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2005.02.16

放射熱日記 2005-02-16 近角聰信 『日常の物理学』

放射熱日記 2005-02-16
しばらく放射熱日記をさぼってますが、放射熱熱は冷めてはいません。

放射熱の基礎的なことに関する情報が不足しているのではないか、という気がつねでねしていたのですが、
近角聰信『日常の物理学 ●一物理学者の随想』(東京書籍)
を読んで、また気合を入れ直しました。

同じく近角さんの書いた本で『日常の物理事典』『続・日常の物理事典』があって、これらの中にも「放射熱」に関することが、思いがけずたくさん書いてあって喜んでいたのですが、『日常の物理学』の中には「放射」という項があって、こんなことが書いてあったのです。

この放射というものはなかなか理解しがたい概念である。低温からの放射は目に見えないために、実体が把握できないからであろう。近頃の小学校の理科教育ては、わかりにくいという理由で、放射を教えない傾向があるそうだが、とんでもない話である。放射は伝導、対流とともに、熱の三大移動方式のひとつで、これなしには熱現象を語ることはできない。(156ページ)

まさに「わが意を得たり」というお話。「伝導、対流、放射」と三つあることは、覚えていたけど、
・熱線が赤外線であること
・真空中でも伝わること
・冷たいものからでもでていること
などなど、まるでわかっていなかったから。

「放射を感知する」方法として「ラジオメーター」を取り上げています。

そうか、この手があったか。問題は、こいつが赤外線にどの程度反応してくれるか、である。何しろ「ガラス」という(遠)赤外線に対してはかなり「不透明」な材質で囲われているので、果して中まで通るかどうか。先日中村理科工業のショウルームにあったものに、手のひらを近づけてみたけど、回りませんでした。体温くらいではダメ、と。ぼくとしては、〈熱湯を入れたアルミケースの黒く塗った面〉で回ってくれることを期待したい。買おうと思ったら、1万円ちょっとしたので、ちょっとためらっていたら、ネットでいいのが見つかったので注文しました。早く試してみたいものです。

「金属がなぜ、光(電磁波)を反射するか」について、「金属内の電場が小さいから」という説明がされています。〈電場と磁場のが振動する波〉である電磁波が金属に入ろうとしても、〈金属が電場の入射を許さないから〉反射してしまうのだそうです。また、金属内の電子が熱振動しても、電場の振動を伴わないから、電磁波は出ていかない、とも。 この「吸収しないものは放射もしない」という話は、放射熱の話の中でも中々面白い話で、ぼくはチンダルの本で知ったことだけど、わりと盲点になっているようで気に入っています。その分説明は難しいので、どうしたらこのあたりをわかりやすくできるかを日夜考えております。特に、可視光と赤外線とで、程度の違いが大きいところが難点。

February 16, 2005 at 05:11 PM in 科学 |

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Comments

ラジオメーターは本日発送いたしました。

Posted by: 中山 | Feb 17, 2005 3:35:16 PM

中山さん、ありがとうございました。ブログでお知らせいただけるとは思いませんでした。

Posted by: のぶ | Feb 17, 2005 9:19:59 PM

 はじめまして。
今、ちょっと仕事で放射熱について勉強してます。
発泡スチロールにドライアイスをいれ、マイナス30度以下で
ヨーロッパまで運ぼうとしてます。アルミ箔を外側表面に貼った
発泡スチロールの箱は7日持ちます。貼らないと5日です。
アルミ箔に効果はあるというのはわかるのですが、その
理由はなんでしょう?どうにも、わからないんです。

Posted by: 伊藤 | Sep 5, 2005 10:08:29 PM

伊藤さん、こんにちは。

発泡スチロールよりもアルミ箔の方が熱を逃がしにくい理由は「アルミの方が熱を吸収しにくい」からです。

室温付近における放射熱の正体は「赤外線」ですが、多くの物質はこの赤外線の95%くらいを吸収するのに対して、アルミニウム箔はそのほとんどを反射してしまい、わずか(20%以下程度)しか吸収しません。発泡スチロールの放射率のデータを持っていないのですが、ちょっと試した限りでは紙などと変わらず95%程度のようです。

つまり、アルミ箔が貼ってあると、まわりの熱が箱に伝わりにくいのです。「まわりの熱」といいましたが、空気のことではありません。空気の熱は「伝導」で箱の伝わるので、アルミ箔の方が発泡スチロールよりも伝えやすいのですが、すぐ下には発泡スチロールがあるから中のドライアイスに与える影響はわずかです。一方、放射熱はまわり中の物体から発せられる赤外線で、空気の温度に関係なく(真空中であっても)伝わります。

発泡スチロールといえば「断熱」、アルミといえば「熱伝導が良い」という印象が強いので、なかなかピンと来ないと思いますが、放射熱に関しては「アルミ箔」の方が、ずっとずっと「伝えにくい」のです。 冷凍品などを入れる袋で表面がアルミ加工してあるものがあるのはそのためです。

これらのことは理屈では理解していましたが、ドライアイスの保存時間でそんなに明らかな差になるとは、感動的です。

なお、箱の中身が室温よりも暖かい場合は,上記の話が「熱の吸収」ではなく「熱の放射」になり、「冷めにくく」なるはずです。

Posted by: のぶ | Sep 5, 2005 10:34:31 PM

のぶさん、ありがとうございました。
これで説明ができます。あとは納得して
もらえるように頑張ってきます。
ありがとうございました。

Posted by: 伊藤 | Sep 9, 2005 4:24:01 PM

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