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2005.11.28

AERAに『水からの伝言』の批判記事

「水が言葉を理解する」
「水に〈ありがとう〉と言うと、きれいな結晶ができる」

などといった現在最も影響力が大きいであろう「トンデモ科学」本

江本勝氏の『水からの伝言』

を批判する記事が、AERA(2005/12/5号)に掲載されています。

ベストセラーの「トンデモ科学」度
  『水からの伝言』の仰天」

というタイトルで、2ページに渡る記事です。

水商売ウォッチング」の天羽(あもう)優子さん(山形大学)や、ブログでニセ科学批判を続けている大阪大学の菊池誠さんをはじめとする多くの科学者からのコメントを中心に、わかりやすく書かれています。

江本氏本人からのコメントにも多くの誌面をさいています。おそらくご本人の言いたいことがちゃんと書かれていると思われます。(記者が思いついて書けるような内容ではありませんから)

これだけメジャーな雑誌に取り上げられた、ということは「批判派」にとっては、大きな力です。
「1冊持っておくと便利」(菊池誠さんによる)なので、興味のある方は立ち読みではなく購入していただけると、よろしいかと思います。360円です。

November 28, 2005 at 04:30 PM in 科学 | | Comments (3)

トラックバック受付け中止しました

トラックバックスパムがひどくなってきて、今日の早朝には10個くらい来ていました。これは許容範囲外なので、トラックバックを全面的に受け付けない設定にしました。過去の記事に対してちゃんと働いているのかどうかよくわからないのですが、全ページに対して更新をかけていたようなので多分大丈夫でしょう。

結果として、当然のことながら「まともなトラックバック」も受け付けられなくなってしまいましたが、この際仕方がありません。元々ぼくにはトラックバックの価値がよくわかっていなくて、ぼくの記事を紹介してくれるのであれば、ふつうにリンクしてもらった上で、こちらにコメントを書いてその中に先方の記事へのリンクを書いていただくのが良いのではと思っています。

そういうことを便利にできるのがトラックバックというものなのかもしれませんが、こちらのことを何も書かず、リンクも貼らないトラックバックという、あまり嬉しくないのもあったりするので、まだよくわかっていません。

あとは、コメントスパムが来ないことを祈るだけです。

November 28, 2005 at 09:10 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0)

2005.11.27

「0.001差」の疑惑。世界体操選手権

gym001

2005年11月の世界体操選手権、女子個人総合の1位と2位の得点差は、たったの「0.001」だったそうです。負けたリューキン選手は、さぞかし悔しかったことでしょう。

が、新聞の「金  0.001差  銀」という見出しを見て、「ん?」と思いました。
スキーやボブスレーで「0.001秒差」で勝負が決まるのと違って、体操の得点は、そもそもそんな細かい単位では採点していないはずなのです。

両選手の種目ごとの得点を見てください。

9.325とか9.425というのはともかく、 9.137とか9.587という数字にどこか怪しいものを感じませんか?

体操競技の採点法を調べたところ、最終的には「4人」の審判の得点を平均しているということです。(※1)

9.325 というと 4倍すると 37.3になるので、例えば[9.35  9.30  9.25  9.40]という感じの得点分布が考えられます。ところが、9.537はどうでしょう。
4倍すると、38.148 いかにも半端でおかしくはないか。ちょっと先回りしてしまえば、「9.537」は、実は「9.5375」を切り捨てたものなのではないか。それであれば、4倍すれば、38.15 となって、例えば[9.50  9.55  9.60  9.50]というところ。

つまり、4人の合計が xx.x0 で終った時はよいが、xx.x5になると、4で割ると x.xxx5と小数点以下4桁まで必要になるにもかかわらず、それを3桁までで切り捨てているに違いない。

あらためて、種目別の得点を見てみると、優勝したメンメルは、「切り捨て疑惑」が2種目、2位のリューキンは4種目とも切り捨てられている。切り捨てひとつにつき「0.0005」損をするので、2種目で「0.001」の差になったというわけ。

切り捨てせずに小数点4位まで残した場合の種目別の得点は以下の通り。

gym003

ところで、実際には0.001差で順位が決まったわけですが、それはルール通りに計算されたものなので、インチキでもエコひいきでもありません。ただ、審判の採点自体には差がなかったにもかかわらず、「丸め誤差」によって、差がついてしまったことを知っても選手たちは納得するのでしょうか。

