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2005.05.26

「空の温度・続」放射熱日記 2005-05-26

きのう、きょう、と青空で雲も少なくて空の温度は〈マイナス15度〉くらい。

このくらいの青空だと〈-20~-30度〉くらいでもいいのになぁ。12月の末にはそんな感じだったから。何が違うのか。

当時は外気温はずっと低くて、今はもう夏になろうというところだから、まわりからの影響で高目にでているのではないか、というのは気になるところ。

そうだ、夜に測ればいいのだ。
幸い、きのうの夜は雨も降らずに、雲も少なそうで昼間と条件は近そうだったので測ってみたのです。はたして結果は〈-15度〉。かなり乱暴だけど、

「昼間測っても、(太陽に向けていない限りは)太陽光や、気温の影響はなさそうだ」
といえるのではないか。

上記の仮定の元に、「青空の温度」を考えてみると、

12月末・・・〈-30度〉
 5月末・・・〈-15度〉

これまた、かなり乱暴だけど、「同じような空もようなのに温度がこれだけ違う」といいたいのです。

で、その理由は「水蒸気」だろう、と。
あ、これは、つい先日の「放射熱日記」に書いたっけ。

さて、これまで誤解を恐れずに「空の温度」と言っていますが、実際、この〈空に向けた赤外線放射温度計〉の示す値というのは、何を意味しているのだろう。

放射温度計は、「受光部に入ってくる、ある周波数の赤外線の量」を測っています。赤外線を直接測るわけではないので、実際には、赤外線を受ける受光部の温度を測り、同時にその受光部付近の〈赤外線を受けていない部分の温度〉を別の温度計で測り、その差から「赤外線の強さ」を計算する、というようなことを(あの小さな体で)やっています。 受光部には赤外線以外の光(可視光など)も入ってるるので、それによる熱の影響を受けないようにフィルターが付けられているものと思われます。

この温度計の通常の使い方では、近くにあるものに向けて測ります。1センチ先にある「手のひら」を測ると、手のひらの上の「直径1センチ」の円の部分から放射される赤外線を受けて、上記の方法で温度が計算されます。1メートル先なら「直径1メートルの円」、100メートルなら直径100メートルです。(これは、私の使っている3150円の温度計の場合であって、高級機では例えば1メートル先では「直径12.5センチの円」を測れるものもあります。

では空に向けた場合は一体、どこの何を測っているのでしょうか。「宇宙のかなた」だとすると、絶対0度に近い値になりそうですが、〈-20度〉あたりになっているところをみると、そういうこともなさそうです。 途中に屋根があれば、屋根から上には関係なく「屋根の温度」を測るように、空には雲とか水蒸気などの層があって、これらが屋根のように赤外線を吸収したり反射したりしていると思われます。どのくらいの高度でそういうことが起きているのでしょうか。雲は、ちょっと山に登れば「下に見える」くらいですから1500メートルくらいからありそうです。水蒸気の層はどうなんだろう。 とりあえず「屋根」は2000メートルあたりと仮定すると、放射温度計は「直径2000メートル」の円から放射される赤外線を測っていることになります。 そうそう、これは十分に広くてまわりに何もない場所でやった時の話であって、ぼくが測るようなところでは、どうしても測定角内に建物などが入ってしまうようです。そこからも赤外線は来るはずてすが、経験的にはそういうところで測った値と、何もない所での値には違いは(少)ないようです。

上の数字を使うと、空を測ったら〈-15度〉だということは、
「高度2000メートルのところに、平均温度〈-15度〉の大きな円がある」
ということになります。〈-15度〉といえばずいぶん冷たいはずだけれども、そんなに遠くにあるのなら冷たさを感じないような気もします。実際に今、外に出ても冷たくないのはそのためでしょうか? しかし、まてよ。「2000メートルの彼方」を測っているなどということは、放射温度計は知らないのですよ。別に距離を設定するわけではないから。単に「温度計に飛び込んできた赤外線がそのくらいだった」というだけの筈。 「1メートル先の直径1メートルの〈-15度〉の円」や、「1センチ先の直径1センチの〈-15度〉の円」でも同じ値を示すはずで、温度計としては、それと区別はつかないのです。

