2011.01.11

『フェイスブック 若き天才の野望』 まもなく発売

Facebook

フェイスブック 若き天才の野望
(5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

デビッド・カークパトリック (著)
解説:小林弘人
翻訳:滑川海彦、高橋信夫
出版社: 日経BP社 (2011/1/13)
単行本(ソフトカバー): 544ページ
ISBN-10: 4822248372
ISBN-13: 978-4822248376
発売日: 2011/1/13
Amazonへ

TechCrunch Japan翻訳チームで(バーチャルに)机を並べる滑川海彦さんと二人で訳しました。

フェイスブック(facebook)はメンバー数5億人という世界最大のソーシャル・ネットワーク。現在26歳で億万長者になっているマーク・ザッカーバーグが、ハーバード大学2年生の時に始めた学内ネットワークが、ほほすべての国(日本は数少ない例外)で「最大のソーシャルネットワーク」になっている。

この本は、フォーチュン誌元編集者の著者が、ザッカーバーグ本人を含む多数フェイスブック社員、元社員にインタビューして書かれている。

日本では馴じみの薄いfacebookだが、この本はfacebookを知らなくても十分に楽しめる(さすがに、mixiなどソーシャルネットワークのことは知らないとつらいかもしれない)。

発売日とほぼ時を同じくして封切られる映画「ソーシャル・ネットワーク」も、ザッカバーグをモデルにしてフェイスブックの創成期を描いている。あちらは「事実を元にしたフィクション」で、ザッカーバーグ他多くの出演者(実名で登場する)の「負の面」が強調されているところもあるが、この本は「ドキュメンタリー」である。ただし、著者がザッカーバーグを大いに気に入っていることは確か。

分厚い本だが、読みだしたらやめられないと思う。グーグル、ヤフー、マイクロソフトなど知っている名前がいくらでも出てくるのも楽しい。

日経BP社の編集担当は「クールビューティー」(by namekawa)こと中川ヒロミさんで、昨年は「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を大ヒットさせた人。

解説のコバヘンこと小林弘人さんは、『FREE』(NHK出版)を大ヒットさせた仕街け人。

滑川さんの「訳者あとがき」も一読の価値大いにあり。

facebookのこの本のファンページはこちら

以下、出版社による紹介文より。
■26歳の天才、マーク・ザッカーバーグの実像
フェイスブックの若き天才CEO(最高経営責任者)、マーク・ザッカーバーグ。彼が掲げる
「フェイスブックで世界をもっとオープンな場所にする!」という揺るぎないビジョ
ンと魅力に、ハーバード大の仲間やシリコンバレーの起業家、ベンチャーキャピタル、
大企業の経営者たちが次々と吸い寄せられる。プログラマーはザッカーバーグととも
に徹夜でサービスをつくり、ナップスター創業者のション・パーカーは入社し、マイ
クロソフトのスティーブ・バルマーCEOやヤフーはどうにかして買収しようと、躍起に
なる。提示される買収金額は8億ドル、10億ドル、20億ドル、150億ドル…と飛躍的
に増えたが、それでもザッカーバーグはフェイスブックを売らなかった。本書では、
26歳の天才CEOの成功と苦悩、そして野望を生き生きと描き出す。

January 11, 2011 at 04:06 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2010.05.24

Make: Tokyo Meeting 05と『Mad Science』

Make: Tokyo Meeting 05に行ってきました。

今年の会場は東工大。交通の便もよいせいか、いつになく大勢のお客さんが来てくれました。

今年は出来たての翻訳本『Mad Science』の先行販売が行われるというので、いくつか実験をデモして宣伝しようということになりました。

結論からいうと、準備不足でお粗末さまでした。
いやー、ひと月前くらいから構想は練っていたのだけど材料を入手したのが数日前で、家で予備実験やったらことごとく失敗。初日は手ぶらでオライリーバックナンバーブースの店番を少しやっただけ。それでも、本を買ってくれた人に署名させていただいたりしました。

