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2005.05.27

水から生まれた水酸化ナトリウム

小林カツ代さんがCMやっている台所用の洗剤、ではなくて「洗浄除菌水」。

「水から生まれた」とか言っているのでアヤシイなぁ、と思ってツムラのwebで見たらら、

●   水を電気分解して生成したアルカリ電解水100%のキッチン周り用洗浄除菌水
●     界面活性剤や添加物は一切 不使用
●     手肌や環境にやさしい
●     アルカリパワーで、洗浄力と除菌力に大きな効果
●     2度拭きが不要
●     無臭

水を電気分解」したものだと言ってます。
水素と酸素が出て…電極が溶け出して何が出てくるのかなぁ。「アルカリ電解水」が何なのかは、調べていないので、とりあえずおきます。

とにかく「水」を「電気分解」して作った、ということね。
で「成分」は、と見ると、

成分      水酸化ナトリウム0.18%(換算値)      
液性      アルカリ性

ひょえーーーっ! す、すいさんかナトリウムですってぇ。いえ、水酸化ナトリウムが悪いっていうんじゃありませんよ。でも「水を電気分解」しただけで、水酸化ナトリウムってできるのでしょうか。な、ナトリウムは一体どこから??

ツムラのQ&Aを見ると、

Q:添加物は一切不使用となっていますが、成分に水酸化ナトリウム0.18%(換算値)との記載があるのはなぜですか。

A:本品は、アルカリ電解水100%の商品です。水酸化ナトリウム加えておりません。表示の水酸化ナトリウム0.18%はアルカリ度を示す値で換算値です。

うーむ。アルカリ度を表わすのに、わざわざ入ってもいない水酸化ナトリウムに換算しなくてもよいと思うが。と思って続きを見ると、

参考: 水(食塩水)を電気分解すると水酸化ナトリウムができてアルカリになります。

どうしてそんな話が参考になるんだろう。さらに次を見ると、

Q:拭き残り箇所や容器噴霧口に白い粉がありますが、これは何でしょうか。人体に影響があるものなのでしょうか。

A:アルカリ電解水が空気中の二酸化炭素と反応し炭酸ナトリウムの結晶(粉末)ができたことによります。炭酸ナトリウムは人体に影響のない安全なものです。

ふうむ、二酸化炭素と反応して炭酸ナトリウムですか。なんか水酸化ナトリウムっぽいじゃありませんか。 なんて、イヤミ言ってても仕方ないな。要するに、この「キッチンアクアショット」の中には「水酸化ナトリウムが入っている」のでしょ、はい。
もう一度さっきのQ&Aを見ると、

《水酸化ナトリウムは 加えて おりません》

と書いてあるじゃあありませんか。 決して「入っていません」とは書いてないよ。

つまり、こう言いたいわけね、

・水に食塩を加えて電気分解いたしました(それって、「水を電気分解」じゃないぞ)
・よって(できあいの)水酸化ナトリウムは加えておりません(たしかに)
・中で水酸化ナトリウムができていない、とは申しておりません(たしかに)

人をおちょくっとんのか。

「水から作りました」と言えば何でも安全だと思うとでも思っているのかい。

ほんとに電気分解して作っているのかなぁ。水酸化ナトリウムを溶かして薄めた方が楽そうだけど。

May 27, 2005 at 05:51 PM in 科学 | | Comments (3) | TrackBack (0)

2005.05.26

アメリカの犯罪が激減した理由

"Freakonomics"面白すぎ

この前紹介したこの本、面白すぎ。なかなか読む時間がないので、電車の中とか歩きながらも読んじゃうんだけど、きのうは田園都市線を渋谷で降りたホームのベンチで1時間くらい読んでた。家に帰りたくないわけじゃないけど、何かと雑用に追われるからね。

さて「書評ベタ」のぼくとしては、どう書いたらよいのかわからないけど、

「世間で言われていること、信じられていることが、実は違うよ」

ということを、ちょっとした計算や、思いがけない視点から面白おかしく紹介してくれるという本だと思う。

章のタイトルは

1.学校の先生と相撲とりの共通点
2.KKK(ク・クルックス・クラン)が不動産屋と似ているところ
3.麻薬密売人はなぜ、いつまでも母親と一緒に暮しているのか
4.犯罪はどこへいったのか
5.完ぺきな親とはなにか
6.完ぺきな計画パート2。

といった感じで、どれも面白いんだけど、いちばん「重そう」な話題で、かつ、発表当時に物議をかもしたといわれるのが「犯罪はどこへいったのか」という話。

1989年、アメリカで犯罪件数がピークに達して(って、後から見たから「ピーク」なんだろうな)識者たちは「これからも犯罪が増え続けて大変なことになる」と言っていたそうな。 ところが1990年以降、犯罪は、ものすごい速さで「減り」はじめた。「予想」の外れた学者たちは、「元々『悪くなる』とは言っていない」などと言い訳をしたのに加えて、〈犯罪が減った理由〉をいろいろと考え出したそうな。

1.警察の革新的な戦略が功を奏した
2.刑務所の信頼性が上がった
3.麻薬市場の変化
4.人口の高齢化
5.拳銃保持制度の強化
6.経済の成長
7.警察官の増加
8.その他

それぞれについて、「いかにダメか」の説明があるのだけど、その中では「刑務所により多くの人を置いておけた」というのは、犯罪減少の理由としてそれなりに大きいだろうと著者は言っています。 刑務所に関しては、ひどい議論もあって「刑務所を増やすと犯罪が増える」といって建設反対運動があったそうです。そのことを「地元のチームがワールドシリーズに優勝して、市民たちが大騒ぎして祝うのを見て、その町の市長が、翌年は、シリーズが始まる前に、祝賀会をやるように言った」のと同じようなもんだ、と皮肉ってます。