では、どうすればよいのか?
種目ごとの得点をあと1桁取ればいいのですが、そうすると表示が大変だというのなら、今のまま 9.537 と表示するにしても、内部では 9.5375 を保持しておけば済むことでしょう。あるいは、合計点は小数点2位まで残して切り捨ててから順位を決めてもいいかもしれません。

水泳では「100分の1秒」までで順位を決めています。「1000分の1秒」まで測ることはできるのですが、そんな「爪の長さ」ほどの差で順位を決めるべきではない、という考えで100分の1秒で差がつかないものは「同着」にすることにしたのだそうです。良い判断だと思います。

体操は、採点方法そのものに大きなゆれがあるので、それに対する疑問や批判も多いでしょうが、せめて集計方式くらいはまともにやればいいのに。女子の体操の採点は、かつては3人の平均を取っていたために「9.333」というように点が出ていました。その結果、9.333×3= 27.999 となって、28.000に負けるということが起き得たそうです。このことを子どもの頃に兄から聞いていたので、今回「ああ、とうとうやっちまったか」と思ったのでした。

「丸め誤差」のために泣き笑いが起きることは、場合によっては仕方のないことですが、このケースは何がいけないのでしょうか?「切り捨てるべきではない」ことは確かだと思うのだけど、

・平均した値を丸めて、その合計をとること自体がおかしいのか?
・「測定誤差」のない、平均操作で生じた数字を切り捨てたからいけないのか?
・審判が2桁しか点をつけていないのに3桁使って順位をつけているからか

・別におかしくないのか?

どうもまだよくわからいので、教えてください>わかりそうな人

0.001差で優勝を逃がしたリューキン選手とその関係者は、このことに気付いているのでしょうか? 気付いたら何か言うのでしょうか? ぼくは秘かに。このことかきっかけなって、得点計算の方法を変えるのではないかと、予想(期待)しています。

ところで、この話をした相手の主な反応は
・体操の採点なんて、そもそもあやしい
・0.001どころか 0.1の差だってわからないじゃないか
・ルールで決まっているのだから仕方ない
などなど、ぼくの期待とは違うものでした。(3つともぼくも同意見ですけどね)
誰もが自分と同じような興味・関心があるわけはないのに、ついついそれを期待してしまうからいけないのですね。

(※1)実際の採点では個々の審判が「9.5」などを付けるのではなく「減点分」を「0.5」などと出して、それを4人分平均して、満点(演技の難易度によるので10点とは限らない)から引くのだそうです。

November 27, 2005 at 03:57 PM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.11.16

トラックバックスパム

このブログにコメントやトラックバックがあると、携帯にメールが来るようになっています。夜中に携帯が鳴ることもあるのだけど、大した数ではないので問題はありません。

ところが、このところトラックバックがたくさん来る。それも、大昔の記事に対して付いているので、珍らしいなと思ったら、いわゆる「トラックバックスパム」なのですね。URLをクリックしたことはありませaが、"free erotic story"とか、"nudist erotic mother"とか、ロクでもないタイトルがついているのでわかります。これを削除するのが面倒。

ココログには、トラックバックスパムを止める仕掛けは今のところはないみたい。
コメントスパムは来たことがないのだけど。

あまりひどければトラックバックは全面禁止にしてもいいかな。まともなトラックバックは月に1件もないし、コメントに書いてもらえればいいし。

とりあえず、この記事は「トラックバックを受付けない」設定にしてみました。
(記事毎にできるんだ!)