夜遅く帰ってから再度やってみたけどうまくいかなかったのだけど、とにかく道具だけでも持っていこうと、日曜日は大きなバッグ一杯いろいろ詰めていきました。結局デモらしいデモは、水素でしゃぼん玉を作って火をつけるというものだけでした。(一応、本に出てくる「シャボン玉爆弾」の項に対応)。

本当は一番やりたかった「凍てすく熱さ」のデモはできず、「リサイクルカイロ」を見せただけ(せっかく酢酸ナトリウム買ったのに)。

それでも、それでも、多くの人に暖かく見守っていただき、スタッフの方々にも励ましていただき、楽しく充実した日を過ごすことができました。

会場には『Mad Science』が山積みされていて、たくさん売れていたようで嬉しかったです。

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もう一冊の『Prototyping Lab』と合わせ山積みにされている 『Mad Science』

そうそう、小飼弾さんがこの本の書評をブログに書いてくださいました。

404 Blog Not Found
自家松戸菜園 - 書評 - Mad Science 炎と煙と轟音の科学実験54

すばらしい書評に感謝。しかも、本書(というか原書)がオヤジギャグ満載であるということについて、

これ翻訳者にとっては地獄なのだが、本書はMakeシリーズの一環として邦訳されただけあってか、採算度外視クォリティに仕上がっている。

という有難いおことば。もっとも、これだけでは「採算度外視」が「翻訳」にかかっているのかどうかはっきりしないのですが、会場でガラスを溶かす実験(失敗しました)をしていると「火力が足りなんんじゃない」と声をかけてくれたのが、なんと小飼さんご本人。そこで「翻訳、がんばりましたね」と言っていただき、これは相当嬉しかったです。

そして、もう一つ嬉しかったのがこれ。閉場時間すぎた頃に帰り際に立ち寄った小学4年生くらいの男の子が『Mad Science』をチラっと見ただけで「何これ」と言って立ち止まり、パラパラとめくって「わ、おもしろい」と言うのです。「いくら?」と言いながら裏の値段を見ていたので「会場では少し安く売ってますよ」とご両親に言いました。しばらくして、その子とお母さんがやってきて「名前書いてください」と寄ってくるではありませんか。嬉しそうに広げてくれた本に「Happy Mad Science」と書いて署名したところ、母子ともに大喜びしてくれました。こちらこそ、こんなに嬉しいことはありません。なんだか、一気に疲れが吹き飛んだ瞬間でした。

楽しく、嬉しかったとはいえ、もう少し準備ができていればもっとみなさんに楽しんでいただけたのだろうと反省。Make: Tokyoではもう機会はないだろうけど、今後なにごとにも、Be Prepared!

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会場で見かけた「Friskケース入MP3プレーヤー」(左)と、「フロッピードライブを画素にした表示」

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大岡山駅上のビル壁一面に生えている途中の(たぶん)つた。

May 24, 2010 at 02:47 PM in 日記・コラム・つぶやき, 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.12.15

新刊紹介『デザイニング・ウェブインターフェース』

デザイニング・ウェブインターフェースリッチなウェブアプリケーションを実現する原則とパターン』  

  [cover photo]  * Bill Scott、Theresa Neil 著、浅野 紀予 監訳、高橋 信夫 訳
    (2009年12月26日 発売予定)
    * 332ページ
    * 定価3,990円
    * ISBN978-4-87311-434-7
    * 原書: Designing Web Interfaces, First Edition


最新の訳書です。監訳の浅野さんが、用語に表現にと、全面的にカバーしてくださったおかげで、すばらしい本になったと思います。もちろん原書がすばらしい。

出版社サイトの解説です。

本書『デザイニング・ウェブインターフェース』はウェブのインタラクションをよりリッチにするためのパターン、ベストプラクティスをまとめた書籍です。ド ラッグアンドドロップ、オーバーレイ、展開/折りたたみ、アニメーション、ライブプレビューなど、75以上の重要なパターンが「直接的なインターフェース を作ろう」から「すばやく反応しよう」まで、6つの原則のもとに整理され、操作の概要、利用すべき状況、そしてアンチパターンまで、丁寧に解説されていま す。すべての解説例が、Yahoo!、Google(Gmail、Google Maps)、Flickrなど実際のサイトを例にしていることも大きな特徴です。エンジニア、デザイナー、マーケティング担当者などウェブに関わるすべて の人が共通の基盤を築くために欠かせない一冊となることでしょう。本文オールカラー。

