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2006.08.31

「トンでも吸盤」デビュー間近

5月に「どこでも吸盤」というものをプロデュースしました。なんで「プロデュース」などと妙なことばを使うのかというと、目新しいものではあるけれどもぼくが「発明した」わけではないし「発見」したわけでもないし、「作った」わけでもないから。こんなこと言ったら世の「プロデューサー」に叱られるかな。

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その「どこでも吸盤」をあれこれいじっていたり、使った人から聞かれたりしているうちにアイディアが湧いてできたのが「トンでも吸盤」。こちらは「作った」と言っていいと思っています。他の誰かが作っていない、とか世界初とかいう意味ではなくて、「自分で考えた」ということです。

「どこでも吸盤」とは同じ材質、同じ大きさですが、内側の穴はありません。中央にヒモがつけてあります。これをテーブルに置いてヒモを引っ張ると…

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「どこでも吸盤」と同じく、くっついて持ち上がりません。

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物を持ち上げることもできます。

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ティッシュの箱も持ち上がります。

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壁面にもつきます。ヒモが付いているので投げてくっつけることができるのです。そのままだと軽すぎて投げにくいので、「おもり」をつけています。これを何て作るかは悩ましいところ。

 

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天井にもつきます。
「どこでも吸盤」と違って、これは「引っ張っていないとくっついていない」ので、天井につけた時はヒモを引っ張っているか、おもりをぶらさげておかないと落ちてしまいます。

 

「どこでも吸盤」は、「缶フィックス」という名前の「実用品」を教材化したものですが、この「トンでも吸盤」は実用性ゼロ。そのかわり「遊び心」は倍増。

いわゆる吸盤っぽくない平面のシートが、「スッ」「ピタッ」と壁や床に吸いつく様は意外性があってかなり楽しい。

今のところシートをまるく切るところから手作りですが、製品化を決意して「とこでも吸盤」(缶フィックス)を作っている会社(株式会社ビブロ)にかけあって「穴なしシート」を作ってもらいました。「そんなもの、穴をあけないだけだから簡単だろう」と思うかもしれませんが実はそうでもないのです。「どこでも吸盤」を作る時には、穴も一緒に、つまりいきなりドーナス型に打ち抜くのだそうです。もうダメかと思ったのですが、打ち抜きの刃の使い古したものの内側を壊して「穴なし」用の型を作ってもらうことができました。とはいっても工場を動かすためにはふつうは「何万枚」も注文しなければ作ってくれません。今回「サンプル」ということで少ロットで作ってもらいました。それでも1000枚ですからシロウトにとっては大ごとなのですが「どこでも吸盤」を4000枚も作ったので感覚がやや麻痺してきたようです。

円盤にデザインを印刷(名入れ)するところまでをやってもらって、あとの工作は自分でやります。一度にたくさん作る必要はないだろうから、ノンビリとやります。作って、みんなに使ってもらってから問題点に気付くだろうから、あまりたくさん作らない方が良いでしょうし。

新製品は「トンでも吸盤」と名付けました。
ひと月ほど前に、試作した段階でネット仲間にネーミングを考えてもらったところ、

「空飛ぶ吸盤」
「吸盤キャッチャー」

『スパイ大作戦』に出てきそう、ということで出た案が、
「吸盤大作戦」
「スパイ吸盤」

「どこでも吸盤」に合わせるべき、ということからは
「引っ張る吸盤」
「投げたら吸盤」

「東京吸盤ボーイズ」・・・これは、イベントで出店名として使っています。

「吸盤NINJA」

「吸いつき忍者」

「どこでも吸盤○」←「◎」に対して「○」という深い案。

「やっぱり吸盤」
「いつでも吸盤」
「それでも吸盤」

「どこでも吸盤プル(Pull)」←アメリカ在住の方から

などなどたくさん考えていただきました。「どこでも吸盤」と合わせる、というのはぼくもそれがいいと思ったので、考えていたところ息子が考えたのが「とんでも吸盤」でした。「トンデモ」と「飛んでも」をかけていて面白かったのでこれに決定。このままだとあまりにも字面が似すぎているので正式表記は「トンでも吸盤」にしました。略称は「トンQ」。

