。というと学者みたいだけど、一冊の本を読んでいるだけでもある。ただ、ここ数日間は、チンダルが「筋金入りの唯物論者だった」ということを知って、そのあたりを(webレべルではあるが)調べているのである。

「原子論」という言葉は、ふつうの科学ではあまり聞くことがないのだけれども、それは「ものが原子でできている」ということが、当たり前になっているから。 天動説や創造説が幅をきかせていた頃は「原子論」といえば「反キリスト教」ということにもなって、そう簡単な話ではなかったらしい。 チンダルは「ものの動きとしての熱」という本の中で(つまり、イギリスの王認協会のクリスマス講演の中で)、「もとが粒からできている」ということを、しつこいばかりに強調している。例えば、「人間が熱を感じる」という話をする時に、「人間の中の原子が動かされて」という話が狭まれる。板倉聖宣さんに言わせると、「当時の原子論者と違って、現代の科学者は原子論は人から聞いてあたりまえになっているだけで、体にしみついていない。だから、簡単に(オウムなどによって)ひっくり返されちゃう」ということである。たしかに、キリスト教とケンカして命がけで原子論を考えている人は違うでしょう。
現代では原子論を信じるために宗教とケンカする必要もないのだけど、小さい時からキッチリと理解しておいた方が良さそうなことはたしか。

さて、チンダルの頑固なまでの唯物論者ぶりが発揮されすぎてしまったのが、1874年にイギリスのベルファストで行われた、「ベルファストでの講演」というもの。
チンダルはここで原子論、唯物論を語るあまり、キリスト教を批判しすぎて、かなり叩かれたそうである。幸いにして、この講演の記録(日本語版)を入手したので、じっくりと読んでみたい。

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