もくじはこちら

実例が多く、画面イメージもたくさんあるので、とてもわかりやすいと思います。分類は理屈っぽいのですが、間違いなく「実用的」な本です。

December 15, 2009 at 08:34 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.05.07

山岡洋一『英単語のあぶない常識』 《IN FACTは「実際に」か》

英単語のあぶない常識
―翻訳名人は訳語をこう決める
(ちくま新書) (新書)
山岡 洋一 (著)

3年前に買って読んだ本なのだけれども、著者の山岡さんがウェブで発行している『翻訳通信』のサイトを見ていて、思い出して手に取った。すると、当時読んだとき、内容が全く頭に入っていなかったことがわかった。

見出しを見ているだけで「ドキッ」とする。

AS WELL ASは「~と同様に」か
BYは「~までに」か
CLAIMは「クレーム」か
「コンテンツ」はCONTENTSか
DEBTは「借金」か
DEFINEは「定義する」か
DO NOT HELPは「助けない」か
EVENTは「イベント」か
EXPECTは「期待する」か
EXPERIENCEは「経験」か
「グローバル・スタンダードはGLOBAL STANDARDか
HEは「彼か」
HEADは「頭」か
HISTORICALは「歴史的」か
IMPROVEは「改善する」か
INCLUDEは「含む」か
INDEEDは「実際」か
IN FACTは「実際に」か
「IT」はITか
NAIVEは「ナイーブ」か
OFTENは「しばしば」か
PERIODICALLYは「定期的に」か
RATHER THANは「~よりむしろ」か
REALLYは「本当に」か
REGULARLYは「定期的に」か
SEVERALは「数個」か
SHAREは「分かち合う」か
SIMPLYは「単純に」か
STEADILYは「着実に」か
THE LAST YEARは「前年」か
THE NEXT YEARは「翌年」か
TRADITIONALは「伝統的に」か
YOUは「あなた」か

抜粋しようかと思ったのだが、「座右の銘」にするために書き写すことにしたので、全部載せてみた。

中には「そのくらいは知ってます」というのも、ないわけではないが、知っているかと思っていても「そこまでは知らなかった」というが多い。

traditional mediaを「伝統的メディア」と訳すのは抵抗を感じるものの、ついついやってしまう。この本によると、66の用例を分類した結果、こうなったそうだ。

違和感のない訳語 用例数 比率
「伝統的」 7 10%
「従来の」 25 37%
その他 34 53%

「伝統的」でも「従来の」でもなく、「以前の」「一般的」「通常の」「常識的」「標準的」に近い意味をもったものがかなり多い

とのこと。

言われてみればその通りなんだけど、ついつい「traditional=伝統」に引っぱられてしまうのだ。

May 7, 2009 at 10:04 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2009.04.13

本『マンガ物理に強くなる』が面白い!

ブルーバックスの『マンガ物理に強くなる』が面白い!
関口 知彦 (原作) (著), 鈴木 みそ (イラスト)

高校野球部の生徒が同じ学年でイギリス帰りの才女?に力学を
習っていく、というストーリーの「マンガ」なのですが、
面白くてためになりました。

ガリレオが斜面を使って落下の実験をした、なんていう話が
詳しく書かれていたので「へぇー」と思って読んでいったら、
参考文献の最初に板倉聖宣著『ぼくらはガリレオ』が載っていました。あの本はいい。

「試験対策には公式を丸暗記する方がいいじゃない」と主張する
別の女子生徒に対して

「一生覚えていたくないの?」

という場面が感動的です。

マンガといえ、あっという間に集中して読んでしまいました。
運動方程式だけに数十分でも集中できる、というのがマンガの
威力。「いかに集中できる時間を長くするか」という意味で
(絵を描く方法の)キミ子方式を思いだしました。