で、著者(レビット)の考える「犯罪が減った理由」は、

1960年代以降から1973年の「Roe vs Wade」裁判にいたって「人工中絶が合法化」されたからだというのです。

1.特に貧困層において「望まれずに生まれた子どもたち」が非行に走る率は高い
2.中絶によって、その子たちが生まれてこなかったために犯罪は減った

という論法です。

この説は、当然のごとく「中絶を是認するのか」などなどの猛反発を受けたそうです。ぼくはまだ全部読んでいませんし、本人の意見だけを読んでもフェアでないので、いずれ反論も探してみようと思いますが、犯罪数の「激減」を説明できるものが他にないようであれば、悲しいけれどもこれが事実である可能性は高いと思っています。

他には、もっと笑える話がたくさんありますか、相撲の八百長の話は、いずれまた詳しく。

May 26, 2005 at 05:07 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (5) | TrackBack (1)

「空の温度・続」放射熱日記 2005-05-26

きのう、きょう、と青空で雲も少なくて空の温度は〈マイナス15度〉くらい。

このくらいの青空だと〈-20~-30度〉くらいでもいいのになぁ。12月の末にはそんな感じだったから。何が違うのか。

当時は外気温はずっと低くて、今はもう夏になろうというところだから、まわりからの影響で高目にでているのではないか、というのは気になるところ。

そうだ、夜に測ればいいのだ。
幸い、きのうの夜は雨も降らずに、雲も少なそうで昼間と条件は近そうだったので測ってみたのです。はたして結果は〈-15度〉。かなり乱暴だけど、

「昼間測っても、(太陽に向けていない限りは)太陽光や、気温の影響はなさそうだ」
といえるのではないか。

上記の仮定の元に、「青空の温度」を考えてみると、

12月末・・・〈-30度〉
 5月末・・・〈-15度〉

これまた、かなり乱暴だけど、「同じような空もようなのに温度がこれだけ違う」といいたいのです。

で、その理由は「水蒸気」だろう、と。
あ、これは、つい先日の「放射熱日記」に書いたっけ。

さて、これまで誤解を恐れずに「空の温度」と言っていますが、実際、この〈空に向けた赤外線放射温度計〉の示す値というのは、何を意味しているのだろう。

放射温度計は、「受光部に入ってくる、ある周波数の赤外線の量」を測っています。赤外線を直接測るわけではないので、実際には、赤外線を受ける受光部の温度を測り、同時にその受光部付近の〈赤外線を受けていない部分の温度〉を別の温度計で測り、その差から「赤外線の強さ」を計算する、というようなことを(あの小さな体で)やっています。 受光部には赤外線以外の光(可視光など)も入ってるるので、それによる熱の影響を受けないようにフィルターが付けられているものと思われます。

この温度計の通常の使い方では、近くにあるものに向けて測ります。1センチ先にある「手のひら」を測ると、手のひらの上の「直径1センチ」の円の部分から放射される赤外線を受けて、上記の方法で温度が計算されます。1メートル先なら「直径1メートルの円」、100メートルなら直径100メートルです。(これは、私の使っている3150円の温度計の場合であって、高級機では例えば1メートル先では「直径12.5センチの円」を測れるものもあります。

では空に向けた場合は一体、どこの何を測っているのでしょうか。「宇宙のかなた」だとすると、絶対0度に近い値になりそうですが、〈-20度〉あたりになっているところをみると、そういうこともなさそうです。 途中に屋根があれば、屋根から上には関係なく「屋根の温度」を測るように、空には雲とか水蒸気などの層があって、これらが屋根のように赤外線を吸収したり反射したりしていると思われます。どのくらいの高度でそういうことが起きているのでしょうか。雲は、ちょっと山に登れば「下に見える」くらいですから1500メートルくらいからありそうです。水蒸気の層はどうなんだろう。 とりあえず「屋根」は2000メートルあたりと仮定すると、放射温度計は「直径2000メートル」の円から放射される赤外線を測っていることになります。 そうそう、これは十分に広くてまわりに何もない場所でやった時の話であって、ぼくが測るようなところでは、どうしても測定角内に建物などが入ってしまうようです。そこからも赤外線は来るはずてすが、経験的にはそういうところで測った値と、何もない所での値には違いは(少)ないようです。

上の数字を使うと、空を測ったら〈-15度〉だということは、
「高度2000メートルのところに、平均温度〈-15度〉の大きな円がある」
ということになります。〈-15度〉といえばずいぶん冷たいはずだけれども、そんなに遠くにあるのなら冷たさを感じないような気もします。実際に今、外に出ても冷たくないのはそのためでしょうか? しかし、まてよ。「2000メートルの彼方」を測っているなどということは、放射温度計は知らないのですよ。別に距離を設定するわけではないから。単に「温度計に飛び込んできた赤外線がそのくらいだった」というだけの筈。 「1メートル先の直径1メートルの〈-15度〉の円」や、「1センチ先の直径1センチの〈-15度〉の円」でも同じ値を示すはずで、温度計としては、それと区別はつかないのです。

うーむ、それだとしたらもっと「ヒンヤリ」してもいいのではないでしょうか。
周囲の空気は〈20度〉以上ありますから、そのせいで感じないのでしょうか。これが冬になって、空気も〈0度〉に近くなってくれば、「空の冷」が効いてくるのではないか、とい気にもなってきます。そして、〈通称「放射冷却」〉の話になるのです。(「冷」が降ってくるわけではなくて、「こちらからは熱が出ていくのに、空からは熱があまり来ない」だけですが。)

湿気もなく晴れた日の空というのは、「ホントに冷たい」のでしょうか。

窓の外 ますます晴れて いい感じ  


May 26, 2005 at 04:17 PM in 科学 | | Comments (6) | TrackBack (2)

2005.05.24

〈ゆるく〉締めよう

VFMI0074水道の蛇口、最近増えてきたレバー式ではなくて、ひねって開け閉めするタイプの昔からの蛇口の話です。 これをやたらにキツく締める人がいて困ります。 使おうとひねった時に「うっ」となる。 「決して漏れないように」という気持ちからだろうし、もしかしたら子どもの頃から「水道の蛇口はギュッと締めるものよ」と教わってきた人もいるかもしれない。でも、「強く締めすぎ」なのです。

