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2008.08.24

『セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる』

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『セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる』

ワグナー・ジェームズ・アウ著
井口耕二 訳
滑川海彦 解説 

価格      :      2,310円(税込み)
ISBN     :     978-4-8222-4697-6
発行元     :     日経BP社
発行日     :     2008/08/25

最近は日本でセカンドライフの話題があまり出ない気がしますが、海の向こうでは順調のようです。

セカンドライフについて書かれた本はたくさんありますが、これは同サービスの「公式ジャーナリスト」をつとめた人が「中から」書いたもので、解説にあるように「セカンドライフのメーキング・ストーリーとして文字通り決定版といえる。」ものでしょう。

私はセカンドライフには入っていませんし、正直なところあまり関心もなかったのですが、縁あってこの本を読んだところ、大変わかりやすく、セカンドライフをかなり理解できた気になりました。

SNSやコミュニティに「3Dグラフィック」がついたものなのですが、その中で恋愛やケンカや企業のビジネスなどが行われるということ。グラ フィックの部分にばかり注目すると「そんなことあるのか」と思ってしまいますが、「バーチャルなおつきあい」という意味なら、パソコン通信も今のmixi も似たようなものだと気付きました。セカンドライフでも、ことばのやりとりはチャット(テキスト)が主体です(音声もサポートされたけど評判がよろしくな い)

原文と翻訳があいまって、とても読みやすい文章だと思いました。解説文も「何度も書き直した」という力作で、ここから読むのもおすすめです。

以下に、目次を転載しておきます(日経BPのウェブより)

はじめに

イントロダクション 旧世界から新世界へ
あるメタバースの歴史

第1章 心を動かす認識
バーチャルリアリティから現実の会社へ

第2章 3次元のネットを想像する
データストリームを川や空へと転ずる

第3章 創造のエンジン
ユーザー参加型コンテンツという錬金術

第4章 集団の無知
オンライン世界における社会工学の実地教育

第5章 自家製人間
デジタル時代のアイデンティティとロールプレイング

第6章 セックス
デジタル化された安全な恋愛と欲望

第7章 壁を作り、領土を守る
戦争の影で争われる境界と衝突する文化

第8章 バーニング・ダウン・ザ・ハウス
ビジネスモデルとしての民主主義

第9章 起業家としてのアバター
コンテンツクリエイターから収益ジェネレーターへ

第10章 ユートピアへの投資
法人・組織向けメタバース探査ガイド

第11章 法がコード
3次元ネットの未来における罪と罰

第12章 世界をよくする
オンライン世界における研究、教育、実践活動

第13章 融合
これから10年——インターネットからオンライン世界へのロードマップ

あとがき
セカンドライフに関する用語集
付録1—セカンドライフを楽しむための3つのアドバイス
付録2—セカンドライフへの参入を考える現実世界の事業者に対する3つのアドバイス
謝辞
解説 滑川海彦
訳者あとがき

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2008.08.21

ソフトボールのトーナメント方式はどう考えてもヘンだ

予選リーグ2位の日本が1位のアメリカと「準決勝」をやって、延長の末に負けてしまった。これであとは3位決定戦で銅メダルを狙うしかないのか、と思ったら、何とまだ金銀銅いずれの可能性もあるという。

そうそう、思い出した。「ページシステム」というややこしいトーナメント方式なのだ。

 【準決勝】
1.アメリカ○      【決勝】
           アメリカ┐
2.日本●          │
               ├ 金メダル
        日本┐    │
3.豪州○     ├――――┘
        豪州┘
4.カナダ● 【3位決定戦】

日本は準決勝に負けたけど、もう一方の準決勝に勝者である豪州と「3位決定戦」をやる。これがふつうとは逆で「負けた方が3位」という決定戦。勝った方が「決勝」に行く。これは金か銀かを決める、ふつうの決勝戦。

この方式にはいろいろと問題になりそうなことが含まれている。
日本がこの後豪州との3位決定戦に勝って、決勝でアメリカにリベンジすると金メダルになる。結構なことのようだけど、アメリカからみると「先に負けた日本」と戦わされて、それに負けて1勝1敗になった段階で、日本が優勝というなんか理不尽なことになる。

