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2007.02.28

タミフルと異常行動

薬の問題は環境問題と同じく、「後手に回ってはいけない」ので、因果関係が不明であっても「ある程度」の手を打つべきである、ということは理解したうえで…。

ワイドショーでは
「タミフルを飲んだら、飛び降りた」
かのような表現が使われるが、現実は
「飛び降りた人の中には、タミフルを飲んでいた人もいた」
というのことである。

これだけだったら「飛び降りた人の中には、トマトを食べた人がいる」と同じだが、「脳障害を引き起こす疑いがある」という前提があるから騒ぎになっている。

純粋に確率だけで考えると、因果関係以前に「相関」があることをいうためには、
A . [飛び降りて、かつタミフルを飲んでいた人の数]
B . [飛び降りた人全体の数]
C.[タミフルを飲んだ人全体の数]
D.[(タミフルを飲む可能性のある)全人口]

とした時に、
A/C が B/D よりも大きくならなければならない。

B/D とは「(タミフルに関係なく)人が飛び降りる割合」であり
A/C とは「タミフルを飲んだ人の中で、飛び降りる人の割合」

「タミフルのせいに違いない」と考える人のいちばんの理由は、「これまでそんな発作的な行動をしたことかない」ということなのだが、タミフルに関係なく「突然ヘンな行動を起こす」割合というはどの程度あるのか。ゼロでないことは明らか。

不幸にも死んでしまった例ばかりがニュースになるが、タミフルにそういう副作用があるのだとすれば、「死ななかったけどヘンなことをした」という例が大量に(死亡例よりはるかに多く)報告されてもいいのではないか。(報告はあるにはある)

最初に書いたことに関していえば、タミフルを出す際に「異常行動を起こすかもしれません」と説明することは可能だが、果してそれがよい結果に結び つくのか。飛び降りた中学生を例にとれば、防ぐには監禁するとか、ずっと監視するとかなど、〈それまで異常を見せたことのない子ども〉に対して行うには問 題の大きい対処方法である。

「因果関係はない」と言い張るつもりはないが、せめて「相関があるのかどうか」を知りたい。

【参考】
タミフルの医療従事者向け添付文書。
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/PDF/450045_6250021M1027_1_11.pdf

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2007.02.08

「アクセス解析エンジニア」という職業

突然柄にもないタイトルですが、「アクセス解析エンジニア」などという職種があるんですね。SEOとか何とかで、どうやって自社のウェブに来てもらうかを考えている人がたくさんいることは想像がつくけれども、専門のエンジニアを置こうということなのでしょう。

というわけで、その「アクセス解析エンジニア」のためのセミナーがあるそうです。ぼくは直接は全く関係ありませんが、知人の紹介なので興味のある方はどうぞ。

キャリアセミナー  ~ITエンジニアに、必ず求められるスキルとは?


経営を握る新しいWeb系の仕事 ”アクセス解析エンジニア”

世界で注目されている技術を駆使した製品を自社開発している㈱デジタルフォレストがアクセス解析に興味があるエンジニアを対象に『アクセス解析エンジニア』という新しい仕事について皆様にお話する機会を企画しました。まだ日本ではあまり知られていない、しかし今後必ず必要となってくる新しい技術です。アクセス解析の先駆者として、この業界をリードするエンジニアの方々の参加をお待ちしております。是非、この機会に有意義な情報をお持ち帰りください。

■ 日時: 2007年2月25日(日曜日) 14:00 - 16:20(受付13:30~)
■ 場所: 秋葉原UDX カンファレンス南ウイング6F 
■ 参加費: 無料
□ 主催 株式会社デジタルフォレスト
  東京本社 〒102-0074
  東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル4階
■ アジェンダ
○ 13:30 - 14:00 受付
○ 14:00 - 15:00 [アクセス解析技術最新の動向と海外のエンジニア達]
《講師》マーケティング ディレクター 嶋田 貴夫
《講師》取締役 高野 元
○ 15:00 - 15:10 休憩
○ 15:10 - 15:40 [アクセス解析エンジニアという仕事と将来性]
《講師》製品開発・運用グループ ディレクター 林 經正
○ 15:40 - 16:10 [企業がITエンジニアを採用する時のポイント]
《講師》代表取締役 猪塚 武
○ 16:10 - 16:20 抽選会

詳しくは、こちらから

こんな本を監修している会社だそうです。

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2007.02.07

無差別検索テロ

あるところ(mixiですが)で、「検索エンジンは、何でもわかってしまって『身もフタもない』」という話を書きました。誰しもそんな感覚はあると思うのだけど、ある時「身もフタもない」という表現をあてはめたのが妙に気に入って時々使ってます。

その時に思いつきで書いた"無差別検索テロ"ということばが面白いという話になったので、それこそ無差別検索してみたら、いま(2007-02-07朝)のところGoogleではヒットしません。(引用符でくくらないと、あれこれ出ます)

"無差別検索"だといろいろ出るのですが、これは「大文字小文字を区別しない検索」などの意味で使われている模様。

仕事で初めて会う人のことを事前に検索しておく、というのはいまや常套手段となっていますが、ここまで一般化してくると「ウェブで拝見しましたが」なんていうのも照れくさいし、「あれこれ調べるのは失礼」という面もあるかもしれません。そのあたりがまさに「テロ」っぽい。

以下は、mixiの日記に書いた記事です。

今さら「Googleはすごい」なんて書くのも恥かしいけど、何でもかんでも調べられるようになると便利の他に面白くなくなっちゃうところがある。

「ザ・ぼんち」のおさむ君じゃない方の名前は何だっけ、とか「ドーハの悲劇」の時の監督は、とか以前なら長いこと悩むか、誰かに電話して聞いてあきれられるようなことも、今では検索一発。

泉麻人がジャージー牛乳の名前の由来かなにか長年探し続けていたことを、ある時講演の聴衆に教えてもらって感激した、というような話があった。これも当然今なら一発。

まさに「身もフタもない」という感じ。

だから、もちろん、「googleしない」という選択もできるのだが、そこまでゲーム化したいわけでもない時には困る。

親戚に詰将棋を解くプログラムを書いた人がいて、そのプログラムがかなり能力が高いので、「うかつに人には言えない」と言ってました。新聞や雑誌に載る詰将棋の問題が成立しなくなってしまうかもしれないからだそうです。

googleはどんなにくだらないことでもちゃんと検索してくれるので、無差別検索テロです。

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