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2005.01.30

ナノカーボンのパフォーマンス

夕方東急ハンズに行ったら、「ナノカーボン」(正式な商品名かどうかは知らん)の実演販売をしていた。
ナノカーボンというのは、ダイヤモンド(つまりカーボン=炭素ね)の細か~い粒を油みたいなものに混ぜたもので、こいつを電気の接点に塗ると、スキ間がカーボンで埋まって導通が良くなる、というシロモノです。

こいつを、客の携帯電話の電池やメモリーカードの接点に塗って見せるわけです。
ぼくのデジカメの電池が、充電したてなのにすぐ残り少なくなると思っていたのが、接点をヤスリで磨いたら良くなった、ということがあったので、「接触が悪いと、切れてしまうわけではないが、よろしくない」ということは理解しています。

しかし、しかしですよ、これを塗った効果を見せるために、何をすると思いますか?
1.まず、塗る前に携帯のカメラで写しながら、左右に振って「この時の画面の(追従の)遅れを覚えておいてください」といいます。
2.次に、カメラの前を手でふさいでからパッと離して「画面にピントが合うまでの時間を覚えておいてください」といいます。
3.携帯の電池を抜いてを切って、接点に「ナノカーボン」を塗ります。(あれこれ言いながら1分くらいかかる)
4.再び携帯の電源を入れて、1,2と同じことをします。
店員:「どうですか?」
客:「うーん、ちょっと速くなったような気がする」

店員はぼくにも薦めたので、よほどいろいろ聞いてやろうかと思ったのだけど、今日は心おだやかでいたかったので「ニヤっ」と笑っただけでその場を去りました。

前の客の「パフォーマンス」の時に、ぼくもうしろから画面を見ていましたが、もちろん速くなったかどうかなんてわかるはずはありません。 「でも、『速くなった』と言っている客がいたじゃないか」と思うかもしれませんが、速くなることを多少なりとも期待していて、さらに店員に「速くなったでしょう」と迫られればそんな気になることは不思議ではありません。

ファイテンという会社のRAKUWAとかいうブレスレットを売る時のパフォーマンスにこんなのがあるそうです。
1.まず、手を伸ばした状態で何かの包みを持たされる
2.RAKUWAを付ける
3.再び同じ包みを持つ
 すると「1」より「3」の方が「軽く感じる」のだそうです。それで「RAKUWAはすごい」と言って、みなさん買って帰る。(全日本のバレー選手もつけているらしい)
ちなみに、「レンガの入った包み」のように「予想外に重い」ものを、それも手を伸ばした状態で持たされると、ひどく重く感じるだろうと思いませんか? 次に、同じものを「重いものだ」とわかった上で持つと・・・。
(読者の中にはユーザーもいるかもしれないので、評価はいたしません)

というような例もあるので、「同じ速さの画面」であっても、2度目に見た時の方が速く見える、ということもあるのかもしれません。

で、「接点の導通が良くなる」のは、きっと本当でしょう。そう信じたい。 しかし、しかし、しかし、

デジタル機器の電源や、メモリーの接触が良くなったからといって、それでプログラムが速く動いたり遅くなったりするわけないだろぉぉぉぉぉが。

同じ客のMDウォークマンのジャックにもおクスリを塗って「ノイズが減りましたよね」くらいなら、まあウソでない可能性も残ってはいるが、携帯電話(=コンピューター)の電源を接触で速くなるだと!??

実は、1年くらい前にもパフォーマンス(ふつうはデモといいますが)をやっていて、その時は「携帯画面のスクロールが速くなります」というものだったのです。今日は、ウォークマンの方を先にやっていたので「さすがに、あれはヤバイからやめたのか」と思って、そう聞いてやろうかと思った矢先に「カメラの画面」だと。

こんなカタログがありました。
「スクロールスピードアップ」って書いてあるなぁ。 「電池長持ち」くらいだったら、まあ、ありえなくもないのだが。

January 30, 2005 at 11:11 PM in 科学 | | Comments (4) | TrackBack (0)

