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2005.08.21

板倉聖宣『虹は七色か六色か―真理と教育の問題を考える』

板倉 聖宣: 虹は七色か六色か―真理と教育の問題を考える

板倉 聖宣: 『虹は七色か六色か―真理と教育の問題を考える』(仮説社。2003)

「虹の色は本当に7色か?」ということは、時々話題になる。身もフタもない(でも正しいであろう)答えとしては「連続するスペクトルだから何色とは決められない」というのもあるが、ここでは、そちらの話ではなくて「文化」として「7色なのか6色なのか」という話。

15年ほど前に鈴木孝夫の『日本語と外国国』という本で「アメリカでは虹は6色らしい」という話を読んで、かなり強く印象に残っていた。2年ほど前に、板倉聖宣さんが「虹は7色か」という話をした時に「鈴木孝夫の話なら知ってるぞ」と思っていたら、話は、その遥か先を行くものだった。本の中で板倉さんは、虹の色の数そのものについてはともかく、アメリカでも「7色」とされていた時代があり、それが「教育」によって6色へと変わっていった過程を書いている。

この話で、ぼくがく感じたことは「目新しい話に飛び付く危うさ」とでもいうのだろうか、具体的には、「虹は7色」と多くの日本人は疑うことなく思っていたところに、鈴木孝夫その他の人たちによる「アメリカではずっと6色である、その理由は」などの新説を聞くと、ほとんど疑うことなく信じてしまうこと。「7色に決まっている」と思う人は、抵抗を示すかもしれないが、実際にアメリカの絵本などで6色にかかれているものを見せられれば「そうか、アメリカではそうなのか」と納得するに違いない。さらには「アメリカ人は日本人に比べて色彩感覚が鈍いので「青」と「藍」を見分けられない、などという話ももっともらしく聞いてしまう。

板倉説によれば、ニュートンが(非科学的な理由から)7色を主張して、それが広まっていたところに、ある学校教師が、実際には6色に見えることを実験で示して、それ以来アメリカでは6色説が主流になっていることや、日本でも、かつては6色だったことがあるという。

もちろん、この「新説」にも「飛び付く」のは危険なのだけれども、少なくとも以前の説と比べて調査の度合いが深いことは間違いない。ニュートンが7色を主張した話は、アメリカの論文で確認することもできる。
http://www.zianet.com/rainbow/frcolor.htm

ある話を「信じるかどうか」については、いろいろな注意点を考えているのだけれども、特に気をつけているのが「自分にとって都合の良い話には気をつけろ」というもの。
「うまい話には気をつけろ」というのは昔から言われていることなのだが、お金やモノにからまない話だと、ついつい信じてしまうのではないだろうか。ぼくの場合は「定説をくつがえす、ちょっと面白い話」が要注意。「みんなが7色だと思っている虹が実は6色だ」などというのは、なかなか魅力的なので気をつけなければならない。

August 21, 2005 at 01:51 PM in 書籍・雑誌 |

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