おすすめです。
(物理が苦手や嫌いな人にとって面白いかどうかはわかりませんが)

詳しい書評はこちら
眼鏡っ娘で物理に強くなる(NATROMさん)
『マンガ 物理に強くなる』(自由落下)(271828さん)

April 13, 2009 at 09:25 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2008.12.02

『Subject to Change』増刷決定、レビューご紹介

10月に出た訳書(『Subject to Change』)の増刷が決まりました。とにかくめでたいこと、というか新米訳者としては信じられない嬉しさです。原著者ではないものの、文字どおり「自分のことのように嬉しい」。

知りあい以外で誰かが買ったのを見たことがあるわけではないので、実態は全くつかめないのですが、紀伊国屋新宿南店には、小さなパネルも置いてあってそれなりに目立つようにはしてもらっています。

Amazonのレビューがずっと付かなかったのが気になっていたのですが、今は1件ついています。発売直後からウェブを検索しても書評記事が友人のもの以外みつからなかったのですが、きのうみたら5~6件ありました。(下にリンクがあります)ありがたいことです。「訳者です」とコメントを付けたら、メールをくださった方もいます。

増刷の機会に誤りの修正ができるのですが、自分では見つけられなかったところ、レビューを書いてくれた方(TechCrunch同僚のsatomiさん)が教えてくれました。

Amazonレビュー 「真っ赤になるぐらい赤ペンで書き込みをして、使いこなしてみたい1冊

滑川さん Social Web Rambling 高橋信夫訳 Subject to Change(オライリー・ジャパン)、出だし好調

satomiさん Long Tail Wolrd「nobさんの訳本到着!: Subject to Change

タロタローグ ブログ| SUBJECT TO CHANGEの見た目と名前に騙されるな!

Turtle日記 Annex「Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る

User Design blog『Subject To Change ~予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る~

Information Design?! MBAの教科書みたいな「Subject To Change」

December 2, 2008 at 09:10 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2008.11.28

『日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で』(筑摩書房)

『日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で』 水村美苗

話題の書を出遅れて読むのはついついためらってしまうのだけど、今回は勇気を出して読んでみました(実は大して出遅れていなかった)。

非常によかった。

友人のブログに、「日本語を書く人、そして日本語を教育する人すべてに読んで欲しい内容だと思いました。」と書いてあるのをみて、内容の紹介はあえて読まずに買いました。Amazonから「出荷が遅れる」旨のメールが来たくらいだから、人気があるのでしょう(結局すぐ来たのですが)。

内容は、よく理解できたし人にも伝えたい気持ちでいっぱいなのですが、要約するのはぼくには荷が重いので、上記のブログや、梅田望夫さんの日記、などを見てください。

インターネットによって「英語」が世界の「普遍語」として決定的なものになった、ことを受けて、日本人が世界に互していくためには、「英語で議論できる人」が必要だというのですが、そこで、

「中途半端な国民総バイリンガル化を求めるより、少数精鋭の二重言語者を育て、翻訳出版の伝統を維持する。作文を書かせるより、古典をたっぷり読ませる 教育を積む。」

という「エリート育成」を推奨しているところがいいですね。

正直なところ、「誰が読んでも面白い」かどうかはわかりませんが、ぼくは英語を日本語にする仕事をしていて、この仕事をするようになってから、以前にもまして「日本語を勉強するようになった」ので、特に面白かったのでしょう。

ネットを見ると、やや暴走気味かと思うような紹介記事があるけど、そう書きたくなる気持ちはよくわかります。

 

November 28, 2008 at 04:52 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2008.11.17

『The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives』

買ってばかりで全然読書がすすまない。
が、この本は読み終わらねばならない。

『The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives』
Leonard Mlodinow著

ぼくの大好きな「世の中ランダム論」。
Skeptic MagazineのMichael Shermerのおすすめ。

amazonのフレームの横に文字を書くのって、テーブル使わなきゃいけないの?不格好ですみません。

sioさんに教わったとおりにしたらできました。ありがとうございました。

(でも、不格好は解消されていない)

