絵のかけない大人にもかけた
この写真の左側は「もやし」そのもの、右側は、それをぼくが写生したものです。
「それがどうした」と言われると困るのですが、ぼくにとって「絵をかく」というのは、・・・と何かにたとえようかと思ったけど、たとえる相手に失礼だからやめた、というくらい苦手なことなのです。小学校以来、まともにかけたことはないし、中学生の時は、同じものの写生ばかりしていたし。
どうしてかけたか&「かく気になったか」といえば、「キミ子方式」というやり方に従ったからです。「キミ子方式」というのは松本キミ子さんという人が考案した「絵のかき方」で、詳しくは「キミ子方式とは」を見ていただくとして、その特徴は、
1.絵の具は三原色と白しか使わない
2.下書きはせず直接絵の具でかく
3.描きはじめの一点を決め、となりとなりへと描く
4.画用紙がたりなくなったら、たせばいい。あまったら、切ればいい
5.タイトルをつければ、どこでやめてもりっぱな作品
などです。
「輪郭」というものを描くことはなくて、いつでも中身ごと描きます。
「構図」というものを決めないで、いきなり「部分」から描きはじめるので、途中で紙が足りなくなったり、逆に小さいままで終ってしまうこともあるけれども、速にかれば紙をつぎ足し、小さければ切ればよい、という潔さです。
松本キミ子・堀江晴美『絵のかけない子は私の教師』(仮説社)という本があるのですが、キミ子さんはご自身も夫も芸術家で「絵をかけるのは当たりまえ」と思っていたのに、わが子が絵をかけなかったことをがキッカケのひとつとなってこのやり方を考案したと聞いています。
上の写真の絵は、ぼくが先日(2005-03-27,28)に八王子で行われた「東日本たのしい授業フェスティバル」の講座の中で描いたものです。筆や絵の具にさわったのは20年ぶりくらいかもしれません。はじめに「色づくり」といって、「三原色と白」だけで、15種類以上に色をつくって紙にかくことをして、次にこの「もやし」をかきました。そこまでで2時間くらいはかかっているでしょうか。
もやしの描き方の面白いところは「生えた時と同じ順番に描く」というところ。
「もやしはどこから生えるか知ってますか?」と聞かれるのですけど、「根」からです。で、その根がどこから生えるのかといえば「種から」なのだけど、現時点ではもう種のカラは上の方に行っちゃってるんですね。というわけで、白くて太い茎の部分の下の根から下に向かって描いて、次に同じ起点から上に向かって茎を描くのです。これも「成長する時と同じ方向で」というわけですね。
「キミ子方式」はもっともっと「深~い」のですが、ぼくのような人が3時間の講座を受けるだけでも、突然〈絵をかけるようになる〉ことがあるというだけでも、すごいことだと思います。
キミ子方式については、キミコ・プランドゥのページをご覧くどさい。(上のリンクのホームです)
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