本来この蛇口は「そっと」締めればピタッと水は止まるのです。特に新しい蛇口なら、まさかと思うくらい軽~く締めただけでもう水はでてきません。

使っているうちに、段々とゆるんではくるけれども「強く締めなければ止まらない」とすれば、それはもう寿命なのです。

実は「強く締める必要がない」ばかりでなく「強く締めてはいけない」のです。 この蛇口は「コマ」と呼ばれるゴムのパッキングのようなもので水を止めるのですが、強く締めるとゴムがつぶれて、段々と元に戻りにくくなる。そうすると、さらに強く締めないと止まらなくなる、という悪循環で、どんどんと締まりは悪くなっていくわけです。学校の実験室などにある大量の蛇口のいくつかは、ひねっても(水が出ないことがありますが、あれはゴムがつぶれて固まってしまったためです。

てなわけで、このタイプの蛇口をお使いの方は、ためしに「ゆる~く」締めてみてください。調子がよければ「ポタポタ」することなく、ピタっと止まるはず。ポタポタする時でもあとほんの少しひねれば止まります。 締め足りなくて、その場を離れた後で漏れ始めたらイヤだ、という気持ちから、ついつい締め付けすぎるのでしょうが、「ゆるく止める」というのは、なかなかいいものです。

May 24, 2005 at 01:52 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (4) | TrackBack (1)

無料配送はじめました

先日OEDのCD-ROMを買った話を嬉しく書きました。

新宿の紀伊国屋新宿南店で買ったのですが、レジでパッケージを差し出して、5万何がし!かを払うと、店員がこう言いました。

送料無料でお送りさせていただくことができますが、いかがいたしますか?」

念のため付け加えますと、
・パッケージはパソコンソフトのパッケージくらいの大きさで、中身はCDと紙っぺらだけ
・他には何も買わず、このCDだけを買った

ので、よもやこれを別送することなど(金をもらっても)想像もしていなかったので、一瞬答えにつまりながらも「結構です」と丁重に答えました。

後から思ったのですが、おそらく「1万円以上は送料無料」とかのルールがあるのでしょうね。「たくさん買ってくれたから送料をサービスする」ということに加えて「1万円も買えば重くて大変だろうから」ということもあるでしょう。

てなわけで、ぼくが買ったものは「5万円」もしますので、店員さんは「失礼があってはいけない」と「無料配送」のことを言ってくれたのだと思います。

「タダなら送ってもらわないと損」と思う人や
「ジョギングしながら帰るからジャマ」とかいう人もいるだろうから、オプションを提示するのは正しいことなのでしょう。「結構です」と断わればすむことなのだから。

マクドナルドでハンバーガー20個買っても「こちらで召し上がりますか?」と聞くとかいう話があったなぁ。



May 24, 2005 at 10:49 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0) | TrackBack (0)

"FREAKNOMICS" Levitt and Dubner

Freakonomics: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything
 Steven D. Levitt (著), Stephen J. Dubner (著)

eSkepticというオンラインマガジンで Michael Shermerが推薦していたので早速購入。

例によってぼくは本の紹介や要約が極端にヘタなので、どう書いたらよいのかわからないのだけど、「ものごと、表面的なことにだまされちゃあいけないよ」という話がたくさん載っています。

アメリカ人が書いた本なのに「7勝7敗のスモウレスラーは勝率が異常に高い」という、こちらでも時々話題になりつつ放置されていることが取りあげられていて、「勝率が高い」というところまでは、よく見ることなのだけど、著者は7-7と8-6の対戦を特に取りあげて、その時の対戦では7-7力士が圧倒的に勝つのに、同じ2力士の「その次の対戦」では、8-6力士が「ふつう以上の」勝率を上げている、というところまで調べている。

去年出た本なのだけど、どの程度知られているのかな、「山形浩生さんは読んでるだろうか」などと思ってちょっと調べてみたら、はたして山形さんはamazonでレビューを書いていました。2005/5/20というからつい最近のことですね。


初めてamazonのアソシエート用のタグを貼ってみたけど、テキストの回り込みのやり方がわからなくて、カッコ悪い。

May 24, 2005 at 10:10 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.05.20

「空の温度」放射熱日記 2005-05-20

「空の温度」の歴史的考察(大げさだな)など書きかけてたんだけど、きのう今日の状態を早く書きたいのであとまわし。

VFMI0057 2005-05-19木
 雲のあい間に青空がみえます。青はかなりきれいな「澄んだ青」これで雲がなければ、まず「-20℃」以下というところだけど、雲があるから「0℃」あたりか、と思って測ってみると、なんとこれが「16℃」。気温も高いし、まわりの建物の影響かなと思って、広いところでもやってみるが結果は同じ。
 ひどく蒸し熱い日なので、これは「水蒸気のせいだな」と予想。
 夜になってから測ったけれども、同じく16℃、ということで太陽の影響もなさそうなので、水蒸気説にちょっと自信を深める。 チンダルの本にも「(空からの放射は、晴れでいるかどうかだけではなく、水蒸気があるかどうかで決まるのである」という趣旨のことが書いてあったのだ。砂漠では晴れているだけでなく、湿度も低いので空からの熱放射が少なくて昼夜の温度差が激し
いのだろう。

2005-05-20金

VFMI0067  きのうと比べて、カラっとした感じ。気温は22~23℃くらいだけど、過ごしやすい。
空を見ると、きのうと雲量はあまり変わらない感じであるが、はたして測定結果は……「2℃」。おお、今日は湿度が低い(=水蒸気が少ない)ので、「空が冷たい」のではないか。

気象台webによれば、
19日の湿度は、朝9時で60%。早朝がやたらに高くて3~5時は80%近い。
きょう20日はといえば朝9時で29%。これほど違うのか。

昼間暖められた地表は、日が沈んでからは熱を放出していくわけだけど、水蒸気がいっぱいあるとそこで吸収されて、また放射し返すから冷めにくい。水蒸気は地表の温度で出るような赤外線は吸収するけれども、可視光は素通しする(だって、見えないでしょ?)から、太陽の光によって暖められる方には影響しない。これぞ「温室効果」というやつ。(本物の温室は、ガラスが赤外線を通さないことよりも、空気の出入りが少ないことの方が大きいのかもしれないけど)