これが例えば豪州が勝ち上がってきた場合は、それほど異和感はない。普通の準決勝-決勝と変わりがないから。豪州は1度でも負ければそれで終りの、まさにトーナメント。

予選1、2位対決で負けた日本だけが、「復活ムード」を与えられる。もちろんアメリカが負けた場合も同じことなので、「誰に有利」というものではないのだが、なんかスッキリしない。

そもそもトーナメント方式は、すっきりしているかわりに、「たまたま強いチームが早々と負けてしまう」危険があるので、予選は取り返しのきくリー グ戦にするというのはサッカーでもおなじみのやり方。しかし、その場合、一旦決勝トーナメントに入ったら、あとは「ノックアウト方式」で「負けたら終り」 にする。

ソフトボールのページ方式は、さんざんリーグ戦やった挙句に、決勝トーナメントにまで「敗者復活」が取り入れられている、という思い切りのなさ。
柔道でも何でも「敗者復活は最高銅メダルまで」というお約束なのに、ソフトボールは金メダルまで取れちゃうのだからなぁ。

というわけでヘンなトーナメント方式のご紹介でした。

その後日本は豪州に勝って、アメリカと再戦することになりました。
これで日本が金メダル取っちゃったりすると、アメリカが気の毒になります。

ちなみに、シドニーオリンピックでは日本がリーグ全勝、準決勝でも勝ったのたけど、リーグ4位から勝ち上がったアメリカに決勝で負けて銀メダル、という悲しい結果だった。でも、これは「ふつうの敗者復活戦」という感じなのであまり抵抗はない。トーナメントに入ってからは全勝して金メダル取ったのだから。今回日本が金メダルを取るとすると、トーナメントで「2勝1敗」しかも、うち1勝は格下(予選では下位だった)チームから挙げたもの。それで、1勝1敗のアメリカよりも上になってしまうことになる。

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2008.08.20

意外にスッキリ、レスリングのルール

女子レスリングは、4人とも4年前と全く同じメダル、というすごい結果でした。そもそも「同じ4人」が出場していること自体が奇跡。

試合を見ていてレスリングのルールにいろいろ変わったところがあることに気付いた。アテネオリンピックの後、ルールが変わって、3ピリオド制で、2ピリ取れば勝ち、ただしフォールすれば無条件にその場で勝ち、ということなのだけど、両者にポイントのないときの扱いが強烈なのに驚いた。

2分間のピリオド終了時に両者が0-0のときは、ボールピックといって、レフェリーが箱に手をつっ込んでボールを取り出して、それが青なら青の選手の片足タックルから始めるという、一方が(恐ろしく)有利になるというもの。(7~8割はそっちが勝つらしい)

伊調姉がそれで1ピリオドを取られて、次のピリオドも0-0だったので、てっきり「今度は伊調が有利」なのかと思ったら、何と「またボールピック」するのだ。この時は幸い伊調になったけど、運が悪いと2回続けてやられることになる。

ひでーなー、と思ったけどこれは「ゼロゼロになるような試合は本来は両者負けでもいい」というくらいの前提なのだろうと思うと納得する。

つまり、「何とかして勝負をつけさせる」ためのルールだから、交互に有利にさせているようでは仕方がない。(だったらボールピックだけで勝敗決めろよという気もするが)

ゼロゼロ以外の同点のときは、「後から追い付いた方の勝ち」というルール。これもまたよくできている。
・何もしないとボールピックになっちゃう
 ・だから先にポイントを取ろう
・これで逃げ切ろうとすると
 追い付かれたら負け
・じゃあ、ちゃんと攻めようか

という具合に、ひたすら「消極的になることを罰する」しくみになっている。

柔道と比べて「攻めない」ことに対するペナルティはきつくないような気がする(警告が与えられた場面を見なかった)けれども、ぐずぐずしているとボールピックになってしまう、というのが大きな脅しなのだろう。

唯一気になるのが、明らかに弱い選手が0-0に持ち込んでボールピックに賭けることか。あまりに力の差があると、片足取ってもポイントを取れずに負けてしまうこともあるのと、おそらく露骨な「逃げ」には警告が与えられるのだろう。

