おでこで測る体温計「サーモフォーカス」への期待と不安
「体に触れずに測る体温計」が発売になった。
その名は「サーモフォーカス」 おでこ向けて(でも触れずに)測る。
↓↓ 販売元の発表資料
http://www.atengineer.com/prsrls.nsf/prs/D6F53A21B52B54E649257106001D43EC
原理は(ぼくの周辺では)おなじみの「赤外線放射温度計」。
同じ原理で「耳の中」を測るものはすでに普及しているが、今度は
・触れずに
・瞬時に
測るというもの。
値段は2.5万円!
放射温度計で「遊んだことのある」方ならおわかりのように、体の表面の温度は体温とは違う。そこで、サーモフォーカスは測定した温度を元に(通常の方法で測った)体温に換算して表示してくれる。
しかし、おでこの温度は周囲の温度に応じて激しく変わるのではないだろうか?
お肌の具合は人によっても違うけど、大丈夫なのだろうか?
それで「精度±0.2度」をどうやって実現するのだろうか?
などなどの疑問が湧く。
販売元の資料ではよくわからないので製造元(イタリア?)のwebを見てきた。
http://www.tecnimed.it/thermofocus_e.html
測定の理屈はぼくの持っている4000円の温度計と同じ。
おでこの温度は口内などの体温よりは低いので補正して表示する。
ということです。「補正」といっても個々人の違いを認識するわけではないので、単に一定の値を足すかかけるかするだけだろう。
補正によって「ふつうに測る体温」と同じような値が表示されるわけだが、その値と「ふつうの温度計で測った値との差」は、0.5 - 0.6度かそれ以上になることもあるとのこと。だから、サーモフォーカスで日頃から「平温」を測っておいて、それとの違いを見るとよい。
というわけで「精度が±0.2度」というのは、「他の方法で測った体温」と比べてではなく、この温度計で「同じものを測った値」がこの精度内に入るということだろう。(よく考えてみればそれも当然か)
実際には、検定用の標準温度計と「補正前の測定値」との間の誤差だろうと推測。
医者に薦めているようだが、入院患者のように毎日何度も測る場合には威力を発揮しそうですが、外来患者を一回だけ測る時には「サーモフォーカスでの平温」がわからないので要注意ではないだろうか。
さて、文句ばかり書いたが、この製品はすばらしいヒントをくれた。
「ぼくが持ち歩いている温度計でも体温を測れるのではないか」
「自動補正」はしてくれないが、平温との対応表を作っておけばいい。
これまでも測ったことはあったのだが、「顔面の温度は変化が激しい」という点に気をとられて〈おでこで体温を正確に測ろう〉という発想にならなかった。仕様上の精度は 0.2度よりずっと悪くて「2%または2度、どちらか大きい方」というヒドイものだが、経験的には、同じものを測って大きな差がでることはないので十分実用になりそうである。
ちなみに今のぼくのおでこの温度は 34.7~34.9℃。(2機種とも)
何日か測り続けて「おでこ平温」を調べてみるか。
・・今測ると何と32度前後。さっきまで廊下に出てカッムを洗ったり、トイレに行ったりして冷えたのだろうか。手で触ってもあきらかにさっき(34.7度)よりも冷たい。しかし、体温が下がったとは思えない(測ってないけど)
・・1時間後 まだ32度くらい。うっすら汗ばんでいて手でさわっても冷たいことがわかる。
・・数時間後 34度くらい。
・・しばらくして 34.8度になった
というわけで、「でこ温」は極めて不安定である。汗はふいてから測るとしても、平気で温度は2~3度変わる。
さあ、サーモフォーカスはどうやってこの問題を解決したのだろうか。それとも解決していないのか。
大好きな放射温度計の応用製品なので、応援したいが、とっても不安。
P.S.
製造元のイタリアのTECNIMEDという会社、サーモフォーカスはいいとして、他の製品が「ピエゾ電気ショックで蚊に刺されたかゆみを消す機械」なんてものを売っている。その親玉みたいな機械はヘビに噛まれた時に使えるというし。
February 3, 2006 at 09:56 PM in 科学 | Permalink
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