湿度の低い(水蒸気の少ない)日ならば、陽の当たらないところに行けば、空から降ってくる放射熱はあまりないのだけど、湿度が高いと、空気中の水蒸気からもどんどん熱線(赤外線)が放射されて暖く感じる…というのはウソで、汗が蒸発しにくいからムシ暑いのでしょう。だって、日陰に入ったら、上の木の葉や屋根からもガンガン熱線(といっても気温と同じくらいの)が放射されているんだから。(このあたりの放射は、冬期の、いわゆる「放射冷却」で効いてきます)

ところで、ここまでは「水蒸気による吸収・放射」の話ですが、「雲の有無」による「空から放射」の違いの方も、ちゃんと見てみたいと思って、今日はふだんは持ち歩かない、ちょっと高級な方の放射温度計を持ってきました。これは、いつものよりも測定角度がずっと狭いのです。測定物までの距離(D)と、その距離での測定面積(S)の比で表わすのですが、安い方ではこれが「1:1」、高い方は「8:1」。「1:1」というのは、1メートル先の「直径1メートルの円」の中を測っているのに対して、「8:1」なら、1メートル先では12.5cmの円を測ることになります。家が建てこんでいるところで空に向けて測っても「1:1」だと、まわりの建物もひっかかってしまいますが、「8:1」なら10メートルの高さでも1.25mなので、かなり「狙い」がつけられます。

D-S

この「8:1」の機種を使って空の「雲のあるところ/ないところ」を比べてみるのです。
結果は、通勤途中でちょっとやってみただけですが、雲のあるところとないところでは5℃くらいだったかの差がでました。再現性はあります。ためしに「1:1」機でやってみたら、まるで違いは見られませんでした。(向きを変えすぎると、すぐに家などにかかってしまう)

だんだんと「見えなかったもの」が見えてきました。
放射温度計を手にしてから初めての夏。まだまだ面白くなりそうです。

May 20, 2005 at 02:36 PM in 科学 | | Comments (2) | TrackBack (0)

"仮想デバイス ドライバの形式が無効です"と"実行するのに適していません"

トラブル解決ってうれしいですね

パソコンのソフトの話です。
OEDをWindows 2000のマシン(6年モノ)にインストールして、さあ実行、とクリックしたら、こんなメッセージがでました。

Windows 16 ビットサブシステム

SYSTEM \CurrentControlSet \Control \VirtualDeviceDrivers.VDD. レジストリの仮想デバイスドライバの形式が無効です。
アプリケーションを終了するには、「閉じる」を選んでください。

前にも似たようなのが出たことがあるけど、「無視」を押して進めていたので同じようにすると、今度は

16ビット MS-DOS サブシステム:autoexec.nt は MS-DOS および Microsoft Windows アプリケーションを実行するのに適していません」

というのが出るじゃありませんか。これまた「無視」したら、そのまま何もしなくなって、タスクマネージャーを見たら、何も動いていなかった。要するに終了したのね。

こりゃ参ったなぁ、と少し悩んだあと、Googleで
"仮想デバイス ドライバの形式が無効です"
を探してみた。(ダイアログのメッセージの文字列はコピーできないので、手打ちだよ)

すると、あるはあるは。こりゃ期待できそうだ、と
[win2k] トラブル
というページを見にいく。

どうやらレジストリーをいじれば直るらしくてやり方が書いてある。
regeditではなくregedt32を使えというのでその通りやって、何とかキーの中の中の中の
VDDというのを削除しろ、といわれたが、VDDが見当たらない。「あちゃー」と思って、説明を読み進むと、ちゃんと書いてあるんですねぇ

注意:regedt32 で VDD 値が表示されないことがあります。この場合 regedit から VDD 値を削除してください

その通りrededitで削除して、rededt32で追加してOK! 気持ちがよい。

これでひとつめのエラーは出なくなったけど、2つ目は同じように出続ける。
それでは、とこちらも「実行するのに適していません」で検索すると、MSのサポートページがでてきました。autoexec.ntというファイルが、こわれたか、なくなっているか、という。そんなもの消した覚えはないのだが。
解決方法はWindows2000のCD-ROMからexpandコマンドでコピーし直せという。うーん、CDどこにやっただろう。…と思いながら、別のページを見たら「winnt\repair」フォルダーの中にあるというではないか。はたして、その通りだったのでそいつを単に\winnt\wint32にコピーしたら、しっかりとOEDは動きはじめたのです。

16ビットアプリケーションを動かす時に「よくある話」のようで、情報ページもたくさんありましたが、実にそのものズバリのQ&Aがあって、助かりました。VDDがなかったら、「その時は」というのがあるし「CDからコピーかぁ」と思ったら「repairフォルダー」の中に入っていたし、こんなにうまくいくことは珍らしいなぁ。

ここ↓にはお世話になりました。

http://homepage2.nifty.com/winfaq/w2k/trouble.html

May 20, 2005 at 02:00 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (1) | TrackBack (0)

2005.05.17

「と学会」の例会に行ってきました

5月14日(土)、あの「と学会」の例会に初めてゲストとして参加しました。
『トンデモ本の世界』など、「と学会」編の本はいろいろでていますが、会としての活動は、年4回の例会と「トンデモ本大賞2005」(6月4日に千代田公開堂にて)があります。

(「と学会」については、公式ホームページをご覧ください)

例会では会員およびゲスト参加者(ぼくもそうなんだけど、「ゲスト」というのは英語のguest、というかコンピューターのguest accountのイメージであって、テレビ番組のゲストではない)の有志が「発表」をします。発表の形式は様々ですが、内容は「と学会」の趣旨であるところの、
「作者の意図していない楽しみ方をする」
ということのようで、おかしなコミック、「ピーマー焼酎(ひどくマズイらしい)」とか、トンデモ本などが次々と紹介されます。この日は30人くらいの発表があって、1人7分間(かなり厳しく守られる)づつ、休憩を挟んで4時間以上も続きましたが、飽きることはありませんでした。

マンガはぼくの不得意分野なのですが、あまりにトンデモなものは、前提知識なしに笑えます。(馬がしゃべるのとかね)

ぼくは、ちゃんと準備をしていかなかったのですが、せっかくの機会なので、先日の東急ハンズでの「フリオンシャワー」と「ICアルファ」デモとのやりとりを報告しました。また、多くの発表者が本にたくさん付箋を付けていてジャマそうだったので、「スリムミニ」を紹介してきました。

2次会にも参加して、「名前しか知らなかった人」とお話ができて楽しいひとときでした。

「ニセ科学批判」は、この会の主目的ではありませんが、大きな部分であることは間違いありません。ただし、単に批判するだけでなく「やっている人たちの気持になって」考えるところが、すぐれていると思いました。一般に、ニセ科学批判は「こいつらは絶対に許せない」的なスタンスになりがちで、そのことが、対象者だけでなく第3者の反発を買うことにもなることが多いのではないかと思うので、ぼくも柔軟な発想でいきたいものです。

May 17, 2005 at 10:12 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0) | TrackBack (0)

OEDのCD-ROM買ったぞぉ!