うーむ、それだとしたらもっと「ヒンヤリ」してもいいのではないでしょうか。
周囲の空気は〈20度〉以上ありますから、そのせいで感じないのでしょうか。これが冬になって、空気も〈0度〉に近くなってくれば、「空の冷」が効いてくるのではないか、とい気にもなってきます。そして、〈通称「放射冷却」〉の話になるのです。(「冷」が降ってくるわけではなくて、「こちらからは熱が出ていくのに、空からは熱があまり来ない」だけですが。)

湿気もなく晴れた日の空というのは、「ホントに冷たい」のでしょうか。

窓の外 ますます晴れて いい感じ  


May 26, 2005 at 04:17 PM in 科学 |

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Tracked on May 30, 2007 1:57:43 AM

Comments

のぶさん、

>では空に向けた場合は一体、どこの何を測っているのでしょうか。

う~ん、センサーがサーモパイルなんで、結局はセンサー部分の温度変化で発生する起電力を、内部で「測定温度」に換算してるだけなんですよね。と言うことは対象物の実際の温度そのものより、センサーに入ってくる赤外線エネルギーの総量の問題なのかな。たぶん、この手の温度計の換算式は対象物を固体、距離もそんなに遠くを想定してないから、気体相手やと低めに出て来るはずですよね。たぶん、対象に出来るのは、せいぜい液体までかな。

いわば、前にのぶさんが紹介された「赤い炎と青い炎」と同じで、1個の気体分子から発する赤外線エネルギーは温度依存やけど、センサーに届く総エネルギーは少々温度が低めの固体や液体からの方が大きいってことかな。ですから「空の温度」を測るときは温度計に表示される「絶対値」で考えると、ややこしくなると思います。あくまで「相対値」として考えるべきなんでしょうね。

Posted by: 温泉カワセミ | May 27, 2005 12:57:34 AM

温泉カワセミさん

ありがとうございます。ちょうどぼくも気になっているところなんですが、今回の「ノブ的転換」は、放射温度計の示す温度を「対象物の温度」としてではなく「ここ(温度計)に降りそそぐ赤外線ぐあい」として考えようってことなんです。

以前の「熱湯箱」を放射温度計で測った時に、黒い面が〈70度〉なのにアルミ面が〈30度〉だったりしましたよね。実際の「面の温度」はほとんど同じで「アチチ」なので、少なくともアルミ面の〈30度〉というのは「対象物の温度」という意味では「正しくない」わけです。これは「放射率が違うから」という理由であたりまえのこと。

これは〈対象物の温度を測る道具〉としての「放射温度計」の欠点と言えますが、「自分に当たっている放射熱(赤外線)を測っている」と考えてみたのです。例の「箱」の黒い面とアルミ面に〈手をかざす〉と、明らかに黒い面の方が暖かいのですが、これは放射温度計とは関係なくて「実際に暖かい」のです。

・黒い面……実際に暖かい……70度
・アルミ面…暖かくない………30度

ということで、放射温度計は、そこ(温度計のある場所)の「実際の暖かさ」を教えてくれるといえるのではないでしょうか。 ただし「そこ」が70度だったり30度だったりするわけではありませんから、温泉カワセミさんが言われるとおり、この数字はあくまでも「相対的」に使うべきなのでしょう。

ああ、でも「近くに〈70度の黒いものが〉ある状態」という意味では、〈70度〉という数字にも意味はあるのかも。

「空」の話に戻しますと、たしかに放射温度計で「気体の温度を測る」のは無謀ですので、実際に「雲や水蒸気層」が何度であるかは考えないことにします。でも、ここ(地表のぼくのいる地点)にどんな熱線が来ているのかは測れるのではないかなぁ、と思うのです。

この温度計は約60度の測定角から入ってくる赤外線を測っていますが、現実の物体は、360度あちこちからの赤外線を受けているので、話は簡単ではありませんが、〈他の条件が同じ時〉の、「空からの影響」の違いはわかりそうです。

いやー、たすかります、こうして相手をしてくださる方がいると。感謝!