2005.01.28

『On Radiation』John Tyndall

チンダル先生が1865年5月16にケンブリッジ大学の人たちを相手に「放射」に関して講演したものをまとめた本。

何度もここで紹介してきた『Heat (considered as) a Mode of Motion」の中に放射熱(radiation heat)のことが、詳しく書かれていることを知って、さらには『On Radiation』(放射について)という、そのものズバリを本があるとわかったのでひと月ほど前にBook Finder経由で注文したものが、つい先日届いた。本文が62ページの小冊子。$29.95+送料$7.49は高いようではあるが、江戸時代末期に書かれた原本だと考えると骨董的な価値もあるのだろう。12/27に注文して届いたのが1/24だったかな、船便だろうからまあまあ。

さて、肝心の中身は・・・の前に、まず、この本、あまりに古くてボロボロと表紙やページが外れるので、最初にしたことはコピー。60ページほどなのであまり時間はとられずにすんだ。続いて製本。「製本屋さん」という「手動製本機」を使う。最後に、原本の修復。どうせ読むのはコピーなんだから、原形を留めておいた方がいいかなとは思いつつも、骨董品じゃあないからと割り切って、不細工に修復。

内容は、まだ数ページ読んだところながら期待どおり。プラチナ線に電気を流して熱していくと、まず暖かくなって、赤くなり、オレンジになり、ついには白くなる。そこからの光をプリズムで分けて、などという話から入る。「人間がものを見るためには視神経に何かがぶつからなければならないが」というようなことも。

ここでは、光や熱の波は「エーテル」を媒質として伝わっていることになっている。「ああ、まだそんな時代だったのか」と思う一方で、「ぼくが知りたいようなことは、エーテルで説明がついてしまうのかも」とも。たまたま並行して読んでいる『アインシュタイン 16歳の夢』(戸田盛和著 岩波ジュニア新書)では、エーテル説が打ち破られるところなので、そのちょっと前の時代の人たちがどう考えていたのかを考えると面白い。

January 28, 2005 at 05:10 PM in 書籍・雑誌, 科学 | | Comments (0) | TrackBack (6)

2005.01.27

「煮干し」のページの人気?



友人が「煮干し」に関するホームページを作りました。
といっても、料理の話ではなくて、『★煮干しの解剖資料室』という、理科実験のページです。 さて、その内容も面白いのですが、話題はちょっと別。

今(05-01-27朝)Googleで「煮干し」を検索すると、上のページがトップに出てくるのです。作者は学校の先生であり、煮干しページを大々的に宣伝したわけでもありません。にもかかわらず、上位に来るのはどうしてなんでしょうね。有名なブログにでも紹介されれば、アクセスは増えるかもしれないけど、Googleトップということは「リンクが貼られている」ということなのか?

ちなみに、さいきんページのアクセスカウンターが大きく進んだそうなのですが、Googleで「煮干し」を検索して飛んできた人がたくさんいる、とはあまり考えられません。何故なら、検索結果のトップにでてくるのは、

「煮干しの解剖資料室」 続いて、「煮干しの胃内容物!」

ですからね。「煮干しのだしのとり方は・・・」と思って検索した人は、クリックすらしないと思います。

なお、ページの本題である「煮干しの解剖」は、道具もいらないし誰にでもできるので、学校の先生以外の方も是非チャレンジを。 (煮干しは必要です)

追伸:この記事から5年後、2010年に「煮干しの解剖」が本になりました。
その名も『煮干しの解剖教室』(仮説社)
詳しくは、こちらへ。

January 27, 2005 at 11:36 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (6) | TrackBack (1)

2005.01.26

放射熱日記 2005-01-26

赤外線温度計で測った「空の温度」が、放射冷却の理解に役立つのでは、という話をこの前書きました。

たしかに、晴れている時は-30℃をさしているものが、曇った日には+1℃などになりますから、「違い」はよくわかります。しかし「空の温度」を表わしているわけではありません。宇宙のかなた(絶対零度に近い)ほどではないにしても、雲のあるあたりは、-30℃どころではなくもっと冷たいでしょう。つまり、純粋に「空からの赤外線」だけを測ることはできなくて、まわりから反射してくる赤外線も一緒に測っているものと考えられます。これは、気温が下かってくるにつれて、「空の温度」も下がってきたことからも想像できます。