OED(Oxford English Dictionary)のCD-ROMを買いました。

oed_cdrom 10年くらい前から欲しかったんだけど、当時は10万以上して、その後安くなったんだけど、こんどはあまり使い道がなくて縁がなかったのだけど、このところ1800年代の本を訳したりしているので、古い文例がでているのOEDが便利そう、というわけでおねだりして買ってもらいました。
5万1450円@紀伊国屋。

たぶん、前のバージョンではCDを入れていないと使えなかったのだと思うけど、こいつ(Version 3.1)はfull installすればHDにコピーしてそこから使える。HDが大きくなったからできることなんですねぇ。
コピープロテクトのためにCDをを要求するんだけど、これが「90日ごと」でいいので、あまり面倒ではない。それでもCDイカれちゃったらいやだから、バックアップとれないかなぁ、などと思っているけどまだやってません。

肝心の使い心地はもちろんすばらしい。Tyndall先生を検索すると、熱の本や氷河の本からの引用がバシバシでてくる。

ちゃんと使うのはこれからだけど、買ってよかったぁ。

May 17, 2005 at 10:04 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (3) | TrackBack (0)

2005.05.13

放射熱日記 2005-05-12 岩塩(とりいそぎ)

「岩塩は熱線(赤外線)を通す」ということは、チンダルの熱の本(*1)で読んで知ってはいたのだけれども、試してみようとはなぜか思わなかった。いや、単に機会がなかっただけかもしれない。

先日仮説社に行った時に食塩の結晶を発見。天然の岩塩ではなくて、食塩水から丹念に(2年以上かけて!)結晶させたもので1cm立方くらいのもの。ふと思いついて、ポケットから赤外線温度計を取り出して測ってみる。まずは単にその結晶を、次には結晶の前に自分の手をおいて。すると、手をおかない時とおいた時とでは6度くらい違うではないか。つまり、塩の結晶を通して手の温度を測ったのである。

その結晶を買って帰るが、こうなると「岩塩」が欲しくてたまらない。ネットで検索する他に、以前岩塩のへき開などを見せてくれていた長野のKさんのことを思いだしてメールしてみたところ、たちどころに返事があって「モンゴルの岩塩」を持っているとのこと。「スーパーでも売っているかも」とも言われたが、構わず送っていただくようにお願いした。IMGP0497

月曜の朝10時前、会社の席に宅急便で包みが届いた。中身はもちろん「モンゴルの岩塩」。「ふたつかみっつほど」いただければと思っていたら、牛乳パック一杯いただいた。しかも大きなものばかり、さらには平面のでたきれいなものも。なんとありがたいことよ、持つべきものは友(共同研究者)である。

家に持ち帰ると、慣れぬ手つきで、「割る」作業に。平らに割るなら平らな刃物がよかろうと、スクレーパーに刃がついたようなものをプラスチックハンマーで叩いてみた。元の形がよかったからか、意外にもうまく割れて2cm四方で厚さ1ミリくらいの板を作ることができた。これを工作用紙で作ったフレームに挟む。

IMGP0498 そういえば、岩塩はともかく他のものの「赤外線の透過具合」を調べたことがなかった。そう、「放射」と「吸収」にばかり気をとられていて「透過」のことを忘れていたのだ。 というわけで、フレームにいろいろなものを貼ったものを作った。
・サランラップ(塩化ビニルデン)
・ミソの入っていたプラ容器(たぶんPET)
・クッキングシート(ロウ紙みたいなもの)
IMGP0499・お菓子の入っていたポリ袋
・岩塩

これらを通して、温度を測るのである。手軽には自分の手だが、これだと室温との差が小さいからあまり面白くない。台所のガスレンジにやかんがかかって火がついているところに行って、まず直接測ってみると100度を越えている。次に、いろいろなものを通して測ってみると、サランラップ、ポリ袋を通してもほとんど元と同じくらいの温度を示したが、クッキングシートやPETは、まるで熱を通す気配なし。そして「岩塩」は、見事に熱を通してくれた。ガラス(スライドグラス)は、まったく通さず。

こんな実験では「何%透過した」などはわからないが、とにかく一見似たような他の材質が熱を遮断するのに対して岩塩は明らかに「熱を通す」ことがわかったのだ。

これだけでも、意外性はあるのだけれども、〈温度計の示す値〉だけでは、どうにも「感じる」ことができない。なんとか、岩塩を通して直接〈熱を感じる〉方法がないだろうか。大きめの板のまん中に穴をあけて、そこに上で作ったフレームをはめこんで、熱源の前において、「穴のところだけ暖い」というのを見せられればと思う。

IMGP0501

IMGP0502

何もない時は23度くらいなのに、前に手をかざすと31度に!

