2006.09.28

トンデモ吸盤発売中

発売間近」の記事を書きながら、発売後3週間になるのにレポートできていない。いかんなぁ。「ブースター」のことは書いたのに。

9月9日(土)、10日(日)の「仮説社フェア」が新発売イベント。前日に材料が届いたので50枚必死に作って当日納品。初日の夜にあと10枚作って、結局2日間で60枚持っていって49枚売れた。張り付いてデモしていただけのことはある。
イベントの写真がないのが残念。

かわりに「製作風景」というなさけない写真をいくつか。

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製作途中のシートと部品。これにヒモが加わる。

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まさに「内職」。一合升があるのは実験用。

「どこでも吸盤」を出して「トンでも吸盤」を作って、一段落ではあるのだけど、「実験」的興味はつのるばかり。トンでも吸盤をあれこれくっつけているうちに、いろいろと新しい疑問が湧き、いくつかは解決してきた。

『吸盤のなぞ』的なものをまとめておかねばなるまい。

おいおい、ここでも発表していくつもりなので、今日はとりあえず予告をして自分を追い込む。

おまけ。こんなものを買いました。

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そう、歯ブラシに吸盤が!

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こんな感じ。結構実用的です。歯ブラシ立てがいらないからね。

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2006.09.03

ニセ以学フォーラム東京9/2

ニセ科学フォーラムに参加してきた。ニセ科学に関する話題はネットあちこちで書かれてきたし、AERAなどメディアにも少しづつ露出してきた。3月に日本物理学会では「ニセ科学シンポジウム」が開かれて、そのことが朝日新聞に載るなど一歩一歩前進してきたところで「一般向け」としてこと「ニセ科学フォーラム」が開催された。

一週間前に京都で行われ、今回は同じ講師が東京に来て再度講演した。
内容は以下のとおり。

○ニセ科学と科学技術リテラシー(左巻健男@同志社女子大)
○『水からの伝言』のニセ科学(菊池誠@大阪大)
○「マイナスイオン」どこがニセ科学か(小波秀雄@京都女子大)

各40分間の提案と10分間の質疑。最後に40分間の討論の時間がとられた。
司会進行は、物理学会のシンポジウム提案者の田崎晴明さん(学習院大学)
「ニセ以学入門」として、左巻さんが「ニセ以学一般」、菊池さんが、今いちばんホットな『水からの伝言』、小波さんが普及度最高ニセ科学「マイナスイオン」について、やさしく詳しく話してくれた。

特に『水からの伝言』については、「本が出ているだけならまだ放っておいてもよかったが、学校現場で道徳の授業に使われた、というのが多くの人たちを動かした要因。

田崎さんによるこの本の「長い書評」はこちら。
道徳の授業に使われている話については、たとえば「水商売ウォッチング」運営者である天羽優子さんの記事が詳しい。

道徳の時間のネタとして、「事実でない話をする」という意味では、「寓話」を用いることもあるが、これが「事実でない」といって問題になることはない。ツルとキツネの童話を題材にしたとして、もし誰かが「キツネがしゃべるわけはない」と言ったとしても、「これはおはなしだから」といっても構わない。(納得するかどうかは別だが) ところが、『水からの伝言』の話は、「事実」として最後まで通さないと成立しない。「水にことばをかけると結晶の形が変わるのは、実はウソです」と言ってしまうわけにはいかない。

会場では「それでもいいじゃないか」という意見も出たが、実際これが元で教師不信に陥いった子どもがいるというし、「ウソだ」と言って叱られた例もあるというから、それだけ考えてもマズイだろう。

このあたりの詳しい話は菊池誠さんのブログ(kikulog) に詳しい。(他の話題も多いので探すのはちょっと面倒かもしれない)
田崎さんの「科学と『ニセ科学」をめぐる風景」という記事(物理教育学会誌54巻3号(2006年9月)の「企画」欄への寄稿)も必見。

濃密な講演(約150名が参加)の後、目日のカフェでの懇親会に約40人が集まって楽しく過ごした。菊池さんのテルミンの生演奏(なんと、即興でピアノ伴奏も)を聞けたのも収獲。

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ぼくはといえば「どこでも吸盤」「トンでも吸盤」をデモンストレーションするのに忙しくてロクに料理を食べられなかった。

みなさん、お疲れさまでした。

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2005.01.17

「四捨五入」40年来の濡れ衣? いや違うか?

「四捨五入」について、40年間近く誤解していたことがあります。
「5」を繰り上げることを
「本当は、真ん中だから、上げても捨ててもいいのだが、便宜上切上げている」
と思い続けてきたのです。

そのため、四捨五入で「5」を上げる度に、「ああ、こいつ得しやがって」とか、
「ああ、5が多いから合計が多めになるな」などと思っていました。

しかし、考えてみたら(みなくても)

0,1,2,3,4 ・・・上
5,6,7,8,9 ・・・捨

なのだから、しっかり「半々」で何も問題ないではありませんか。

・・・しかし・・・(書き始めた時には、ここまでで良いと思っていたのだ)