「空の温度そのもの」でないことが気に入らなかったのですが、さらに進めて考えてみると、ある物体(特に放射冷却を問題にしようとするモノ、クルマなど)の上で、赤外線温度計を上に向けて測った時の温度というのは、「物体が受け取る放射熱」そのものなのではないかと思えてきました。空からの赤外線はもちろんのこと、まわりから反射してくるものだろうが何だろうが、実際に「受け取る」のですから。

こんな時は、安物の赤外線温度計は、ありがたいことに測定角が大きいので「まわりからの赤外線」をしっかりと捕えてくれそうです。こうして測った温度が例えば「プラス3度」であれば、放射冷却で凍ることはなさそうですし、「マイナス30度」であれば、たとえ、まわりの気温が少々高くても、物体が放射する熱を補い切れなければ、零度以下になることが期待できます。 念のため、ですが、物体から熱が放射される速さや量は、「空の温度」とは関係なく決まります。ただただ「空からの放射熱」による、補給が多い少ないか、という話です。

試しに、木かげや、屋根の下で同じように上を向けて測ってみると、「空」よりも、高い温度を示すはずです。だから、放射冷却も少なくなるはず。

これは面白い、と思って、昼間にもいろいろな物体の「受取っている放射熱の温度」を測れるかと思ったのですが、多分それはダメでしょう。何故なら、赤外線温度計は一定の波長の赤外線しか測っていないのに対して、昼間の光は太陽から受取る熱は可視光線からなので、この温度計では測定されないからです。太陽に真っすぐ向けて測っても「0度」などという数字がでます。測定者にはガンガンと陽が当たって暖かいにもかかわらず。

January 26, 2005 at 04:53 PM in 科学 | | Comments (2) | TrackBack (0)

2005.01.25

ちょっとカラんでしまったかなぁ

今日の「サイエンス・サイトーク」のゲストは、『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』を書いた黒川伊保子さん。言葉を徹底的に「音」の切り口から考えて、マーケティングなどに活用している。

 名前では「ナナコ」という名前は好かれやすいが「キリコ」はちょっと違う、みないな話を細かい分析とももに話してくれた。どうしても何か違和感があったので、質問タイムに「そうやって何もかも音で説明できてしまうのはウサン臭い、わからないものもあってもいいのでは?」と聞いたところ「全てが音で説明できるとは思っていない」という答え。うん、まあそうでしょう。その後のコメントが「竹内久美子さんが何でも遺伝子(だったかな?)に結びつけちゃうのがイヤだと思っていたから、今の質問の気持ちはよくわかります」というようなものでなかなか笑えた。 本人は「自分を研究者だとは思っていない」と言っていたけど、それで理解しました。「科学ではない」のだろうと。そこまでいうと反論されるのかもしれないけど。

たまたま『クリティカルシンキング 不思議現象編』を読んでいる最中だったのがいけなかった。だって、ことごとく「科学のやり方」に反した話だったから。

この番組のゲストに反発するような質問をしたのは今日で2度目。どちらも女性ゲストだったのは・・・偶然でしょう。まだ、十分なサンプルがないから。

January 25, 2005 at 10:08 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (1) | TrackBack (0)

ふざけるな!!! JWord

しばらく前から、時々でてきては「更新しますか」とかうるさかったJWord、一太郎のお仲間かと失礼ながら思っていたのだが、「日本語検索」の仕組みと知って、そんなものいらないのでアンインストールしたら、それ以来も、ことあるごとに「インストールしましょうか」みたいなことを言ってくる。

そして、ついに、いまさっき、全く覚えがないのに「インストールしました」だとさ。いやもうアタマに来る。
世間ではあまり話題になっていないのかもしれないが、これって、へたなスパムやポップアップより悪質だと思う。

稲垣吾郎が「クイックドットコム」とか言っているから、競合製品かと思ったら、同じものらしいね。

結城浩さんの日記によると

どこかで間違ってインストールするリンクをクリックしたのかなあ、と思って再度freeml.comにいってみた。なんと、トップページに行くだけでJWordがインストールされてしまう!