November 17, 2008 at 11:00 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (1)

2008.10.28

『Subject to Change』発売

先日ご案内したぼくの初の訳書『Subject to Change』が、店頭に並びはじめました。Amazonでも「在庫あり」になっています。

『Subject to Change』
 予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る
* Peter Merholz, Brandon Schauer, David Verba, Todd Wilkens 著
* 高橋 信夫 訳
* 2008年10月25日 発売
* 180ページ
* 定価1,890円
* ISBN978-4-87311-385-2
発行:オライリー・ジャパン

「オライリー棚」のある書店であれば、まず間違いなくそこにあります。
そうでない場合は、「ソフトウェアエンジニアリング」とか「技術経営」とかいろいろ。

 

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左側が原書、右側が訳書です。表紙をみても「Subject to Change」というのがタイトルなのかどうかわかりにくいかもしれません。

新宿のジュンク堂では破格の扱いで、オライリー棚、ソフトウェアエンジニアリング棚の両方に、面出し(表紙が見えるように立ててある)4列づつ置かれていました。

ぼくが見ている間に誰か買わないかな、と思って見ていましたが残念ながら売れませんでした。

しかし、ジュンク堂に行くと、あらためて「こんなに本ってあるんだ」とため息がでます。この中で売っていくのは容易なことではない。

早速書評を書いていただきました。

■「あなたも私も最高の“体験”をデザインできる」(日経BP ITPro Infractructure 2.0)

 経営とITサイト編集長の谷島宣之さんの署名記事で、3ページにわたって書いていただいています。

October 28, 2008 at 06:15 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2008.10.16

近刊『Subject to Change』

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ぼくが初めてひとりで訳した本が出ます。(10/25発売予定)
題名は「Subject to Change」。原題のままです。
--------------
『Subject to Change』
 予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る
    * Peter Merholz, Brandon Schauer, David Verba, Todd Wilkens 著
    * 高橋 信夫 訳
    * 2008年10月25日 発売予定
    * 180ページ
    * 定価1,890円
    * ISBN978-4-87311-385-2
オライリー・ジャパン

【出版社による解説】
本書『Subject to Change』は、情報アーキテクチャ、ユーザー体験で高い評価を得ているAdaptive Path社の主要メンバーが、変化の激しい市場環境で優れた製品・サービスを生み出す方法を書き下ろした書籍です。デザインの重要性を高める、顧客への真 摯な共感を育む、単体の製品ではなくシステムとしてデザインする、アジャイルなアプローチを取り入れるなど、より優れた体験をユーザに提供するためのシン プルで強力な考え方を提供します。
紹介ページ
--------------
まだアマゾンには載っていません。

書名はいろいろアイディアがあったのですが、結局「原題のまま」となりました。題名が英語というのも大胆だなと思ったのですが、オライリーなのでPerlだのActionScriptだの本屋の人が読むのも大変そうな本がいろいろあるのですね。

先の読めない時代に、いかにすばらしい製品やサービスを作るか、ということを書いた技術書+ビジネス書という感じの本です。

よろしくお願いいたします。

October 16, 2008 at 04:31 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2008.08.24

『セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる』

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『セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる』

ワグナー・ジェームズ・アウ著
井口耕二 訳
滑川海彦 解説 

価格      :      2,310円(税込み)
ISBN     :     978-4-8222-4697-6
発行元     :     日経BP社
発行日     :     2008/08/25

最近は日本でセカンドライフの話題があまり出ない気がしますが、海の向こうでは順調のようです。

セカンドライフについて書かれた本はたくさんありますが、これは同サービスの「公式ジャーナリスト」をつとめた人が「中から」書いたもので、解説にあるように「セカンドライフのメーキング・ストーリーとして文字通り決定版といえる。」ものでしょう。