【ポイント】
・放射熱では吸収・放射,反射だけでなく「透過」も忘れずに
・透過の度合いは材料の厚さで大きく変わりそう。よって、いろいろな厚さで試すべし

岩塩の結晶、うまく割れる人いないかなぁ。

(*1) John Tyndall "Heat: as a Mode of Motion" 186X

May 13, 2005 at 12:18 AM in 科学 | | Comments (6) | TrackBack (0)

2005.05.05

「付箋紙」のススメ(ポスト・イット スリム見出し(ミニ)

付箋紙というと、ぼくの記憶にある一番古いタイプは、「ぬらすとくっつく」ノリが付いてて、端が赤くなったタイプ。紙はかなり薄かった。

ポスト・イットが出現した当時は「高価」だったので、なかなかこれを付箋紙に使おうとは思わなかったけれども、どんどん安くなって、製品としても「ポスト・イット付箋紙」として売られるようになってきた。中でも気に入っていたのは「透明タイプ」で、これを「しおり」として使っていたのだけど、結構高い(といったって大したことないんだけど)ので、ついついケチケチして使ってしまうので、なかなか「付箋紙」として使うことはありませんでした。

さて、この頃ある付箋紙にハマッています。ぼくが付箋紙を使うのは、本や雑誌を読んでいて、後で見返すためとか、しおりとしてですが、その目的にベストと思っているのが、

『ポスト・イット スリム見出し(ミニ)』

です。
IMGP0475 7.5×25ミリほどでほんとうに「ミニ」です。
100枚づつの束が10入って220円。
作家・ジャーナリストの日垣隆さんに教えてもらいました。(使い方も)

その特徴は
1.小ささ
2.安さ

IMGP0477「1」。小さいのでページの端に貼った時に文字を隠してしまう心配があまりありません。「付箋紙に字を書きたい」という人には向きませんが、書けないわけでもありません。

「2」の安さなんですが、これは単に「サイフが嬉しい」とか、〈ドンドン使える〉というだけではなく、〈安さゆえの使い方〉があるのです。

IMGP0478
実は「小さい」故の欠点として、この付箋紙の「束」は、置いておくのにはあまり便利ではありません。では、どうするかといえば、本を読みはじめた時に、「束」から20枚くらいを〈剥ぎとって〉本の表紙の裏などに貼り付けておくのです。

こうしておけば、電車の中で読んでいる時にでも、いつでもすぐに取り出せるというわけです。「出かける時用」のやり方として教わりましたが、ぼくは家の中でもいつもこうしています。

この方法は、別にこれでなくてもできることですが、「安い」ために、心おきなくできるところが大きな特徴です。1枚約22銭ですので、20枚でも5円以下です。「量が質を変える」という話がありますが、「安さが使い方を変える」ということですね。

応用としては,キーボードの空いたところにも小さな束を貼りつけておくと、探さずにすみます。

「そもそも、なんでそんなに付箋紙を使うことがあるのだ」

と思う人には関係のないことかもしれませんが、「文房具好き」の人は、なんとなく嬉しくなっちゃいませんか。

そうそう「安い」ことによる「変化」のひとつは、「人にあげちゃえる」こともありました。「これ、いいでしょ」と誰かに自慢した時には束単位でどんどんあけちゃいます。

ポスト・イットの売り場にはおびただしい種類の商品がありますが、これはあまり「売れ筋」ではないようで、どこにでも置いてあるわけではないようです。これよりちょっと大き目のとかもありますが、「安さと小ささ」に徹するならば、この「ポスト・イット スリム見出し(ミニ)」に限ります。

May 5, 2005 at 01:44 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (7) | TrackBack (1)

ISSを見た/見よう

きのう(5/4)の晩、ISSが飛ぶところを見ました。

ISSというのは「国際宇宙ステーション」のこと。
スペースシャトルに乗ってそこへ行っていろいろ実験をするために、宇宙に漂って(飛んで)います。日本からは野口さんという人がスペーシシャトルに乗って行く予定ですが、発射が延期されてしまいました。

で、そのISSを「肉眼で見る」ことができる、ということをYPC(横浜物理サークル)の方から聞きました。宇宙を人工物が飛んでいるのを見られるというのはちょっと楽しい。

ややこしい軌道をとおるので、いつどこを通るのかは簡単にはわからず、以下のHPに掲示されています。

http://kibo.tksc.jaxa.jp/

今後の予定は、以下です。(東京から見る場合)
       見え始め     最高位置      見え終り
2005/05/05 20:02:30 278(西) 10 20:04:30 321(北西) 19 20:06:30 11(北) 12
2005/05/07 19:21:30 290(西北西) 12 19:23:00 324(北西) 17 19:25:00 10(北) 11

どんな風に見えたかといえば、明るさは「マイナス1~2等星級」というから、かなり明るい星並み。それが、7分くらいの間に地平線から地平線に動いていくので、「かなり速い」感じです。

HPを見ると詳しく書いてありますが今日は「仰角」が小さくて空の高いところに行かないので、ちょっと見にくいかもしれません。何よりも、「天気が良い」ことが重要ですが。

見られてよかった!
今日も見るつもりです。

May 5, 2005 at 11:46 AM in 科学 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.05.03

【ICアルファ】マイナスイオン日記 2005-05-03

おとといの漁果に味をしめて、今日もまたハンズ新宿店へ。
連休中だというのに、意外に実演デモが少なくて拍子抜け。
仕方ないので、本来のターゲットではないものから、

■温泉化粧水「スキンプラン」

onsen1
 みやぎ蔵王の温泉の水。「お肌によいといわれるストロンチウム」というのはちょっと気になるけど、医学博士の原 正啓さんによる推薦文には、

 《…皮膚の炎症や難治性の疾患は皮膚科の専門医の元で治療を受けるべきであることは言うまでもありません。》

と書いてあるのは、良心的というべきか。医者だからあたり前か。

感じのいい説明員だったので、話を聞いていたら「ちょっと試してみますか?」といって、ぼくの腕にスプレーしようとしたら、たまたま、ほんとに何年ぶりかにぼくの腕にアレルギーっぽい発疹がでていたので「あ、お肌よわそうですね」と言ってやめました。

でも、その後ぼくが「せっかくだから」といって左腕にスプレーしました。
そして、サンプル品の小ビンをもらいました。

そのあと、他の売り場を歩きながら、さっきスプレーした腕にさわってみたら、さっきまでのカサカサが消えてしっとりとしている。右腕を見ると、ひっかいた跡も痛痛しく白っぽい。「そうだ、もらった水をつけよう」。