3回試して確認し、3回アンインストールした。やれやれ。

ふざけんなぁあああ

こちらにも詳しい話が。
http://homepage3.nifty.com/tef-room/virus/cnsmin2.html

January 25, 2005 at 04:25 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (2) | TrackBack (1)

空気はホントに乾燥しているのか?

メーリングリストで「ストーブで空気がカラカラに乾いた」という話を読んで、ふと「『乾く』ということは、その水分はどこへ行ったのだろう?」と疑問に思いました。

「湿度」は、

  [空気中の水蒸気圧]
────────────── 
[(その温度での)飽和水蒸気圧]

で表わされます。温度が上がると、分母(飽和水蒸気圧)が大きくなるので、空気中の水分(水蒸気圧)が変わらなくても湿度は〈相対的に〉下がります。(だから「相対湿度」か)

というわけで「ストーブをつけると湿度が下がる」というのは納得しましたが、次に、なぜ「体やモノが乾く」か・・・

1.温度が上がると[飽和水蒸気圧]が上がる
2.すなわち、〈空気中に存在できる水分の量〉が増える
3.体やモノの水分は空気中に出ていきやすくなる
4.だから〈体やモノ〉が乾燥する

なるほど「モノが乾く」のはわかったけど、はたしてこれを「空気が乾いている」といっていいのだろうか?
だって、ストーブを付ける前と後とでは部屋の空気中の「水分の量」は変わっていないではありませんか。乾いたのは、あくまでモノや人(の喉)であって、空気はちっとも乾いてないのではないか?

冬に外気が〈乾燥する〉というのは、夏の湿度の高い時と比べると、相対湿度が低いだけでなく、絶対湿度(空気中の水分の量)も小さいのですが、「ストーブによる空気の乾燥」はちょっと違うのではないだろうか?

なんていうのは、言いがかりであって、われわれにとっては「絶対湿度」よりも、「相対湿度」の方が、直感的であり、また役に立つからこそ、湿度といえば「相対湿度」のことを言うのですね。空気中の水分の絶対量が少なかったとしても、気温か低くて湿度が低ければ、結局洗濯物は乾かないのですから。

洗濯物自身の「乾き具合」に関しては、「水分があるかどうか」すなわち「絶対湿度」で決まるけれども、空気が「乾いているかどうか」は、あくまでも相対湿度が問題である、ということで納得。

January 25, 2005 at 10:47 AM in 科学 | | Comments (7) | TrackBack (0)

ひび割れたビル

world-harajuku
この写真を別のところで公開したら、何人もの人から「こわい、アブナイ」という声があがりました。つまり「本当にひひ割れているのではないか」ということなんです。 ぼくは何度も現物を見ているし、いくらなんでもそれはないだろうと思ってはいるのですが、写真を見ているうちに段々と心配になってきてしまいました。

「ワールド原宿」というビルで、原宿の東郷神社の向いあたりの明治通り沿いにあります。

検索すると、このビルに入っている焼肉屋の話とかは見つかるのですが「ひびの入ったビル」という話題がないのです。(ホントにしろ、デザインにしろ)いい目印だと思うのですけど。

左下の「木」は、間違いなく木であって、ひび割れではありません。

January 25, 2005 at 10:31 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.19

放射熱日記 2005-01-19

雨の日以外では久しぶりに雲がたくさんでていたので早速測定。
1~3℃くらい。「放射冷却」の話で「放射する方はいつでも同じように放射している」のだけど、「空から降ってくる熱が少ないから冷える」ということなんだけど、こうして曇の日は「空の温度が高い」ということを見ると、そのことも実感できる。「空の温度」とはいっても直接的には意味はないかと思っていたけれども、もうしてみると結構意味を感じられて楽しい。

葉っぱ、アスファルトの道路、工事現場の鉄製の囲い、などを比べてみると、日中は同じような温度のものが、早朝や夕方では、差がついていて「熱容量」が実感できます。葉っぱの中でも、ちょっと陽の方を向いているかどうかでかなり温度が違うのも面白い。

January 19, 2005 at 11:59 AM in 科学 | | Comments (4) | TrackBack (0)

くりこめ詐欺(ネタバレ注意)