私はセカンドライフには入っていませんし、正直なところあまり関心もなかったのですが、縁あってこの本を読んだところ、大変わかりやすく、セカンドライフをかなり理解できた気になりました。

SNSやコミュニティに「3Dグラフィック」がついたものなのですが、その中で恋愛やケンカや企業のビジネスなどが行われるということ。グラ フィックの部分にばかり注目すると「そんなことあるのか」と思ってしまいますが、「バーチャルなおつきあい」という意味なら、パソコン通信も今のmixi も似たようなものだと気付きました。セカンドライフでも、ことばのやりとりはチャット(テキスト)が主体です(音声もサポートされたけど評判がよろしくな い)

原文と翻訳があいまって、とても読みやすい文章だと思いました。解説文も「何度も書き直した」という力作で、ここから読むのもおすすめです。

以下に、目次を転載しておきます(日経BPのウェブより)

はじめに

イントロダクション 旧世界から新世界へ
あるメタバースの歴史

第1章 心を動かす認識
バーチャルリアリティから現実の会社へ

第2章 3次元のネットを想像する
データストリームを川や空へと転ずる

第3章 創造のエンジン
ユーザー参加型コンテンツという錬金術

第4章 集団の無知
オンライン世界における社会工学の実地教育

第5章 自家製人間
デジタル時代のアイデンティティとロールプレイング

第6章 セックス
デジタル化された安全な恋愛と欲望

第7章 壁を作り、領土を守る
戦争の影で争われる境界と衝突する文化

第8章 バーニング・ダウン・ザ・ハウス
ビジネスモデルとしての民主主義

第9章 起業家としてのアバター
コンテンツクリエイターから収益ジェネレーターへ

第10章 ユートピアへの投資
法人・組織向けメタバース探査ガイド

第11章 法がコード
3次元ネットの未来における罪と罰

第12章 世界をよくする
オンライン世界における研究、教育、実践活動

第13章 融合
これから10年——インターネットからオンライン世界へのロードマップ

あとがき
セカンドライフに関する用語集
付録1—セカンドライフを楽しむための3つのアドバイス
付録2—セカンドライフへの参入を考える現実世界の事業者に対する3つのアドバイス
謝辞
解説 滑川海彦
訳者あとがき

August 24, 2008 at 10:51 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2008.06.06

日垣隆 『ラクをしないと成果は出ない』

日垣さんの「追っかけ」的ファンなので、どの著書も読むのですが、これは特にすごい本だと思います。「ビジネス書の棚に置いてくれ」と本人が書いていますが、たしかに売れそう。あちこちで品切れという話です。

見開き2ページずつ、100テーマのヒントが書かれています。小飼弾さんの書評によると「この目次だけで十分自己啓発できてしまう人もいるかも知れない」ということだけど、たしかにわかりやすい。

というわけで、手抜きですが目次を貼り付けてしまいます。(日垣隆公式ホームページより)

特に気に入った部分は色を変えてみました。「ぼくもやってます」「できそう」「無理だけど、できればいいな」などなど、基準はいろいろ。

目 次

はじめに

 第1章 基本編
 1 ラクをして成果を上げるのが基本中の基本 
 2 ゴールを必ずイメージしてから仕事に取りかかる
 3 自分にできないことをしている人を、素朴に尊敬する
 4 お金で自分の時間は買えない。他人の時間なら買える
 5 「ぜひ続編を」に即対応できるよう、素材は使い切らない
 6   外部の人に自分の仕事のおもしろさが伝わらなければ、それはつまらない証拠
 7   よくわからなかったら現場に行って考える
 8   気になったら、まず買う
 9   自分に対する相手の優先順位を上げてもらうことが仕事の基本
10 全体像と個別の処方箋を混同しない

