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2008.05.30

詐欺商法会社のInteliusがIPO?!

TechCrunch日本語版の記事
Naveen Jainの最新詐欺商法:Intelius
によると、このサイトは買い物をしたユーザーに「アンケートに答えて10ドルもらうおう」と持ちかけておいて、クリックすると「月額20ドルの定期購読を申し込んだことになる」というトリックを仕掛かけているそうだ。

そのことは「薄いグレイの小さな文字」で書かれている。

Intelliusscamn

クリックすると実物大になるので見てほしい、右下半分のグレイ部分が問題のテキスト。

オレンジの大きな「YES」ボタンの下の小さなリンクをクリックすれば、ふつうにチェックアウトできるらしい。

まあ、この程度のインチキサイトは掃いて捨てるほどあるのだが、問題はここが膨大な利益をあげた挙句に上場しようとしていること。上場するということは、銀行、証券会社、弁護士、会計事務所などが厳重にチェックをするということ。記事のとおりだとすれば、みんなの目がフシ穴だったことになる。

ユーザーからも大量のクレームが来ているらしい(そりゃそうだ)。

さすがにこの記事が出たからには上場はしないことになるだろうが、銀行や引受会社は大恥をかくことになるだろう。記事を書いたマイケル・アーリントンは公開された情報だけからこの事実を突き止めたという。全部が真実であれば、お手柄だしかなりのスキャンダルだ。

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2008.05.26

Twitterがよく落ちるからといって

Twitter

TechCrunchのマイケル・アーリントンの記事

コメント欄には、「間違って〈公開〉ボタン押したんだろ」などのコメントが寄せられているが、マイケル本人からは、ビデオコメントが付けられている。

ご本人、Twitterには
「ずっと前からやってみたかったんだ
「これはエラーではなくて実験」
などと書いている。

今のところTechCrunch日本語版
には翻訳記事は掲載されていない。

その後翻訳?されました。

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2008.05.16

慈悲深いインターフェース

Jef Raskinの "The Humane Interface"という本を読んでいる。
ヒューマンではなく「ヒューメイン」ね。人間味あるとか、慈悲深いとかいう意味。つまり、単に「人間とコンピューターの間のインターフェース」ではなく、もっと人間らしいインターフェースしよう、ということ。

著者のラスキンさんは、Macの開発プロジェクトの最初のリーダーだったのだけど、ジョブズと(当然?)ケンカしてやめた人。Mac PaintやHyper Card、後にはGeneral Magicなどで活躍したBill Atkinsonはこのラスキンのサンディェゴ大学時代の弟子だそうだ。

この本が出たのは6年くらい前で、もう邦訳も出ているのだけどあまり中を読まないでいたら、数年前ラスキンさんが亡くなってしまった。(ラスキンさんには何度か会ったことがあったのだ)

今訳している本がデザインやユーザー体験に関する本なので、ちょっと思い出して引っぱり出してきたらこれがすごく面白くてためになる。ためになる、といってもぼくがソフトを作ったり指導したりすることはないんだけどね。

今のシステムが人間らしさの点でいかにダメか、という話が山のようにでてくる。当然のようにMicrosoft製品がよくやり玉にあがる。

1.キーのリピート
 キーのリピートは、同じキーを一定時間(0.5秒くらいかな)押していると、タタタタタとリピートするもの。そうそう使うものじゃないがカーソルキーやスペースやハイフンなどでは使うことがある。このリピートまで待つ時間「遅すぎるし早すぎる」という。

居眠りしたり、考えごとをしていて、ふと画面を見ると
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
になっているという経験があるはず。ラスキンさん家ではネコがやることもある。ようするに、「必要もないのにリピートする」ことがある。
一方、リピートさせたいと思っている時の0.5秒は長い。オレはリピートさせたいんだから、わかれよお前、といいたくなる。
(ちなみにぼくは前者の問題が深刻であったため、リピートをオフにしようとしたら、Windowsのふつうの設定ではできなかったのでリピートした後の文字の反復速度を思いきり遅くした。それでも押したまま眠れば文字で埋まる)

