水栓交換悲話、そしてちょっといい話
台所の水栓(蛇口)から水が漏るようになった。昔の蛇口なら100円もしないパッキンを取り換えれば良かったのだが、最近のオシャレな水栓はそうはいかない。実は、今の水栓にしてから3~4年目に漏れるようになって業者を呼んだら1万円以上もかかってブッ飛んだ。 MOEN(モーエン)という外国製。それから何年かしてまた漏れだしたので、webを探したら森野商会という会社が、自分で交換するためのカートリッジを売ってくれた。レンチも付けてくれて修理のやり方も書いてあったので、何とか交換できた。7000~8000円くらいだっただろうか。値段の問題だけではなくて、業者に来てもらうのは昼間人がいない家にとっては面倒なことなので、自分でできるのは有難いのだ。2001年2月頃のこと。
そして2006年3月、またまた漏れだした。またカートリッジを交換するか、これを機会にもっとメンテナンスの楽な水栓に交換するか……。 そういえば、4年くらい前、個人の掲示板に「MOENの器具を扱っているのでよろしく」という書き込みがあったっけ。あの時は、交換したばかりだったので用がなかったが、今こそ役に立つかも。探し出して会社のwebを見て、電話してみた。こういう時は、平日の昼間に家にいられる仕事は有難い(仕事してないじゃないか)。 MOEN 7250用のカートリッジ1250は4300円だという。「安い」と思って、注文した。森野商会にも聞いてみた方がよかったかな、とも思いつつ。
交換方法は5年前に森野商会から送ってもらった時の説明書に書いてある。さらにはwebにも写真入りで、詳しくでていた。
土曜日、カートリッジが届いたので早速水栓を分解。ところが、外れるはずのカバーが外れない。「外側を叩くとよい」とあるが、うんともすんともいわない。説明書には「わからないことがあれば電話してください」と携帯電話の番号が書いてある。しかし、今回カートリッジを買ったのは、ここ(森野商会)ではなくて、別の会社なのだ。それでもかけてみようか…。夜も遅かったし、土曜日だったので電話はやめて、webからメール問い合わせで聞いてみることにした。分解したままでは困るので、とりあえず元に戻した。新しいカートリッジは、まだ開封していない。
翌日メールで回答が届いた。「外側を叩いてみてください」とのことである。月曜日、再度分解して、「思い切リ」叩いてみたが、結果は同じ。それでもしつこくあの手この手を使って強引に回しているうちに、ギィーっ、グャィーっとイヤな音とともに部品は外れた。ただし、本来「3つの部品」のはずのものが癒着して一体化している。
もうダメダ。恥をしのんで森野商会にHELPを求める。「いつお買い上げになりましたか?」と聞かれて、「買ったのは5年前で、今回は別のところから買いました」と正直に告白。今回買った神戸の会社とも取引きがあるとのこと。ますますバツが悪いが「ひとごとでは済ませられない」と、親切に対応してくれる。しかし、「一体化した部品」はどうにもならず、「この際、日本製の水栓と交換してはどうか」送料込みで1万2000円だそうだ。「自分で取付けるということですか?」と聞くと、そうだという。実は、それをやった人(シロウト)がいることはブログで知っているが、工具がなくて苦労したようだし、今回の失敗のあとで、自分で全取っかえはコワすぎる。というわけで、来てもらうことにして、東京担当の加藤さんという人に連絡をしてくれた。買ってしまったカートリッジは返品しようかというと「それでは先方の手間ばかりかかって申し訳ないから引き取ります」という。おお、そこまで考えているのか。
「今日来てもらえる」のだろうか? 何しろ、水栓は裸の状態で、このままでは水が使えない。しかし、もう午後3時を回っているし…。
加藤さんに電話がつながると、今日と明日はダメで明後日になるという。それまでどうしたらよいのか心配だが、「現状復帰」の方法を必死で教えてくれた。古いカートリッジを戻して部品を付けようとしたがうまくいかない。結局部品を抜いた状態で無理矢理把手を付けたら、「真上に上げる」と水がでて、「真下に押す」と止まるようになった。とりあえずこれでいいかなと思ったが、何かを洗いながら水を出そうとすると、これが片手でできない。少し考えて、サランラップの芯のボール紙の筒を輪切りにしてかませたら、「出」は復旧。「止める」ためには下に押し込む。おっ、意外と使える。しばらくしたらボール紙がぐちゃぐちゃになったので、フィルムケースを切って入れてみた。これがまたいい。
水曜の予定が火曜の午後に来てくれることになった。カートリッジを戻せたかどうかを心配してくれていたそうで、夜に電話をくれたのだ。少しでも作業をしやすいようにと、流し台の下をカラッポにした。なあに、これを機会に掃除しただけだが。
作業はいたってスムーズ(プロだから当たり前か)。加藤ホームセンターの加藤さんは、とても良い人で、「自営業者同志」ということで、仕事をしながらも話しっぱなしだった。「好きなことをするのが一番」。森野商会は仕事を紹介してもらっている、頼りになる先輩だそうだ。以前は道路清掃車の運転をしていたことがあって、今の仕事になってからも、新しいタイプの清掃車を見ると見入ってしまうとか。「自営になって見えてきたことは何ですか」と聞かれたり、「独立を奥様が支えてくれるのは、それまでもいい関係だったからでしょう」とか、初対面で工事に来た人とは思えない会話もした。
こうして、平日に工事に来てもらって立ち会えるのも、自営業になって有難いことのひとつだ。
P.S.
結局、MOENの新品カートリッジは神戸に返品した。送料分を切手で払って、こちらからの送料と合わせて1300円ほどの出費。
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Comments
加藤さんはほんと良い人ですよね。もう少しで、悪徳水道屋にだまされそうになった時、「MOENも他社の外国のカートリッジもありますよ」と嬉しいお返事。地獄で仏でした。他業者から、蛇口がないから全部取り替えで、20万くらいかかると言われていたので。なんとその十分の一くらいで済みました。(TT)感謝してます。意地でも国産のT社やI社は取り付けないぞ。
Posted by: なまけもの | 2009.08.28 03:26 AM
なまけものさん、
嬉しいコメントをありがとうございました。あれから3年になりますが、水を出すたびに(大げさ?)思い出します。
(スパムコメントが大量に来るために、コメントの公開が遅れてしまい、申し訳ありませんでした)
Posted by: のぶ | 2009.09.02 11:38 PM