……しばらくして、腕を見ると、おお、右腕もしっとりしているではないか。「おお、これこそ温泉水の効果か?」

実は、右腕にサンプル品の温泉水をつけようとして思いとどまったのです。「それでは対照実験にならない!」とね。そして、トイレに行って「水道水」を右腕に塗ったのです。 水の冷たさ、気化熱の冷たさ、気持ちいいですね。もちろん温泉水だからといって何ら悪いことはありませんでした。

■ふたたび「ICアルファ」
 おとといに続いてやっていたのは、ここだけでした。説明員が同じ人かどうかはわかりませんが、今日はひとりだけ。

のぶ:どうして目がよくなるんですか?
説明員:はい、ここから遠赤外線がでますので
の:遠赤外線なら、ここからもあそこからもでてますけど何か特別なんですか?
説:はい(と、嬉しそうに例の測定結果の紙を見せて)この通り、試験所かの測定結果もでています。遠赤外線といえば10から100くらいまでいろいろあるわけですが、その中で人間に害がないのは、ここだけなんですよ。
の:えーっ、そんな。遠赤外線に害なんてあったら大変じゃないですか。それに、これ(測定結果)は、単に黒体と比べて、これだけ放射してるってことだけですよね。50度の測定結果ですよ、これ。
説:これは35度くらいなので、ほぼ同じです。
の:放射率ならたいていのものは95%くらいありますよ。
説:え、そうなんですか。
~~~
 おとといやりそこなったサーモグラフィを試そう。
 
の:じゃ、やってみます。
説:では、まずこれを見てください。
〈視力検査表みたいなものを見せられる〉
の:(メガネを外して)このあたりまでなんとか読めます。
説:よく覚えておいてください。
〈件の蛍光灯スタンドを置く〉
説:ここから遠赤外線がでます。
〈ふつうのスタンドとして使うようで、下は照らされている〉
説:この、黄色いところが青くなったら……。
〈サーモグラフィでは鼻のあたまのところだけ温度が低くて黄色くなっている。
の:で、どうやって良く見えるようになるの?
説:血行が良くなって、
の:顔の表面の温度なんてどんどん変わるし、血行と関係ないでしょ
説:はい、そうですね。(なんだよ)
〈いつまでたっても変わらない。座って落ち遅いていると温度が上がるというオチかとも思ったのだが〉
の:じゃ、見てみますか。
説:はい。
〈スタンドの下にさっきの検査表を置く〉
の:あかりは消しますね。(消す)
説:どうぞ。

以下は略します。まあ結果はわかっているようなもんですが、もしかしたら、「スタンドのあかりをつける」のがポイントだったのかもしれません。加えて、「どうですか、見えるようになったでしょう」とか言われると、「そんな気になる」人がいても責められません。「ナノカーボン」と同じことでしょう。

今日は、ICレコーダーを持っていっていたのですが、途中まで忘れていたので全てを録音できず残念。でも、聞く気しませんけどね。

■おまけ■

 デジタル温度計や騒音計などが並ぶショウケースに混じっていた「イオン測定機」のパンフレット。 0002

 どうということのないチラシなんですが、新聞記事のゴピー風になっているのがおわかりになりますでしょうか?

その新聞名のところを拡大したのが次の写真です。

air-ion2

「××新聞」って、アンタ、学級新聞じゃないんだからさ。

単なる「新聞記事風」ってこと? 別に本当の新聞だったからといって信憑性が高まるわけじゃないけどさ。

May 3, 2005 at 08:21 PM in 科学 | | Comments (5) | TrackBack (0)

2005.05.01

マイナスイオン日記 2005-05-01

いえ、別にマイナスイオンの摂取記録じゃありません。今日、東急ハンズで久しぶりに「アヤシイ商品巡り」をしたので、その記録です。

■トルン・ギア(と、その仲間たち)
 「トルマリングッズ」はハンズ新宿店3階に定位置を構えて何年もたつので、今さらどうこうすることもないのだけど、つい立ち止まって声をかけられるのを待ってしまいました。
・商品名:トルン・ギア (TORUN GEAR)
・ウリ: メインの効果は「遠赤外線効果」だけど、本日目立っていたのは、トルマリンとゼオライトがマイナスイオンを発生させて携帯電話などの電磁波を吸収するということ。
製造元:外谷製紙株式会社
http://www.torun.co.jp/

説明員:肩こりとか気になりますか?
のぶ:いえ、別に。でも、これどうやって「電磁波を防ぐ」んですか?
説:はい、トルマリンとゼオライトからマイナスイオンが出て……
の:えっ! マイナスイオンが電磁波を吸収するんですか?
説:はい…。あのぉ、詳しくはホームページを見ていただければ。
の:マイナスイオン自体わけがわからないのに、それで電磁波吸収っていわれてもねぇ。
説:わが社はトルマリンがウリでして…。
の:そもそも「マイナスイオンって何?」
説:すみません、私、勉強不足で…。
の:えっ? トルマリンがウリの会社なのにマイナスイオンがわからないってことないでしょ。クルマ売ってる人が「勉強不足なんでエンジンのこと知りません」とは言えないでしょう(ダメなたとえだったな)
説:……。
の:わかりましたよ、ホームページ見ますよ。
説:はいっ、ぜひ書き込んでください。

相手が一枚上手って感じ。さわやかに終了。

私トルマリン、トルマリン。マイナスイオンや遠赤外、出してみんなを健康に、してるって、いうじゃなーい。
でも、あんたからホントに出ているのは、ウサン臭さですからぁぁ、ザンネン!
なんでもマイナスイオンのせいにするんじゃねーぞ、斬りっ!

■遠赤外線放射ライト ICアルファ
 トルマリンを離れて上の階に行くと、いきなり妙な商品が。

「遠赤外線放射」というヨダレの出そうなネタに吸い寄せられてしまった。
この蛍光灯スタンドを黒く塗ったようなモノから「遠赤外線」が出るという。そりゃ出るでしょう、出なかったら大変だ。裏側をのぞくと、ふつうの蛍光灯と思われるものがついている。手をかざしても特に暖いとも感じない。

説明員:よろしかったら試していかれませんか?5分くらいで効果が出ることもあります。

のぶ:遠赤外線って、どんな周波数のが出ているんですか?
説:はい、こちらをご覧ください。(と、以下の資料のコピーを見せる)