November 16, 2005 at 09:27 AM in 日記・コラム・つぶやき | | Comments (5)

2005.11.08

サイエンスサイトーク4題

ジャーナリスト日垣隆氏がゲストを呼んで話を聞くTBSのラジオ番組。
http://www.tbs.co.jp/radio/xitalk/

報告をさぼっている間に3週間で4回も収録がありました。
放送日は未定。

◆10月25日(火)収録その1
ゲスト: 濱田篤郎さん
 (海外勤務健康管理センター所長代理、旅行医学、熱帯医学)
 
 「旅行医学」とは、聞き慣れない言葉だが、想像はつく。旅行先で病気になったり、旅行先でもらってきた病原を帰国後にうつしてしまったり、という話。何といってもこの話題と中心はSARS。

「旅行者が運ぶ感染症」というのは何だか恐ろしい表現だったけど、生きた人間にくっついてくるんだから、その通りなんですね。

「検疫」が有効か、という話の中で、「SARSは潜伏期間が10日くらいなの対してインフルエンザは2日で発病するので検疫が効かない」というようなことを言っていた。「ん? 逆じゃないの」と不思議に思って質問したら、番組アシスタントの有村美香アナウンサーが「私も同じことを思いました」と言って、有村さんなりのフォローをしてくれたがよくわからず。濱田さんご自身も説明してくれたが、途中で矛盾に気付いて「潜伏期間が短かいからというのは違いましたね」と潔く訂正。感じのいい人だった。

◆10月25日(火)収録その2
ゲスト:  神戸俊平さん(獣医師、ケニア在住)

「1971年にケニアに行かれたんですよね」と言うから、ふーんと思って聞いていたら、「そのまま今もケニアに住んでいる」というのでビックリ。獣医さんで、成田空港の検疫官になりたかったけど、その前に「3週間」の予定でアフリカに行ったら、そのまま居ついてしまったということ。

ナイロビ大学で獣医学の修士課程を出たのだけど、お金がなくて困っていた時にナイロビの日本料理店で前に座っていた「貧乏人にお金を出すのが趣味というアメリカ人」に助けられ、修士論文を書くのに英語で苦労していたら、今度は編集者に出会って助けてもらったそうです。

マサイ族と親交が深くて、よく訪問するのだが、行くとタイコやノロシで連絡を取りあって神戸さんが来たことが伝わっているのだそうだ。家蓄を助けたりして感謝されている。

今やケニアは「観光」に大きく頼っていて、観光客が落としたお金を自然を保護に回す、というちょっと皮肉なことになっている。マサイ族も「観光マサイ」と呼ばれる人たちがいるそうです。 いかりや長介がケニアびいきで、長さん記念の「エコツアー」が企画されているそうです。

最近、マサイの人と結婚した日本人女性というのが話題だそうで、一体どうやって暮しているのかと気になったのだけれども、「今は日本にいる」というので拍子抜け。

神戸さん、髪は薄いがなかなかダンディー。一夫多妻のケニアで、どうしているかと思ったら、いまだに独身だそうです。とても楽しい方でした。

◆11月1日(火)収録
ゲスト:河合幹雄さん (桐蔭横浜大学教授、法社会学)
 (心理学の河合隼雄の息子さんだそうです)

「犯罪が急に増えてきた」と何かと書きたてられるが、それは本当か?という話から始まる。この話は、個人的にはあちこちで聞いたり読んだりしていて、日垣さんもよく話題にしている。そのせいで、なんだか日垣さん主導になっちゃって調子が悪かったのだけど、途中から河合さんならではの犯罪関係の詳しい話がでてきて、いい具合になった。

「犯罪の件数」というのは、急には変わらないものと昔から言われている。にもかかわらず、突然数字が変わるのは、戦争を別とすれば、「数え方を変えた」と考えるべき。

もうひとつは、「犯罪の数」は実は数えられないので、実は「検挙数」を見ている。つまりは、警察が頑張れば、見かけ上犯罪の数が増えるということになる。

例えば、全国の警察に「痴漢通報窓口」として女性を配備したそうで、そのために女性からの届出が急増したという。見かけ上は痴漢が増えたように見える。自転車の防犯登録のおかげで、盗まれても戻ってくる可能性があるので、盗難届を出す人が多い。これも「自転車ドロボーが多い」と見える。

日本は、犯罪に対する法的制裁は甘い。しかし「社会的制裁」が重い。かつては刑務所から出た人が、「再犯しにくいような職業」(具体的には言わず)について、親方に管理されて、結果的に再犯しない環境があった。

現在でも暴力団が一種の「犯罪者の受け皿」になっているとも考えられるそうです。

例によって、うまく紹介できませんでしたが、大変面白い話でした。

◆11月7日(月)2本録り
ゲスト:畑村洋太郎さん(畑村創造工学研究所所長、工学院大学教授、
             失敗学、ナノ・マイクロ加工学)
「失敗学」で有名になってしまったけれども、本当にやりたいのは「ものづくり」や「わかる」ことの研究。

