バネ指
2週間くらい前から右手中指が調子が悪くて「突き指」だとばかり思っていたのだが、なかなか治らないので金曜日に医者に行ったところ「バネ指」だと言われた。「腱鞘炎」だともいわれた。正確には「狭窄性腱鞘炎」というのがバネ指のことだそうで、赤ちゃんをだっこしているお母さんや、キーボード叩きすぎでなる腱鞘炎とはちょっと違うけれど、これも腱鞘炎。
バネ指は,英語では snapping finger というと書いてあったので検索するとドイツ語のページばかり。 trigger fingerで引いたら、たくさんでてきた。たしかにバネというよりもトリガー(引き金)の感じである。医学用語では"stenosing tenosynovitis" というそうだ。和名の「狭窄性腱鞘炎」も難しい言葉ではあるが、読めばなんとなく意味はわかる。これが漢字の便利なところ。というような話もいつか書きたいけれども、今日のところはここまで。
「けんしょうえん」というのを、これまでなんとなく「けん+しょうえん」だと思っていたのだが、「腱鞘+炎」なのであった。筋肉と骨を繋ぐのが「腱」なのだが、その腱を包むような「鞘(さや)」が「腱鞘」。これって、みんな知ってること?
指を90度くらいまで曲げるとブレーキがかかって、無理に曲げると「ポコッ」という感じ(音がすることもある)に乗り越える。それを戻して伸ばそうとすると、また「ポコッ」なのだが、その時が激しく痛い。
構造はストロー(腱鞘)の中をひも(腱)が通っているような感じなので、腱鞘が腫れたりして狭くなると、中を通る腱が通りにくくなるということらしい。触ったみると、腱の方にも瘤のようなものができていて、「こりゃいかにも通りにくいな」という感じ。あるサイトの説明によると、針に糸を通そうとして、失敗しているうちに糸にタマができちゃうような状態だそうだが,うまいことを言う。
さて、肝心の治療方法であるが、
1.安静→自然治癒
2.注射
3.手術
と、症状の重さによって変わってくる。
ぼくはとりあえず指は自力で曲げられるので「自然治癒」を目指すことになったのだが、指を「安静」させるわけにもいかないので「曲げたり引っぱったりしてもいいですか?」と聞いたら、「はい、何をやっても悪くも良くもなりません」と言われた。いちおうインドメタシンの軟こうをもらった。
家に帰ってあちこち調べたところ「安静」の方法として「副木をあてる」というのがあった。なるほど。指のことだから、別に寝ていなくても安静にはできる。しかし、中指が曲がらないとキーを打てないので、ゴム包帯を緩めに巻いて、120度くらいまでは曲がるようにした。
キーを打ってみると、案外曲げていないもので、問題の第2関節は150度くらいまで曲がれば十分で、あとは第1関接が120度くらい曲がってキーを押すことがわかった。(包帯があると打ちにくいのはたしかだけどね)
寝る時の効果が絶大。これまでは朝起きると指が曲った状態になっていて、伸ばそうとすると、かなり痛かった。寝ている間に手を握って、そのまま戻らずに長時間おかれるからだろう。固定しておくことで、寝ている間には曲がることなく朝を迎える。指をピンと伸ばしているのはつらいが、少し曲げたくらいの状態であれば長いことそのままでも問題ないようである。
そんな調子で一週間ほどやっているが、うっかり曲げることがなくなったので不便は減った。こうして「安静」している間に炎症や瘤が治って「元の鞘に収まる」とよいのだが、まだまだ曲げるとやっぱり痛む。
医者のいう通り「何をやっても同じ」なのか、この方が良いのかは実験できないのでわからないが、少なくとも日常生活はずっと楽である。整形外科の先生だから、バネ指のことはぼくの1000倍くらい知っているのだろうが、「どう不便」で「どう痛い」かは必ずしもわかっていないのだろうな。これは全ての医者にあり得ることだけど。
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