日記に項目立てるようなことではないのですが、先方にコメント欄がないのでつい。

「オレオレ詐欺」のことを「振り込め詐欺」と呼びましょう、ということを聞いて、ふと、〈田崎さんが、「オレオレ」ネタを書いていたなぁ、と思いだした。


おれおれ市議: あ、おれ、おれさ、今度、市会議員になるんだ、だからさ・・
折々詐欺:私は朝日新聞の「折々のうた」でも作品を紹介された歌人で、このたび歌集をだすにあたり・・
折れ折れ詐欺:いってえええ、あ、腕が折れちまった、くぉらああ、てめえ(これは古典か)
オレオレ詐欺:カフェオレの「オレ」っていうのは、南仏の地名なんだよ、とてもいいところでね・・・(だましてどうする?)
O0O0詐欺:O(オー)と 0(れい)の活字が似ていることを利用して大金をまぎあげる恐ろしい詐欺。詳細は(考えていないので)略す。
おれおれ参議:あ、おれ、おれさ、今度、参議院議員になるんだ、だからさ・・(しつこい)

http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/0401.html#05 より

そんなことを思っていたら、最近になってこんなことを書いていました。
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/d/0501.html#14

あまりにもネタがアカデミオタッキーなので、引用はしませんし、解説もできませんが、あえてわかる範囲で言っちゃうと、田崎先生は「くりこみ理論」の大家(「おおや」じゃなくて)なのです。

January 19, 2005 at 10:40 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.17

「四捨五入」40年来の濡れ衣? いや違うか?

「四捨五入」について、40年間近く誤解していたことがあります。
「5」を繰り上げることを
「本当は、真ん中だから、上げても捨ててもいいのだが、便宜上切上げている」
と思い続けてきたのです。

そのため、四捨五入で「5」を上げる度に、「ああ、こいつ得しやがって」とか、
「ああ、5が多いから合計が多めになるな」などと思っていました。

しかし、考えてみたら(みなくても)

0,1,2,3,4 ・・・上
5,6,7,8,9 ・・・捨

なのだから、しっかり「半々」で何も問題ないではありませんか。

・・・しかし・・・(書き始めた時には、ここまでで良いと思っていたのだ)

ふと思い出したことがあります。昔、兄から聞いたことがあるのだけど、
四捨五入で末尾が「5」だった時は(常に捨てるのではなく)その前の数字が
「偶数ならば捨てて、奇数ならば上げる」というやり方もある、と。

(例)
1.5 →2
2.5 →2
3.5 →4
4.5 →4

これは bankers rounding(銀行式丸め)と呼ばれているもので、当然の如く
銀行(日本ではどうか知らないが)で使われる方式だそうです。(ISOにも規定されている!)
「×.5」という「ちょうど半分にした数値」がよく出てくるような時に丸めた後で
平均値を取る場合、普通に四捨五入すると全体的に大きめの値になってしまう
が、銀行式にすると、〈丸める前の値の平均値〉により近くなる、というのです。

◆元の値の平均
(1.5 + 2.5 + 3.5 + 4.5+ 5.5 + 6.5 )/6 = 24/6 = 4.0
◆四捨五入の丸め
( 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 )/6 = 27/6 = 4.5
◆銀行式丸め
( 2 + 2 + 4 + 4 + 6 + 6 )/6 = 24/6 = 4.0

ふむ、たしかにそうなるな。
また、こんなことも書いてありました。

例えば12.0と13.0の間を0.1刻みにすると、丸められるべき数は
「9個」ある。その9個のうちの5個を切上げて、4個を切捨てたら、不正確
である。だから「5」は半分を上げて、半分を捨てる。

うーん、本当かな。たしかに「丸めるかどうか考える」対象は9個かもしれな
いけど、「0」だって、その仲間なんじゃないだろうか。丸め対象になる桁の
数字は「0~9」の10種類なんだから、そのうち5個(0~4)を切り捨てて
5個(5~9)を切り上げるのは正しいのではないか。

Bankers roundingが有効なのは「5で終る値が特別多いケース」なのではない
だろうか。

いやいや待てよ・・・とExcelでいろいろやってみた。
300個の数を四捨五入して、元の数とそれぞれを平均(合計でもいいけど)
して比べてみると、たしかに四捨五入した方が値が大きくなる。