Posted by: のぶ | May 27, 2005 9:31:27 AM

のぶさん、

>「対象物の温度」としてではなく「ここ(温度計)に降りそそぐ赤外線ぐあい」として考えようってことなんです。
そぉ!正にそう言うことやと思います。温度計にしろ何にしろ、測定原理をある程度理解してないと、正しい測定法を選ぶことも難しいですからねぇ。

>放射温度計は、そこ(温度計のある場所)の「実際の暖かさ」を教えてくれる
補足すると「実際の暖かさ」の前に、その少し前の文章にある「手をかざしたときの」って言葉を入れれば、良いですね。触っちゃうと70℃は70℃ですから充分暑いでしょうからね。

>いやー、たすかります、こうして相手をしてくださる方がいると。感謝!
いえいえ、いつも面白い話題を提供していただいて、こちらこそ感謝ですよ。こういうお話できるの楽しいですからねぇ。

Posted by: 温泉カワセミ | May 27, 2005 11:52:42 PM

>「手をかざした時の」暖かさ

思えば「手をかざす」というのは 暖かさを感じれキホンですよね。たき火やとかストーブとか。

ちょっと前に書いた「岩塩」を赤外線が通る話で、板のまん中に岩塩の窓(1センチ四方くらい)をあけて、むこう側に熱源を置いて「手をかざして暖かさを感じよう」としたのですが、どうもあまり感じない。放射温度計ではかなり出てるのに。 どうも、手のひらってのは、そんな1センチ四方くらいの「暖かさ」には鈍感のようですね。これもひとつの発見。いい方法を考えなければ。

Posted by: のぶ | May 28, 2005 9:11:25 AM

はじめまして。
空の温度でWeb検索したら放射温度計で空の温度を測っていた人
がいて感激しました

実は私も雲の温度を知りたく、放射温度計で計れるのではと思い
実験しています。

私の使っている放射温度計(1m先で72mmの狭視野)で
観測した最近の結果は 、晴天時もしくは雲域外の上空の温度は
-15~-20℃程度でした。

これは特定の高度の温度ではなく、放射温度計にとどく対流圏の
下層から上層までの水蒸気、二酸化炭素などからの赤外放射エネ
ルギー総和、もしくは成層圏のオゾン層までの総和を単に温度換
算した時の値だと思います。

観測温度の低いときと高いときを当日のエマグラム(高度と気温
・露点温度の関係をグラフにしたもの)で比較すると温度の低い
ときは上空の温度が低い、または同じような温度分布の場合は上空
が乾燥しています。

雲域の観測では、その雲域の高度に応じて温度が変わり比較的低
い雲は高度から推測するとそれなりに信頼できる温度が観測され
ています。

一例を揚げれば、5月30日雨天時に上空を低い乱層雲が覆っていま
したが、このとき地上気温は15℃、雲域の温度は14℃、1500
m上空の温度は11℃でしたので温度で比例配分すると高度 500
m程上空の雲となり、目測でもこのくらいの高度かと思いました。

また6月5日の日中、積雲と高積雲がある空では、積雲で16℃
(800m上空の温度)、高積雲で0℃(3000m上空の温度)
であり、雲の種類、目視観測からしてそれなりの値かと思いす。
雲の高度が正確にわかればさらに検証精度が上がるのですか。。。

これは、雲粒は水蒸気や二酸化炭素などの気体分子に比べると大
きいため、ある程度正確に温度が測定できているのではないかと
思っています。

Posted by: カタツムリ | Jun 7, 2005 1:19:39 PM

カタツムリさん

なんと「空の温度」で検索して見つけていただけるとは、感激です。

かなり本格的に調べていらっしゃるようで、何とも心強い限りです。是非、いろいろ教えてください。

ぼくのいう「空の温度」は、カタツムリさんが書かれているとおり「下層から上層までのモロモロの換算値」なのですが、カタツムリさんは、「雲そのものの温度」を測ろうとしているのですね、すごい。

暖かい季節になってからというもの、いつも空は10度以上です(D:S=1:1機)。 これだけ気温が高くて、(相対)湿度が高いということは、この状態でいきなり気温が下がれば、さらに湿度は高くなるってことですよね。どちらが涼しく感じるのだろう。

嬉しいコメントをいただいて元気がでたので、また「放射熱日記」を書きます。よろしく。

Posted by: のぶ | Jun 7, 2005 3:03:05 PM

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