必死に練習を重ねてきたであろう選手たちの勝敗がサイコロのように決まってしまうことに、はじめは大きな疑問を感じたのだが、「ポイント差がつかない程度の試合は、どちらが勝ってもいい」という前提と考えれば、なかなか良くできたルールだといえる。

とはいえ、「何とかして差をつける」ための方法として「ハンディキャップをつける」というのは、美しくないことはたしか。その点ソフトボールや野球で行われる「タイブレーク方式(無死2塁などから始める)」は両者にハンディをつけずに、得点の「感度」だけを高くするという点で優れていると思う。

柔道の「ゴールデンスコア」は、「効果」だけで勝負が付くからちょっと似ている。レスリングは、そこで「一方を有利にしてしまう」ところが大胆。

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2008.08.12

スイムオフはつらいよ

オリンピック競泳の女子200m個人メドレーの決勝進出者8名を決めようとしたら、8番目に同タイムが2人いた。ひとりが日本の選手。

決勝には8人しか出られない(9コースあると思うけど使わないのでしょう)ので、どうにかして決めなければならない。さあどうするか、というクイズにしたいくらいだけど、タイトルにあるように「スイムオフ」というのをやる。

同タイムの2人だけでレースをやって、勝った方が決勝に進むというわけ。

この発想自体はごく自然なのだけど、水泳という競技の性質上かなりつらいことになる。ふだんは8人同時に泳いでいるあのプールでたった2人のためにレースをするのである。1500m自由型だったらどもう大変だろうなぁ。

そして、何より悲しいのが、こうして死闘の末に決まるのが「決勝進出者の中で一番遅そうな人」だということ。もちろん、やってみなければわからないけど。

せめて、スイムオフで金メダルを決める、というのなら納得もしやすいのだが。

ところが、決勝で1,2着が同タイムだったらどうするか、というと、確認したわけではないけど、「二人とも金メダル」になるはず。タイムは 1/100秒までだけを見る。恐らく今どきの時計だから1/1000でも1/1万でも測れるのだろうけど、たしか「あえて細かくは見ない」ことにしたは ず。ミュンヘンか何かのときに、1/1000秒まで見て金銀を分けたことがあって、どうも後味が悪かったかららしい。それはいいことだと思う。今回の男子 100m背泳ぎでは銅メダルが2人いた。

というわけで、「決勝進出者を決めるときだけ」スイムオフが行われる、のだろうと思うけど、いや、たぶん予選から準決勝のときも同じことをやるのかもしれない。だとすると、「16番目に速い人」を決めるための専用レースということになる。

さて、今13:10、問題のスイムオフが始まるはず。ガンバレ日本。

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ディフェンディング・チャンピオン

「前回優勝」のチームや選手のことを「ディフェンディング・チャンピオン」と呼ぶことがある。オリンピックなら、谷、内柴、北島みんなそうだ。

前回のチャンピオンにはかなりの「価値」があるので、こういう特別の称号を与える意味があると思う。

「ディフェンディング」というのは「防衛する」という意味だと思うけど、何となくしっくり来ないものがある。「守りに入らずに、チャレンジャー精 神で行きます」とかいうことはさておき、前回優勝者といえども、ふつうの一回戦や予選リーグから戦うわけだから。大会によっては「前回優勝枠」があって、 予選無しで出場できることもあるが、オリンピックはそんなことない。(たぶん)

「防衛する」のいう表現がぴったりするのは、ボクシングのタイトルマッチ。こちらは、「前回優勝」というよりも「現チャンピオン」として君臨して いるところに、「挑戦者」が戦いを挑む。決定的にこの図式が出来あがっているのが将棋の「名人戦」。「挑戦者決定リーグ」(A級)の棋士たちが1年をかけ て戦って、1位になると「名人」に挑戦する。名人は、他の棋戦はともかく、こと名人戦に関しては1年間「何もせずに挑戦者が来るのを待っている」わけ。