「0~4」より「5~9」になる方が多いのだろうか、などと(今から思えば
だよ)アホなことを考えて数えてみるがそんなことはない。 ハタと気付いて、
「丸めた時に足したり引いたりする値」を見てみた、

元   4/5 差
1.0 → 1 0.0
1.1 → 1 -0.1
1.2 → 1 -0.2
1.3 → 1 -0.3
1.4 → 1 -0.4
1.5 → 2 0.5
1.6 → 2 0.4
1.7 → 2 0.3
1.8 → 2 0.2
1.9 → 2 0.1

おお、「引いた値」の合計は 1.0なのに 「足した値」は1.5ではないか。
そうか、「0」はやっぱり特別で「丸められていない」と考えるべきなのか。

かくして、ぼくの40年来の「四捨五入」についての思いに「間違い」はなかったのであった。
つまり「濡れ衣」ではなく、やはり「5」は「悪い奴」だったのだ。

January 17, 2005 at 03:24 PM in 趣味 | | Comments (6) | TrackBack (1)

2005.01.13

熱は温度の低い方にのみ流れるのか?

放射熱日記 2005-01-13
◆放射製氷失敗
 昔の人のマネをして放射冷却で氷を作ってやろうと、発泡スチロールに水をかけて、〈上空に邪魔のないところ〉に置いておいたがダメだった。〈凍らなかった水〉の温度を測ることもしなかったけれども
さわった感じでは、大して冷えることすらなかったのかなぁ、というところ。気温が零下になって凍ってしまうことを心配していたのがおかしい。
 マンションの1階の庭に出しておいたのだけど、「広い野っ原じゃないとダメなんじゃないの?」と息子に指摘された。たしかに「真上」には何もないものの、まわりには建物が迫っているではないか。これではまわりから放たれる熱線は防げない。実は、「まわりの空気で暖められないように」と思って、発泡スチロールの「箱」の底に皿を置いたものもあったのだが、こんなの箱の内側の熱線がバシバシ降ってくるではないか。

◆放射冷却ネタ
 「放射熱」で検索してもあまり面白くなかったが「放射冷却」だと、出るわ出るわ。気象の記事はもとより、建築でも「ビルの谷間は放射冷却は少ない」なんて話がでていた。(これを読んでいたにもかわらず、上の製氷実験では谷間に置いていたのだな)
 放射冷却に関する研究結果もいろいろでていたし、さらには「パラボラクッカー(パラボラ型の反射板の(文字通り)焦点に食料を置いて焼く器具)」による製氷を試みた実験(ダメだったそうですが)も見つかったので、どうやらぼくの出る幕はなさそうです。

■熱は温度の高い方から低い方に流れるとはいうけれど
 さて、今日のメインはこれ。

きのうの温泉カワセミさんのコメントを読んでいて気がついたことだけど、「熱は温度の高い方から低い方へ流れる」というのは誤解を招く表現だと思えてきた。実際放射冷却の説明で「絶対零度付近の宇宙に対して熱を放射するので」などと書かれているのを見ると、物体があたかも〈自分より温度の低い物を探して、そこに向かって赤外線を放射〉しているかの如き印象を受ける。そんなバカなことはある筈もなく、モノはまわりが熱かろうが冷たかろうが、そんなことは何も知らずに淡々と熱を放出し続けるわけで、まわりの方が熱ければ〈放出する以上の熱を吸い込む〉ということでしょう。宇宙が相手だからといって、特別にたくさん熱を放出するわけではなくて、単に「もらう熱が少ない」から冷える(凍る)ということ。
 お天気キャスターの森田さんのHPにこんなことが書いてあった。「放射冷却現象」について、という質問に対して、こう答えています。