では、どうすればいいか。
「リピートキー」というのがついているキーボードもかつて見たことがあるけど、まさかラスキンさんがそんな案を採用するはずはない。ラスキンの同僚の人が考えたのは、「どこの国の言語でも、〈同じ文字が3回以上続くこと〉はまずないだろう」という前提のもとに、
・同じキーが3回押されて
・その3回目が一定時間(かなり短かくてよい)押されたら
リピートする、という仕様。

つまり、リピートさせたいときは「タタター」という感じで押せばよい。3回押す手間はかかるが、待ち時間が少ないのでずっと早くリピートが始まる。居眠りのときやネコはこんな器用な押し方をしないので、誤ってリピートすることがない。

というわけ。

2.選択部分の置き換え
 テキストをマウスで選択して反転している状態で文字を入力すると、選択部分が削除されて、かわりに入力した文字が入る。ぼくもよく使う手だ。と ころが、選択されていることを知らずにうっかりキーを押すと、悲惨。「すべてを選択」した状態だったり、選択部分が画面の外にあったりすると、かなり危な い。こんなのはやめた方がいい、ということ。
 DELかBackSpaceを1回押す手間を省くだけのために、代償が大きすぎるのだという。たしかにそういわれてみればそうだ。それと、1回のキー入力が「テキストの削除」と「文字の入力」という2つのことを同時にこなすのもヒューメイン的によろしくないとのこと。

 ちなみに(ラスキンさんにも評判の悪い)Wordには「選択部分を置き換える」かどうかのオプションがあったと思う。日本版だけかもしれない。 Wordの日本版のベータ版みたいなのを使ったときに、この「置き換え入力」ができなくて、Microsoftの人に文句を言った記憶がある。

3. インクリメンタルサーチ
 ラスキンさんの作ったワープロソフトには「LEAP」というしくみがあって、カーソル移動を「検索」でやる。LEAPキーを(親指で)押しなが ら、目的の単語をタイプすると1文字タイプするごとにカーソルが飛んでいく。ことばではいい表せないほど快適なのだけど、残念ながら日本語にはそのまま適 用できない。(LEAP思想を受け継いだしくみを富士通研究所の人が作ったことはあるが)
 それはともかく、こういう「1文字押すことに探していく」のをインクリメンタルサーチといって、ほとんどの場合はこの方が具合がいい。wordの検索ではタイプミスしたのを気付かずに検索を開始すると、大きな文書だとエライ目にあう。(今は中断できるのかな)
  FirefoxやSlepnirのページ内検索がインクリメンタルなのはありがたい。

ラスキンさんは、検索対象がファイルになければフォルダーを、さらにはパソコン全体、さらにはインターネットを探せばいい、と書いているけどGoogle DesktopやMacでは実現しているんだね。しかも、Googleではインクリメンタルサーチまでできるし。

そう思うと、wordの検索ダイアログは冗談かと思うほどひどい。

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2008.05.14

風呂に入っているときに限って電話

風呂に入っているときに限って電話が鳴る、という話がある。携帯時代になったせいか、最近はあまり聞かないような気がするけど。

認知科学の話題では、それは、そう感じるだけであって、「風呂に入っていても電話がかかってこなかった場合」を勘案しないからだ、などと説明されます。ぼくもよくこの例は使う。

「禁煙したやつに限って、人のタバコに文句を言う」とか「女のつきあい方をあれこれ言うやつに限って恋人がいない」という表現があるが、これは 「禁煙した人間の方が、元々タバコを吸わない人よりも文句を言う率が高い」と言っているわけではなくて、「元はタバコを吸っていたクセに」という程度のこ とだろう。

そこでふりかえってみると、風呂の話も実は「風呂に入っているときに電話が鳴るとホントに頭にくるよね」というくらいのことなのかもしれない。(本気の人もいるらしいが)

あまり「文字どおり」に受け取ってはいけない、という一例かも。

「うちの子に限って」はどうなんだろうか。

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2008.05.11

brotherは兄か弟か

英語のbrotherは「男の兄弟」の意味で、兄か弟かの区別がない。このため、兄はelder brotherとかbig brother、弟はyounger brother、little brotherなどという。と、習ったけれども、実際に英語の人が弟のことをyounger brotherと言って話題にすることはきわめて少ない。単に、
My brother gave me this book.
などと言う。

elder brotherなどと呼ぶのは、何か特別に年齢関係がわかる必要のあるときだけである。「必要」という意味では、日本人にとっては、それが兄であるか、弟であるかは『常に必要な情報」なのかもしれない。