回転ドア事件直後に「ドア・プロジェクト」を個人で立ち上げた。回転ドアが「危ないものである」ことを知らない人が作り、使う人も知らなかったから起きてしまった。ヨーロッパでは、「重いと危ないから」ということで、回転ドアは軽く作ることが常識化されているが、六本木ヒルズのものは3倍くらいの重さだった。

「危ないものは危ないのである」ということをみんなが認識すべきである。エレベーターのドアが「閉まりそうな時に触れば開く」と誰もが学習して信じているが、これは良いことではない。みんな平気でドアを押さえすぎる。いつか狭まれるぞ。

危険を回避できるようになるためには「(致命的でない程度に)痛い目にあう」のがいちばん。(そうだそうだ)

モノを「観察して」「分析して」「理解する」ことが重要であるが、じっと観察する前に「行動を起こす」方が良い。(見る前に飛べ、か)

帰りにこの人の本を2冊買ってしまった。
続 直観でわかる数学』岩波書店

畑村式「わかる」技術』    講談社現代新書

この番組はTBSラジオで毎週日曜夜9時から放送されますが、野球に弱いので、放送日程は遅れ気味。ロッテが「アジアシリーズ」に出るので、さらに延びる模様。「ポッドキャスティング」でも聞けますが、今日紹介した回はまだ大分先になりそうです。

www.tbs.co.jp

November 8, 2005 at 12:49 AM in 科学 | | Comments (5) | TrackBack (1)

2005.11.07

今度は「超電水」だ。 クリーン シュ!シュ!」

「超純水」に続いてまたまた東急ハンズに「すごい水」登場。

その名は…

電解アルカリクリーナー 超電水クリーン シュ!シュ!

スプレーボトルに入って売られている「洗浄液」。いろんなものにシュシュと吹きかけて汚れを落として見せている。

さてその中身は?「超電水」って?

カタログから、まずはこれ。

『クリーン シュ!シュ!』は電解アルカリ水100%で出来ていますので、界面活性剤溶剤等を一切含んでいません。泡が出ないので二度拭き不要。

『クリーン シュ!シュ!』はpH12.5化学物質が一切入っていないのにたったの30秒から1分で除菌ができます。

『クリーン シュ!シュ!』は、水100%でできているのに、油汚れを鹸化しタンパク質を分解します。

強アルカリ性と言いましても、苛性ソーダなどの危険物質ではなくマイナスイオンを多く持っているだけですので、やけどや皮膚への刺激はありません
販売代理店サイトより)

電解アルカリ水
pH12.5
化学物質が一切入っていない
水100%

これ、同じもの??

が、驚くのはまだ早い、カタログにはさらにこんなことが…

本商品を化学式に直すと濃度の非常に薄い水酸化ナトリウムになり…

おいおい、化学式に直そうが直すまいが水酸化ナトリウムは水酸化ナトリウムであり、自らが「危険物質」と言っている「苛性ソーダ」のことでもあります。

どういう水から水酸化ナトリウムが出てくるんじゃぁ

ハンズでの実演では、いろいろきれいにして見せていたから、たぶん洗浄力はあるのでしょう。「薄めた水酸化ナトリウム」なら、殺菌力もあるでしょう。それを堂々と言えばいいのに「水100%」はいけませんぜ。販売員もそう言っていました。「ホントに水100%」なんですか? と聞こうかと思ったけど、きのうは気乗りがしなかったのでやめました。 プチトマトにシュシュと吹きかけると、黄緑色の汁が出てきました。農薬などだというけど、トマトの果皮が溶け出したんじゃないの? 「安全です」と言って自分の口の中にシュシュしていたのは立派です。ママレモンだって、あのくらいなら平気だろうけど。「一番の違いは味です」といって、食べ始めたのでぼくは立ち去りました。

そろそろハンズの店長に言わないといかんな。

製造元 株式会社ケミコート
http://www.denkai.com/index2.htm

November 7, 2005 at 11:36 PM in スケプティクス, 科学 | | Comments (5) | TrackBack (3)