「現象」などという大それたものではありません。テレビで放射冷
却「現象」という人がいたら、それは気象をまったく理解していな
い人といってもいいと思います。
すべての物体は、たえず熱を出しています。この熱を出して冷える
ことを「放射冷却」と言っているのです。なんのことはありません
。誤解を承知でいえば当たり前のことを難しい言い方に置き換えて
いるだけなのです。
たとえば熱いフライパンがあるとします。そのままにしておけばフ
ライパンはどんどん冷えていきます。このとき「放射冷却によって
フライパンは冷えている」といいます。ただこの冷え方は条件によ
って違います。もしフライパンにドライヤーの熱い空気をあててい
たら、あんまり冷えないでしょう。
大地も同じで昼間は太陽が出ていますから、放射冷却していてもあ
まり冷えないのです。逆に夜間雲がなくて風が弱いと、放射冷却が
妨げられないので、温度が下がることになります。

少々乱暴な書き方だとは思いますが、放射冷却を「絶対零度の宇宙」とかごちゃごちゃ言わずに「モノはそもそも冷えるものである」という切り口で説明しているところがなかなか新鮮。もっとも、熱の放射ということをよく知らない人(つまりはほとんどの読者)が読むと、〈晴れた冬の日〉には何もかも冷え込みそうに思えちゃいますね。

『熱は、温度の高い方から低い方に〈のみ〉流れて、冷たいものからは〈一切発せられない〉』と思っている人って、案外いるのではないのだろうか?  

January 13, 2005 at 09:45 AM in 科学 | | Comments (6) | TrackBack (0)

2005.01.12

2005-01-12 思いがけない飲み会

年が明けて初めてのTBS収録(なんて言うと、出演するみたいだ)。今日は、「是非行きたい」という知人がふたり参加。いつものように18:20に「ウルトラマン下集合」だったのだけど、ギリギリまで来なくてあせった。工事のためにウルトラマンが見えにくかったらしい。TBSの人に聞けばわかるだろうけど、まだまだ認知度は低いようである。

今日のゲストは小泉武夫さん。発酵に、カビに、食に、酒に、とにかくよくしゃべっていたなぁ。面白かった。
日本酒の話が出たので質問の時に「息子が酒造りを目指しているのだが」と言ったら、「杜氏組合」の講習会や、円山町の店などを紹介してくれた。肝心の息子はどう考えているのやら。

さて、一緒に参加したKさんの奥さんも参加していて、こちらが「お酒大好きで、蔵元回って、利き酒資格もとった」というじゃありませんが。というわけでK夫妻とTさんと4人で飲み屋探し。「いい店見つけておいたのに、紙持ってくるの忘れた」ということで、歩きながら、Tさんが「あ、ちょうちんがある」と見つけた店を見ると、「竹林」という酒ののぼりがあったので、K夫人が即決。 ぬる澗を中心に、いろいろ飲んだなぁ。K夫人はノートにメモしながら、時には放射温度計で温度を測りながら飲む、飲む、飲む。 こんなところでまた人の輪が。酒が繋げる人の輪なんてありふれているかもしれないけどね。
店の名前は「六甲亭」でした。(五反田に同じ名前の店があるけど、関係ないみたい)

January 12, 2005 at 03:25 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0) | TrackBack (0)

放射熱日記 2005-01-12

きのうの日記に、温泉カワセミさんから思いがけず実体験に基ずいたコメントをいただき感激。汚れまくっていたヤカン(ステンレス製)を磨いたので、放射熱の損失が少しは減ったか。

今朝7時少し前に、パンと牛乳を買いにコンビニに行く途中、100円パーキングに止まっているクルマのガラスが凍っているのを発見。うむ、これぞ「放射冷却」であろう。フロントとリアが凍っているのに対して、横にある窓のガラスはそのまま。空に向いている面がほとんどないからだろうと予想。ただし、すべてのクルマで凍っているわけでもなく、まだわからないことは多い。

庭(といってもマンションなんでほとんど空地がないのだが)に浅い皿に水を入れて置いてみよう。皿は発泡スチロールの上に置こう。ベンガルの人が「ワラ」を使ったように。 気温が零下になると面白くないので、今くらいの気候が丁度良いのかも。 周囲が零度より暖かいにもかかわらず凍る、というところが放射冷却の肝なのだ。

ところで、クルマのフロントガラスに氷が張っていたのは、元から水があったからだろうか?そうではなくて空気中の水蒸気が露になって付いたものが凍ったから、あるいは水蒸気が直接昇華して霜になったか。これは結晶を見ればわかるだろうから、次は近くで見てみよう。