誰かに女のきょうだいがいると聞いて、それが姉さんなのか、妹なのかを知らずにすませられる日本人がいるだろうか。(妹なら紹介してね、とかいう邪心がなくても)

一度だけだが、アメリカ人男性(当時17歳くらい)に、「誰かにbrotherがいる、というときそれがyoungerかelderか、気になるか?」と聞いたことがある。答えは「気にならない」。

日本では兄弟姉妹の年齢関係をかなり厳密にチェックする。
I have two brothers and three sisters.
などと言われようものなら、全部の順番を説明されるまで、納得しないだろう。

アメリカ人だって、兄さんが弟をいじめたり、威張っていたりするのは日本と同じだとおもうのだが。

ちなみにもっと細かいのが中国で、おじさんにも伯父と叔父の区別をつける。

社会的文化的に年の上下を気にする度合いが違うので、当たり前と言えばそうなのかもしれない。

1990年ごろにアーノルド・シュワルツネッガーとダニー・デビートのTwinsという映画があった。二人が異母だか異父の双子という設定。ただでさえ上下を気にしないアメリカだから、ふたごの兄と弟の区別など知る由もない。というより、決めているとも思えない。

この映画を初めて見たのがアメリカだったので、果たして日本でどうなるかに大いに興味があった。

果たして、数年後テレビで見たときに、シュワちゃんはデビートを「兄さん」と呼んでいた。劇場でどんな字幕がついていたのかは未確認。ストーリー的には年齢関係はいっさい出てこないのだが、「兄さんに会いたい」とか「兄さんを捜しているんだ」などという台詞は、兄か弟かをきめないことにはどうにもならない。

当時伝え聞いたところによると、香港ではTwinsが「龍兄鼠弟」というタイトルになっていたとか。二人の体型を考えるかぎり、日本とは逆の年齢設定になっていると想像できる。

日本では、双子でもどちらが兄かにこだわるのが普通らしい。親も「お姉さんらしくしなさい」とか言うことがあるらしいが、同じ日に産まれて、同じ顔なのにそういわれてもなあ、とか思わないだろうか。

ある知り合いの双子兄弟は、おたがいに名前で呼んで、兄さんとか弟とか言わない。お母さんに聞いたところ、戸籍上は一方が兄になっているが、普段は区別したことがない、と言っていた。(出生届にどちらが何番目かを書く欄があるから)
本人たちが自己紹介するときに、
「○夫の双子の□夫です」と言っていた。これはかなり新鮮だ。
実は英語の twin という単語は、日本語の「双子」とは違って、「双子のうちの一人」をさす。だから、
He is my twin.
I am a twin.
We are twins.
などという言い方をする。

日本の双子兄弟が奇しくも同じ言い方をしたのは、ICU出身なのと関係があるのかどうか。

芸能人では、マナカナはそうでもないがザ・タッチはよく「弟の○○です」という。面白かったのが「大好き五つ子」というドラマ。男3人、女2人の五つ子が主役なのだが、テレビで見るかぎり長男長女がだれかはわからない。おそらく設定もされていないのではないか。呼び方はいつも名前なのは当然として、
「その人誰?」と聞かれると「きょうだいです」と答える(女の子も)。ほかにもなにかと「きょうだい」を連発する。
五人もいたら、かりに上下関係をきめてあっても、呼び方は名前にならざるを得ないだろうけど、日本人的には「弟です」とかいいたくなるところ。ドラマ的には5人を完全に対等にしたかったのかもしれない。

蛇足ながら、「双子が生まれた時、どちらを兄にするのか」というのが話題になることがある。「あとから生まれた方が兄」とかいうひとがいるが、根拠があるのかどうだか(先に着床したほうだ、という説も)。一人目と二人目の間が何時間もあくことがあるけど、それでも後の方が兄だというのか? そのときは誕生日も別になるのだろうか。

それにしてもこんな話題がトリビアになるのも日本ならでは。

男女を含めた兄弟姉妹全体をさすとき、言葉としては「きょうだい」だが、「兄弟」と書くのは、性差別反対主義者でなくても抵抗がある。ひらがなで「きょうだい」とかくことも多いが、男兄弟を指すのと同じ単語というのはいかにもよろしくない。その点、英語には sibling という単語がある。学校では習わなかったきがするなあ。