黒体放射と比べてこれだけ赤外線を放射しますってことね。放射率が高い、というだけなんだけど、これ自体はまともな資料ではあります。ただし、商品の効果(なに?)の説明にはまったくなっていません。

の:遠赤外線なら、ここからも何からも出てますが何か特別なことあるんですか?
説:ICアルファという素材で…。
の:どんな素材でしょうね、放射率は表面の状態で決まるんですけど。
〈何言われたか忘れた〉
の:「仮性近視・老眼の方はお試しください」って書いてあるけど、よくなるんですか?
説:いえ、よくなるとは書いてません。私たちは医者ではありませんので。
の:あ、そうか。「お試しください」ってだけね。
説:いかがですか? 楽になるかもしれませんよ。
の:うん、この点には反論するのやめました。

もういいかなと思って帰ろうとしたら、放射率の紙のコピーを取り上げて「それはお渡しできません」と妙に頑張られちゃった。「何かマズイことあるんですか?」と何度も迫ったけど結局もらえず。写真とってくればよかったかと思ったが、なんだwebにあるじゃないか。
これで3万円くらいとるらしい。いいのかい東急ハンズ。

大きな画面にサーモグラフィーが表示されていたので、これにあたっていると体表温度が上がるとかいう話だったのだろうが、それはやらずじまい(惜しかったな)。

http://www.icalpha.co.jp/

■SEセラミックシャワー ”JSKフリオン”
このトンデモシャワーについては、すでに話題にもなっているし、そのトンデモ度は群を抜いていますが、これを推薦する(売っているだけか?)ページの多さにはあらためてビックリです。
なぜか、製造元(SAISEI KO Co. Ltd.)のページは見つからないけど、他にいくらでも説明ページがあります。例:http://nst21.com/shower/
水道水の塩素を減らすというのに、フィルターではなく《塩素の化学記号も変化させ》などというスゴイことを言っています。

前に一度食いさがったことがあるので、その後は見過ごしていたのですが、今日、近くを通ると家族ずれに何やら説明しているのが聞こえます。立ち止まってみると「酸素が増えます」とか言っているじゃあありませんか。「え、どうやって酸素が増えるんですか?」と聞くと「マイナスイオンがでるので、そこに酸素が集まってくる」というではありませんか。「へぇー、そんなことが起きたらノーベル賞級ですが」などといろいろつっかかると、説明のおばちゃんは「私が確かめたわけではありませんが、そう聞いております」とか「マイナスイオン測定器で測ったところによると」とか言うので、そんなもん「バカ測定器で測った」というのと同じことですよなどと言ってやりましたが。当然ひるむわけもなく「いろいろな考えの方がいらっしゃいますから」とか言いながら、私を無視してお客さんの子どもに水あそびさせておりました。
今さらどうこういう必要のある商品でもないので、早々に切り上げて温度計などを見に、上の階に行く。

□そして事件が……

さて、そろそろ帰ろうかと歩いていると、むこうからやってくる30代後半くらいの男性が寄ってきて「あのー、ちょっとうかがいたいのですが」と言う。奥さんと子どもがいるのを見て「アッ」と思ったら、さっき「フリオンシャワー」のところにいた家族連れであった。

聞けば、さっきは「買おう」と思っていたところにぼくが割り込んでさんざん悪口を言ったので、上の階まで追いかけてきて話を聞きにきたのだそうだ。ぼくとしてはかなりビックりしたけれども、有難い話である。
「酸素が増えるっていうのは私もおかしいと思うんです」と奥様。「でも、塩素が除去される、とも言っているんですけど」と聞かれ、「フィルターであれば塩素を除く可能性はあるけれども、あのシャワーは〈フィルターではない〉と言っていますからねぇ」。そして男性は「この子がアトピーなもんで、これで治るものならと思って買おうとしていたんですが」という。どうやら、売り場に貼ってあった「こんなにひどいアトピーが3ヶ月で治りました」という写真とか、説明のおばさんが「娘がひどいアトピーだったのに治りました」などという言葉を真に受けているらしい。
・「私は治りました」という経験談は、科学的な意味はゼロです
・1000人のうち1人だけうまくいった時に写真かもしれませんよ
(ウソでないとしても)
・シャワーや浄水器を買ったことで、生活習慣が変わって治ったのかもしれませんよ。
などなど、説明しました。 また、「タタミをこの水でふくと雑菌効果でカビが生えないらしいです」とも言われたそうなので、「100万円賭けてもいいですけど、そんなことはありません」と言ってしまいました。
 なんでも、ハンズに来たのは「いい掃除機を買って、ホコリをなくしてアトピーを治そう」ということだったのだけど、このシャワーを見て「この方がいいかな」と思ったそうです。なんということだ。ぼくは「そりゃ、掃除機の方がいいですよ。それでアトピーが治るかどうかわからないけど、仮に治らなくたって部屋がきれいになればいいじゃないですか」と言いました。
「こういうことを研究している方ですか?」と聞かれたので、正直に「大学では化学を専攻したが今は専門ではない。しかし、ニセ科学を批判する活動をしているので、専門家の知りあいはたくさんいる」と伝えました。

結局「またお話うかがいたいので名刺をいただけますか」と聞かれ、名刺はなかったので、メールアドレスを教えてメールをもらうことにした。

「アトピーに効く方法」を教えることはできそうにないけれども、ヘンなものにダマされないヒントくらいは教えることができるかもしれません。

売り場で「やめた方がいいですよ」という勇気はなかったけれども、こうして追いかけてきてくれた人にはちゃんと説明するしかありません。途中何度も「すでに買ってしまった人には決してこういう話はしないんですけどね」といいましたが、もはやこの一家は、「フリオンシャワー」を買ってもプラシボ効果ゼロ(マイナス?)だから、だめだろうなぁ。

今日は、獲物が3件もあった上に、思いもかけぬ訪問者を得て、元気のでる一日となりました。(弘前の桜の話も書かないうちに……)

May 1, 2005 at 10:26 PM in 科学 | | Comments (4) | TrackBack (1)