紹介 『ソーシャルウェブ入門』
1年前まではウェブ業界の端の方にはいたのだけれども、「ウェブ本」はあまり読んだことがなくて『ウェブ進化論』すらまだ。そんなぼくが『ソーシャルウェブ入門』を読むことになったのは、著者が知人であるからというのが正直なところ。知人とはいっても、知り合ってから間もないし、著作が面白いかどうかという期待は特にしていなかった。が、読んでみるとこれが「流れるように」ページが進んでいく。
著者の滑川海彦氏は、ペンネームみたいだけど本名。23年前の役所勤務時代に『データベース入門』という本を書いている。(音楽雑誌にレッド・ツェッペリンの歌詞の訳を投稿していた過去?もあるいう説) ぼくとはほんの半年のつきあいなのだけど、同じ翻訳チームにいることもあって、メールでは毎日会話している。
さて、肝心の本の中身はといえば、Google、プログ、Wikipedia、mixiなど「ブログの今」を、初心者向けの紹介からウンチク的小ネタまで広く深く書いた本。テーマからして、まとまるはずがないと思うのだけれども、どういうわけかスッキリとまとまっている。文章が非常に読みやすい。日頃身近で聞いているような話だからということもあるのだろうが、日本語として無駄がない。読んでいく中で「あれっ」と思って読み返したところがほとんどなかった。そんなのは当たり前のようだけれども、小説でもエッセイでもたいてい、ひっかかるところはあるもの。(もちろんぼくの読解力の問題でもある。)
さてと。書評は異常に苦手なので、同書を紹介しているブログを紹介させていただく。まず小飼弾氏の「書評 - ソーシャル・ウェブ入門[BETA]」)より
私は本書が「面白くてためになる」と書いた。「ウェブ進化論」は面白いが、「使える」といえば疑問である。ウェブ進化論を読んでも、はてブを使えるようにはならない。逆に「グーグル明解検索術」は「使える」が「面白い」とはいえない。Googleがもたらす社会的影響に関して考察してるわけではないからだ。本書が絶妙なのは、論考と解説の分量が絶妙なことだ。本書はWeb0.0まで遡って話をしているにも関わらず、ブログの作り方まで解説しているのだ。
もういっちょ、在アメリカsatomiさんのLongtail Wolrd: 「祝・出版~滑川海彦著「ソーシャル・ウェブ入門」から、
長屋の隠居的コラムには「へえ」がいっぱい。元祖ソーシャルアニマルは「アリストテレス」とか、グーグルをヴィシュヌ神第8の化身クリシュナの別名ジャガーノートにたとえるかと思えば、ネット著作権で「のまネコ騒動」を持ち出したり。ウェブを自分の足で歩いて拾った雑感がとても楽しい
というわけで、なかなか面白いので読んでみてはいかが?
P.S.
上に書いた小飼さんに「紺屋の白袴」とお叱りを受けた著者のブログはこちら「Social Web Rambling」
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