潜む熱 「潜熱」 latent heat
先日の日記のとおり「凝結熱(凝縮熱)」に凝っている。
凝結熱を英語で何と呼ぶかを知りたくてGoogleで調べてみた。
凝結は condensation, 凝結熱は潜熱(latent heat)の一種なので
latent heat condensation
で検索したところ "condensation heat"というのがたくさん見つかったので、おそらく凝結熱のことはこう呼ぶのであろう、しかし何だか日本語のページばかりだな、と思ったら「日本語のページだけを探す」設定になっていたので、「ウェブ全体から検索」に変えてみたら大量にヒットはしたものの、上位は相変わらず日本語のページが断然多い。ひょっとして和製英語? まさか。
いくつか調べてみた。
"condensation heat" 全体 44,200件、日本語 123件
"latent heat of condensation" 全体 26,200件、日本語 14件
"heat of condensation" 全体 55,100件、日本語 40件
"latent heat" 全体 115,000件、日本語 890件
どうやら (latent) heat of condensation の方が多く使われている気配。もちろん condensation heatという表現が日本以外で使われていないわけではない。
探していて気が付いたのは、凝結熱のことをheat of condensation と呼ぶにしても、それを使わずに、より一般的な latent heat(潜熱)を使っているのが目立つことである。
日本語では、「水が蒸発する時には気化熱を吸収する」とか「氷を解かすためには融解熱が必要である」という風に潜熱の種類を特定するのが普通であるのに対して、英語では「水が蒸発する時にはlatent heatを吸収する」という言いかたをするのをよく見かける。単に「大ざっぱ」なのかと思ったが、潜熱という「熱としては表われない形」でエネルギーが蓄わえられることを説明するためとも考えられる。
100度Cの水を熱して100度Cの水蒸気にする際には539cal/gのエネルギーを与えなけれはならないが、そのエネルギーは、目に見えない熱(潜熱)として水蒸気の中に潜んでいる。潜熱という言葉を使うことでその雰囲気がよく表われている。これが「気化熱」だと「気化させるためにはそれだけの熱が必要である」ということは伝わるが、そのエネルギーはそこで使い切ってしまって、どこにも残らないような感じがするの私だけ?( by 代田ひかる)
つい一年前くらいまでは、気化熱や融解熱をどうして潜熱と呼ぶのか考えたこともなかったのだが、100年前くらいのアメリカの科学書のlatent heatの説明に「熱には目に見える熱(sensible heat=顕熱)と見えない熱(latent heat=潜熱)とがある」ということが書かれていたのを読んで「なるほど」と思ったのだった。もちろん、日本の本だってちゃんと読めば同じことは書いてあるのだろうけれども、ぼくにとっては(上に書いたように)「気化熱は消費されてしまうもの」と見えていた。
体内から吐き出された息の中の水蒸気が、体の外で凝結することで熱を発生すると、結果としては体内の熱(水が水蒸気になった時に吸収した気化熱)が、まさに「潜熱」として水蒸気の中に「潜んで」外に運ばれたと考えられる。
潜熱として「熱を運ぶ」という考え方は、ヒートパイプで利用されているし、水蒸気から雲ができる時の凝結熱は気象にとって重要な役割を果しているなど、「実用化」はされているのだが、「息」を吐いただけでも体感できるのだから、もっと身近な知識として広められないものだろうか。(本当に凝結熱だとわかったらの話だが)
February 27, 2006 at 05:31 PM in 科学 | Permalink
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