印刷があがるのが9月8日の予定。デザインはこれ↓

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他にもまだまだ「アッと驚く」ことができたり起きたりします。いろんな人に使ってもらえば、さらに新しいことがわかるのではないかと期待しています。

遊んで楽しいだけでなく、大気圧教材としても実にいろいろなことを考えさせられます。これをきっかけにして『吸盤のなぞ』(仮題)という冊子か本を書こうかと思っています。

9月中旬には、何とか発売開始したいと思っています。価格は未定。

August 31, 2006 at 12:17 AM in 科学 | | Comments (2)

2006.08.17

物理教育国際会議2006(ICPE 2006 TOKYO)

http://www.komed.c.u-tokyo.ac.jp/ICPE2006/index.html

表題の会議に参加しました。日曜の夜のウェルカム・パーティーから今日の閉会まで5日間ほぼみっちりと出席。

日本で開催されたのは20年ぶりのことだそうで、たまたま最近この世界にかかわったぼくとしては、いいタイミングでした。

参加者総数 434人
 内、日本から 319人、外国から 115人

参加国数 25ヶ国
 参加数上位の国は、日本以外では以下のとおり。
 中国 25人
 韓国 20人
 パキスタン 13人
 インド 10人
 アメリカ 9人
 ブラジル 8人

「国際会議」というわりには欧米が少ない、と(正直なところ)感じる人も多いかもしれないけれども、参加してみて「それだけ物理教育問題を深刻に捕えているから」なのだろうと感じました。

いわゆる先進国と途上国とでは抱えている問題は違うところもあって、パソコンに最新式のセンサーをつなぐような話に「あんなこと言われてもねぇ」という感想を持つ人もいました。その一方、「途上国での問題」として挙げられたことの多くは、どの国の教員にもあてはまるものがたくさん。中でも「生徒が質問するとおこる先生」はどこの国にでもいるようで困ったもの。

日本から参加する人のサポートのために1日か2日顔を出すくらいのつもりでいたのですが、参加を決めた後で自由の身(退職)になったこともあってフル参加。毎朝9時からの講演に皆勤したのは大したもの。会場が異常に近所だったこともあります。

自身の発表は、ほんの5分ほどだけであとは聞くだけだったにもかかわらず、ドッと疲れました。英語にひたるとはそれなりのストレスなのだなぁ。

ともあれ、大変良い経験をすることができました。
関係者のみなさん、ご苦労様でした。

August 17, 2006 at 11:32 PM in 科学 | | Comments (0)

2006.08.06

フランクリン生誕300年記念行事

2006年1月17日は、ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の300回目の誕生日。アメリカでは切手やお札にもなっている人だけに、300年記念行事がいろいろ行われているらしいが、日本でのイベントはひとつしか知らない。

ベンジャミン・フランクリン生誕300 年記念
フランクリン研究会
300 歳のフランクリンから何を学ぶか?!
──みんなでフランクリンになる!──
2006 年8月5日.~6日
主催:NPО法人 楽知ん研究所

という会に参加してきた。

主催者の「楽知ん研究所」は、学校の先生が中心となって、1600年代頃からの「たのしい科学」の伝統に立ちかえろう、と昔の実験を再現したり、自然科学や社会の科学を研究するグループ。2005年からNPO法人。

今回のイベントの目玉のひとつは「電気パーティー」と題した、フランクリンの静電気実験の再現。起電器としては大きなガラス球や塩ビの円板を回転させるものを使い、「電気人間」「電気クモ」など、静電気を使ったいろいろな実験を見ることができた。最後には「水を通して静電気を流す」デモンストレーションとして、近くの池の水を通してアルコールに火をつけておひらき。

実験のやり方は、フランクリンの本に詳しく書かれているので、熱心な人であれば再現はできるのだろうが、実際にこれだけいろいろとやったのは、たぶん日本では初めてだろうということ。

フランクリンは「偉人」と言ってよいと思うが、一方で「おもろいおっちゃん」でもある、というのがこの会のテーマ。年をとっても好奇心のかたまりで、「他人の笑顔」も「自分の笑顔」も大切にした人だったらしい。

読み途中だった、板倉聖宣『フランクリン』(仮説社)をちゃんと読まなくては。

August 6, 2006 at 11:34 PM in 科学 | | Comments (0)