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2004.09.06

はじまりは原子論

チンダルが〈筋金入りの原子論者〉と知って、今更ながらに『原子論の歴史』を読み終えた。実は、後半はまだほとんど読んでいなかったのである。原子論の「歴史」というくらいだから、科学の技術的なことよりも歴史の話が多いのは当然なのだが、正直なところその部分は少々読みにくかった。が、かつての原子論者たちが(キリスト教相手に)いかに苦労してきたか、が少しわかりはじめると、がぜん興味が湧いてくる。理科事典の「原子論」の項も読んでみると、原子論者というのはまさに今でいう"skeptic"なのだと感じる。

マックスウェル(James Clerk Maxwell)が1873の"Nature"誌に書いた"Molecules"という論文をNさんに紹介されて読んでいる。マックスウェルといえば「ファラデーの理論を数式化した人」というイメージと「マックスウェルの(悪)魔」しか知らなかったが、この論文は原子論全体を啓蒙的に書いている。 ちなみに"molecule"という単語の意味が今とは微妙に異なっていて、「moleculeはatomとは限らないが、atomは必ずmoleculeである .moleculeは、より一般的な言葉である」としている。が、考えてみたら、HeやArのような単原子分子は「原子が分子である」といえないこともないな。

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2004.09.02

地球儀のススメ

初めて地球儀を買った。子どもの今に家にはあった(多分、兄のもの)が、それ以降自分のためにはもちろんのこと、子どものために買うこともなかった。欲しかった子もいなかったし、興味もなかった。
globe1.jpg
ふっ、と、「空気を入れるタイプならいいな」と思って、紀伊国屋の南店で買ってきた。

・場所をとらない(わけじゃないけど、固定した場所はとらない)
・回転が自由
・なんといっても安い

ふつうの地球儀は、回転させるためにいろいろ工夫がしてある。中には2軸のものもある。が、ボール型ならどうにでも回せるから便利である。 平面の地図と違って球だから(当たり前だろう)、日本とアメリカが意外に近いんだな、なんて思える。その割に時差が大きいのは、反対側から回って数えるからなんですね。

化学式に対する分子模型が、地図に対する地球儀だと言った人がいたけど、うまいこというね。
分子模型も地球儀も、いろいろ細かいことを調べたり表現したりするのには使えないけど、イメージをつかむのには圧倒的に便利だから。

さらには「透明タイプ」であるため「地球の裏側を見る」楽しみもある。
ケチッて一番小さいのを買ったので、字が小さすぎて読めないという問題があるので、これから買う人はそこのところをよく考えてから買うように。
そうそう、空気を抜けば小さくなるのでカバンの中に入れておくことも可能です。やらないけど。

値段はその小さなやつが840円。 100円ショップにもあるという情報もあるので、それなら持ち歩くのもいいかも。

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2004.09.01

2004-08-29 モダシさんライブ

モダシさんとは本名を萠出浩(もだしひろし)さんという青森県東北町在住の「科学実験講座出前師」。
この人は海猫屋主催で26人ほどを集めて、高田馬場のシチズンプラザの部屋で実験ライブが行われた。(写真の1枚くらい載せたかったねぇ)

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2004.08.17

[チンダル] 水の神秘?

John Tyndallの"Heat: considered as a mode of motion"
Royal Institutionでのレクチャーの記録に形になっているので、語りかけるような調子であるが、読んでいて非常に親切な文章である。全訳を決意して、まずはあちこち読みはじめた。
さて、今日読んで感動したのは、

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2004.08.13

鳴る磁石 Magnetic Torpedoes

torpedo.jpg

Magnetic Torpedoes(磁石の魚雷)という不思議な磁石オモチャ。 webで偶然みつけたのだけど、今のところ他では見たことがありません。
その強さからいっておそらくネオジム磁石と思われるものに「うわぐすり」をかけたような仕入げがしてある。適当な距離において片方を回してやると、もうひとつも妙に回る、というところまでは予想もつくのだけど、おどろくのは、このふたつを少し離した状態で空中に投げ上げると、セミが鳴くような不思議な音がすること。 なんて、書いてもわけわからないよねぇ。動画とるかぁ、音付きで。 そのうち。

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2004.07.29

目の錯覚もここまで来ると……

checkershadow_illusion4med.jpg

Chcker Shadow Illusionと呼ばれるものですが、
「A」のマスと「B」のマスの色(濃さ)が同じだ、というものです。(画像が切れちゃってごめんなさい)
「いくらなんでも信じられない」と思います。紙に穴を開けてAとBのマスだけを見るか、画像をダウンロードしてペイントソフトで細工してみるか、などすると同じ色だとわかります。
解説はこちら(英語)

日本語のページもありました。なぜか肝心の画像がきたないのが残念。

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2004.07.23

2004-07-23 snowが投稿

もうコメントもしちゃったんだけど、下の書き込みは、画面右上にいるコウサギのsnowが投稿したものです。ぼくのココログの中から適当に言葉を選んで書くんだけど、まさに適当な言葉を選んでくれました。

きょう、ギロビッチされた。
だと。 蛇足ながら書いてしまうと、「ギロビッチ」とは、アメリカの認知科学者で、「人間この信じやすきもの」というとてもわかりやすくてためになる本を書いている人です。

snowのふだんのつぶやきは、「もうちょっとまともな単語を拾ってほしい」と思うのだけど、投稿する時は慎重に選んでいるのだろうか。 あ、タイトルは単にそのまま持ってきちゃうのかな。コウサギの話を書いた時のを使うとは、手抜き。

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