ここまで放射熱について調べた今になっても、そこいらに置いてあるものが、〈遥か彼方の宇宙に向けて熱を放出する〉というのが、どうにも信じられない。

January 12, 2005 at 09:44 AM in 科学 | | Comments (3) | TrackBack (0)

2005.01.11

放射熱日記 2005-01-11

チンダルの本("Heat considered as A Mode of Motion")には、まだまだたくさん radiant heatについて書いてある。「放射冷却」に関する話で、ベンガルでの氷の作り方がでている。浅い穴にワラを敷いた上に置いた皿に一度沸かした水を入れておく。水は放射冷却され、ワラは熱伝導が悪いので地面の熱をもらうことなく、朝までには「氷になる」というわけ。このことは、Dr.Wellsが書いているそうで、そこには「晴れた空」が条件だと書かれているが、チンダルはそれに加えて「乾いた空気」であることが必要だと書いている。水蒸気が強力な「熱吸収(放射)体」であるから。

逆に放射冷却を防ぐためには、「何かが上にあればよい」ので、他は凍っているのに葉の陰は凍っていない、ということも起きるそうで、「クモの巣があるだけでも防げる」とか。
[Lecture XII より]

その気になって読んでみると、いろいろなところに放射熱の話はあるもので、近角聡信さんの『日常の物理事典』、同『続・日常の物理事典』(*)を久しぶりに開けてみたら、いくつもがでていた。中でも「ガスの炎のうち、青い炎は気体なので放射熱が少ないが、赤い炎は炭素の粉が入っているので放射熱が高い」とか「赤外線コタツは、中の空気を暖めるのが目的ではないからふとんは、厚くなくてもいい」とか「アルミ箔による断熱の効果」とか、いろいろと嬉しくなるような話が書かれている。この本は索引に「熱」とか「放射熱」という分類があるし、文中にもリンクが張りめぐらされているので、こうした探し方には非常に便利である。

料理の話がよくでてきて、「ローストビーフを切り分けるのは主人の仕事」なんて書いているのだけど、ぼくは40年くらい前に近角さんの切り分けたローストビーフ(多分ね)を食べたことがあります。

(*) 05-02-16 当初、書名をあやまって『日常の物理学』と書いてしまいました。その後『日常の物理学』という同じく近角さんによる別の書物を読んで、「同じ題名とは変だなぁ」と調べているうちに、自分が間違えていたことに気付いて本日修正しました。

January 11, 2005 at 05:08 PM in 科学 | | Comments (2) | TrackBack (0)

2005.01.07

鹿児島に行ってきました

3日~6日に鹿児島に行ってきました。多分初めて。
飛行機で2時間足らずだなんで、8時に乗れば10時には着いてしまうから「遠くに来た」という実感はありません。バスで市内に入っていくと、東京と特に違いのない風景なのでますますそう感じるのですが、ふと「同じ国というのはこういうことなのか」と思ったりしました。 言葉や文化の似ている国同士だと、他の国に行ってもそうなのだろうか。

鹿児島中央という駅が実は前の「西鹿児島」だとわかりました。新幹線開通とともに改名したそうですから、ついこのあいだのこと。県名でも市名でもある「鹿児島駅」よりも、「西鹿児島」の方が栄えているという不思議なことになっていたけれども、名前が「西」では格好がつかないから「中央」にしたのでしょう。この機会に「鹿児島初の駅ビル」ができて、さらにそこには「観覧車」が回っていました。桜島がよく見えるそうです。

鹿児島が桜島を囲むようになっているとは初めて知りました。島のまわりの部分は大きな「カルデラ」だそうです。フェリーも渡っているので「島」だと思っていたら、一ヶ所繋がっていました。

「明治維新ツアー」で半日いろいろ見せてもらって、ようやく西郷隆盛や、島津斉彬などのことをほんの少し知る。「歴史は苦手」とはいっても、こういうところに来ると、英語でいえば「アルファベットを知らない」くらいのレベルであると感じます。

あとで、写真でもアップロードしよう。

January 7, 2005 at 10:15 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (1) | TrackBack (0)