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2010.08.05

本『煮干しの解剖教室』小林眞理子著

Niboshi

煮干しの解剖教室

小林眞理子著
仮説社刊
35p / 22×19cm
ISBN: 9784773502213
価格: ¥1,575(税込み)

仮説社ウェブ
ビーケーワンbk1
紀伊国屋書店BookWeb
(2010/8/5現在)Amazonには(法外な値段)新古書しかない

きわめてユニークかつ実用的な本である。
「煮干しを解剖する」ということ自体をご存じない方が殆どだと思うが、読んで字の如しである。あの、食べたりダシをとったりする「煮干し」を、カエルやフナと同じように、学習目的、科学的関心から「解剖する」そのやり方が書かれている。

著者は、いくつかの職歴を経て現在中学校の理科の先生をやっている女性。彼女が(私も)所属している仮説実験授教研究会では多くの人たち(主として教員)がさまざまな教材や授業プランを作っていて、「煮干しの解剖」も元はといえば著者が授業プランとして発表したものである。それが大変好評だったため、こうして一冊の本になった。

「解剖といっても煮干しか」などとバカにしてはいけない。驚くほど細かいところまで分けられるのだ。心臓や卵巣など言われなければわからないが、たしかにある。耳石(じせき)となると小さなゴマのような粒なので、どこかへいってしまうこともあるけど、注意深くやれば取り出せる。

各ページには美しいカラー写真(といっても煮干しだが)が満載され、詳しく親切に手順が図解されている。

子供(小学生でもできそう)がこの本を見ながらひとりでできるように作られているが、先生が指導してもよい。そしてもちろん、単なる一般人が「やってみたい」と思えばすぐできる。材料と道具は煮干しとツマヨウジ程度でよいのだから。(ただし、煮干しはカタクチイワシで、ある程度の大きさがあった方がよい)

すでに死んでいる題材、というか日頃見慣れているものを解剖するので抵抗感も少ないだろうし、何といっても解剖後(or 解剖中)に食べられるのが嬉しい。

著者の作ったウェブ「煮干しの解剖資料室」から授業で使える資料などをダウンロードできる。写真もいろいろあるので興味のある方は是非。

そうそう、この本は「絵本チック」な装丁になっている。ページ数が少ない(35ページ)ということもあるが、「開いたまま置ける」ことが重要。見ながら作業したいからね。

Simg_0568

デザインもところどころ凝っていて、表紙の裏(「表2」と呼ぶらしい)には煮干しのイラストが一杯だけど、中に一匹だけ・・・

Simg_0569

夏休みの研究にもどうぞ。

もくじ

ようこそ煮干しの解剖教室へ
用意するもの
煮干しをまるごと見てみよう
煮干しを2つに分ける
さらに頭を2つに分ける
 頭の中身
 脳・目・耳
 さいは・えら
 心臓
胴体を2つに分ける
 胴体
 消化管
食べる・食べられるカタクチイワシ
 肝臓
 卵巣・精巣
 背骨・せきずい・血管・筋肉
 見分けにくいもの
もしも見ることができたら
解剖で見えてくるもの

謝辞 ― あとがきにかえて
参考文献

August 5, 2010 at 04:19 PM in 日記・コラム・つぶやき |

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