これぞ「ディフェンディング・チャンピオン」だと思う。

もちろん日本の将棋が起源のわけはない。たしか、テニスの「デビスカップ」が、チャンピオンに「チャレンジラウンド」で挑戦する仕組みだと思う。

ディフェンディング・チャンピオン、ということばはそういうところから生まれたものであって、単なる「前回優勝」のことではなかったのだろうと思うがどうだろう。

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2008.08.11

『ジャージの二人』と北軽

ジャージの二人』という映画を観てきました。あれこれ映画を観たいと思っていながら、動かなかった腰を持ち上げた理由は一点「北軽井沢が舞台」だから。

最近はあまり行っていないけど、子どもの頃よく行っていたのです。

堺 雅人と鮎川誠(ロックの草分けの一人)が北軽井沢の山荘(映画の中では北軽井沢という名前は出てこなかったと思う)に滞在して・・・いう、家庭の事情はさておき、基本的に「何もしない」映画。

プロパンガスのボンベを開け、薪を割り、電気の元スイッチを入れ、水道をしばらく流しっぱなしにする、等々、シーズンで初めて行ったときにやる仕事が「いかにも」という感じで行われます。

カマドウマ(コオロギの大きいの)が室内をうろうろするところも(これも名物のメクラグモ登場したらしいが気付かなかった)(何年も置いてある)蚊取り線香が湿ってすぐ消えるとかも。

資料によるとロケ地は群馬県嬬恋村というから、北軽井沢ではないのだが、道の感じや家の造りが北軽井沢大学村の雰囲気。

堺が道に迷うシーンがあるのだけど、ぼくは8歳くらいの頃に買い物の帰りに本格的に道に迷って、崖から飛び下りたり(大した高さでなかったに違いない)、台風で壊れた草軽電鉄の鉄橋を渡ろうとしたりして、どうやって戻れたかわからないけど、かなりの大冒険をしたことがある。

実は携帯の時代になってから行ったことがないのだけど、電波の届く「穴場」がある、なんていうのもありそうな話。

後になって知ったことだけど、原作者の長島有という人は大学村に別荘があって、ぼくがかつて滞在したところにすぐ近くだそうです。だから、大学村風に作ってあったのか。

なんとも不思議な物語だったけど、映画としてもちゃんと楽しめました。

ああ、ガゼン行きたくなった、北軽に。インターネットをどうしよう、とか考えていたけどそんなものなしで、ノンビリする方がよさそう。長島さんの家にはありそうだけど。
今年は無理っぽいけど、来年こそは。

そうそう、水野美紀がメールの中で「レタス畑」と言っていたから、「キャベツじゃないの?」と思っていたら、レタスでいいんですって。嬬恋といえばキャベツだと思っていたし、見た目もキャベツだと思い込んでいたのだけど、ぼくの間違いでした。

・・・と思ったら、ある方のブログ によると、

原作のレタス畑に変わって映画では嬬恋村の広大なキャベツ畑が登場。

だって。いずれ真相を。

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2008.08.06

iPod Touch 2.0 + 私のDell = ブルー

iPhoneが発売されてiTunes 7.7になった翌日くらいから、iPod touchをDellのPC(Windows XP)に繋ぐとすぐにブルースクリーンになるようになった。Vistaでうまくいかないとか、あれこれトラブルはあるようなのだけど、ブルースクリーン(完全死亡)という事例はあまりない。アメリカのサイトに、ほぼ同じ症状の書き込みがあったけれども解決していない。

という状態で長らく放置していたのだが、最近になってやはりアメリカのサイトで「一時しのぎ的」ながら回避する方法が書かれていたのでやってみたら、うまくいった。

やり方はこう(参考になる人もいないだろうけど)

・セーフモードで立ち上げる
・コンパネ-システム-ハードウェア-デバイスマネージャーを開いておく
・touchを繋ぐ (これで死なないことは確認済)
・デバイスマネージャに「Digital Still Camera」が追加される
・Digital Still Cameraを無効にする

このあと通常モードで立ち上げると、無事接続同期ができました。

どうも、iPodとして認識される以外(以前?)にデジカメとして認識されることが問題のようです。(だからといって死ぬこたぁない)

これでiPhoneもたぶん大丈夫だろうけど、iPhoneは文字通り「Digital Still Camera」でもあるので、妙なことにならなければいいのだが。

久々に音楽と写真を同期しております。

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