「浮沈ぶどう」その3
炭酸水に入れたレーズンが浮沈する現象は思いがけず長く続くのですが、いずれ「気が抜けて」止まります。なんとかこれをもっと続けさせることはできないか。
「熱帯魚のエアレーション」はどうだ、という意見がでましたが、炭酸水と違って、水に空気を送り込んだくらいでは、ぶどうを持ち入げるほどの泡はできそうにありません。
ペットボトルの炭酸水は、キャップを開けるまでの間は「気は抜けない」。ということは、レーズンを入れた後でもキャップをしっかり締めておけば長持ちするのではないか?
というわけで実験。
1.飲み途中の炭酸水で
息子が飲んだ残りの炭酸水があったので、それにレーズンを投げ込んでキャップを締める。
いつものようにまずは沈んだ後、ひとつは浮き上がり、もうひとつは沈んだまま。まあ、こんなものだろう。
その後、上下運動をしたりしていたが、すでに気が抜け気味なせいか今ひとつ元気がない。
そのまま寝てしまって、夜中に起きてみたら「浮いている」。気が抜けた時には「沈む」はずなのだが、どうしてか。揺らすと落ちて、また浮かびます。1日以上たった今も「浮いています」
2.開封直後に入れると
気の抜けかけた炭酸ではよくわからないので、こんどは開けたばかりのボトルにレーズンを入れてすぐに締めました。それでも、開けた時、入れた時にかなりの泡が出ます。
さぁ、炭酸いっぱいだから、浮きっぱなしかなと思ったらこれが意外にも「沈みっぱなし」なのです。揺らしても浮いてこない。これはわからない。ペットボトルの「張り具合」
翌朝キャップをゆるめると、シュワーッと泡が出る。
そうかぁ、密封していたら泡が出ないのは当然か。水面には二酸化炭素がグイグイと押してくるのだから、水中ではそうそう泡にはなれないのか。「ヘンリーの法則」を持ちだすまでもないね。「永久に泡が出るように」と思って密封してみたものの、大きくアテが外れました。
しかし、「泡がでない」のであれば、「沈みっぱなし」になるかと思うのだけれども、レーズンはずーっと浮いています。大して泡はついていないのだけど沈んでいかない。水を含んでふくらんでしまっているけど、だからといって比重が小さくなるわけもないのだけどどうしてだろう。
ところで、この実験が出ていた本は、実は日本語訳が二種類もでていたことがわかりました。
前に紹介した『世界教養全集』の他に、1991年に
科学入門名著全集『原子の科学 宇宙をつくるものアトム』
ブラッグ著 亀井理訳 板倉聖宣選 国土社 1991年
というのが出ていました。板倉さんはこのブラッグの本をかなり気に入って、すでに日本語訳があったにもかかわらず「中高校生に読みやすいように」と新たに訳し直してもらったとのこと。原子論の基本をわかりやすく書いてある本だけに、板倉さんが目をつけるのは当然のことでした。
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