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2008.05.08

ガス欠の思い出

アメリカ駐在時代、サンタクララの街中でガス欠。原因はメーターがおかしいのを知りながら無理したからなのだけど、その後がまたいろいろ。

片側3車線くらいの道の中央あたりで停止。混雑もしていないので特に混乱はない。
ふと見ると、すぐ近くにガソリンスタンドがあった。以前(日本で)ガス欠やっちまったときは、スタンドでポリタンクに入れてもらったので、同じことをしようと道を渡ってスタンドへ。

兄ちゃんに聞くとポリタンクはないという。セルフサービスでほとんど人のいないところだから仕方ない。困っていると、そこに積みあげられていた コーラの1リットルPETボトルの山を指して「これを買って中身を捨てて、そこにガソリン入れればいい」と言う。すばらしい発想・・・とは思ったものの、 コーラを捨てるのがどうしても抵抗がある。少し考えたが、やらずに車に戻る。(どうするつもりだったんだ)

ほどなくして、うしろからパトカーが来た。ガス欠だと伝えると、「押してやるから近くのスタンドに行こう」という。「けん引」とかではなく「押す」ということは、バンパーとバンパーをぶつけるということで、本来のパンパーの使い方である。

ずりずりと押すのかと思っていたら、「バーン」とぶつけられてしばらく走ったところで、またバーン、という具合。幸いすぐ近くの対岸(右側通行の 左側)にスタンドがあったので、そこで道路外へ左折(さっきのコーラのスタンドは近すぎて曲がれなかった)。押されながらもなんとかスタンドへ。パトカー は、さっさと立ち去った。(高速道路でガス欠やるとキップをもらうらしい)

止まったところは、「フルサービス」のポンプ。当時(1984~89)のスタンドはほとんどが、セルフサービスとフルサービスが共存していて、フ ルの方が10セント/ガロンくらい高い(1ガロン$1.30くらいの頃)。よって、いつもは決してフルサービスでは入れないのだが、パトカーに押されて 入ってしまったので仕方がない。と思いつつも「ここはフルなのかぁ」とつぶやくと、店員が「じゃあここで5ガロン入れてから、セルフのポンプへ行け」とい うので、そうした。

思えば数ドルのために、ずいぶんと恥かしいマネをしたもんだ。ガス欠のくせに。

クルマはBuickの1976年型 V8 5400ccくらいでリッター数キロしか走らないステーションワゴンでした。カローラだったらバンパー壊れたかも。

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earlier todayは、今以前の今日か

ニュース記事などで「earlier today」という表現がよく出てくる。ealier this monthとかealier this yearなども。

意味としては実に簡単で、「今以前の今日」なのだけど、もちろんそんな日本語はない。読むときは全く気にしなくていいけど、訳すとなるとどうするか。

結論からいえば単に「今日」になることがほとんど。たとえば、

Earlier today, ABC Corporation announced its new product ...

なら、

本日、ABC Corporationが新製品を発表・・・

でよくて、「本日早く」などとはしない。

というのは、まあ自然にそうしていたのだが、最近になって考えたのは「earlier」が入っている理由。なくても意味は変わらないのだけど、earlierがあることによって「過去の話」だということがこの時点でわかる。上の例でいうと、

Today, ABC Corporation will announce its new product ...

という未来の場合もあるわけだが、earlierのおかげですでに起こった、ということがわかる。そのためなんじゃないかな、と。

逆に、原文では単に JulyやMarchなのを「来たる7月」とか「去る3月」などとすることもある。



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2008.05.07

台形と不等辺四角形

どうしようもないタイトルですみません。
まずは、下にあるOALD(Oxford Advanced Learner's Dictionary)の一部を見てください。

Dscf0036

台形と不等辺四角形が、それぞれtrapeziumtrapezoidと呼ばれることが図解されているのだけれども、よくみると、「BrE」(イギリス英語)と「NAmE」(アメリカ英語)の注がついている。

うーむ、trapeziumはイギリスでは台形、アメリカでは不等辺四角形、trapezoidはそのまるっきり逆。

三角形と四角形とかじゃないから、日常生活で困ることはなさそうだけど、図が楽しいのでついつい紹介しちゃいました。

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