 第2章 インプット編
 11 「つまらない」と思ったら、できるだけ早く撤退する
 12 情報収集にのめりこまない。情報とは「出合う」ものだからである
 13 立ち読みは書店でなく家の中でする
 14 若いうちはテーマなしで一日一冊、四〇代は一日で五冊
 15 興味がわいたことは講演やセミナーに出て、全体像と情報源を一気に押さえる
 16 書棚一本の本がたまったら、新しい分野を開拓できる
 17 ブログを世界中の井戸端会議における、「立ち聞き」として活用する
 18 ウソには必ず理由や背景がある。それを探るとインプットが効率的になる
 19 発行部数数千部のメルマガや専門誌や白書類にたくさん目を通す
 20 図書館に行けば行くほど「無駄遣い」になる

 第3章 ネットワーク編
 21 いざという集まりには万難を排して参加する
 22 アイデアは他人の頭で揉んでもらう
 23 メールの未処理は「なし」の状態にして帰宅する
 24 会いたい人にはできるだけ向こうから望んで会ってもらうように仕向ける
 25 お願いした場合は「いつでも」と言う
 26 予測がつかなかったら、親しい友人と賭けをする
 27 人から薦められたものは、無理をしてでも即日取り入れる
 28 期待値を下げる
 29 自分の実力をマッピングしておく。身の丈を知ったうえで見栄を張る
 30 先輩の一言アドバイスには、とにかくまず従ってみる

 第4章 撃退編
 31 締切日に納品しても、返信がないような会社とは仕事をしない
 32 依頼には即決で答える
 33 愉しめない喧嘩は避ける
 34 自爆しない
 35 NGな人には説明しない。NGな人とはモメない
 36 クレームは、成長に不可欠なもの(一割)と、無駄(九割)に分かれる
 37 できるだけ葬式には行かない努力を
 38 三日かかることは一日でやる
 39 苦手なこと」は人の手を借りて解決する
 40 NG上司に煩わされない

 第5章 独立編
 41 本当に「良いもの」は自分で売ってみる
 42 出された問題はすべてその場で解決の方向と、「いつまでに」を明確にする
 43 今の仕事を30年後にもやっているかを自問。もしNOなら続かない
 44 自分の仕事が黒字になっていなかったら、絶対に会社を辞めない
 45 商売道具への投資はケチらない
 46 最初から必ず黒字にする
 47 「この社と切れたら自分がアウト」という取引先は作らない
 48 「やりたいこと」を周囲に話しておく
 49 「好き」を安さの言い訳にしない
 50 独自の販売回路をもち、その売り上げは五年で二倍が最低ライン

 第6章 継続編
 51 好きな仕事を増やすために、好きではない仕事を毎年二割ずつ削除する
 52 「なるほど」と思ったことは、二四時間以内に「やる」メドをつける
 53 過去を振り返らない
 54 「何をしないか」を明確にしてゆく
 55 常に確率を意識する
 56 一発屋でなく、人気(売り上げ)×継続の面積を広げていく
 57 貯金しなくても良いようなキャッシュフローを、常態化する
 58 問題を見つけたら、必ず即日解決の糸口を見つけておく
 59 継続させる小さな工夫を
 60 自由に生きるために健康を維持する

 第7章 組織編
 60 今いるメンバーを前提にする。「上手くいかない」のを彼らのせいにしない
 62 会議や集会は、参加者全員が「待ち遠しい」仕掛けをつくる
 63 自分の「忘れグセ」を前提に、「忘れても、できる」仕組みをつくる
 64 共有する言葉の定義を明確にしないと、誤解が量産される
 65 コーチはするものではなく、優秀なコーチに短期間「つく」のが近道
 66 どれくらい時間がかかるかは先に訊く。ギャラも先に決めておく
 67 インセンティブを高める工夫だけで、成果が上がる場合は予想外に多い
 68 毎日仕事が終わったら、机の上と周辺を完全にリセットする
 69 「約束の優先順位」を見直すクセをもつ
 70 休暇中も仕事をしたほうが、のんびりできる

 第8章 時間編
 71 会議は一企画につき二度だけで終える
 72 決裁は火曜日の午前一〇時半から、と決めておく
 73 探し物は一ヵ月で合計一時間以内に
 74 人を待たせない。待たされても怒らない
 75 「遅刻してしまった!」を先にイメージする
 76 よほどゆとりがない限り、正義に多大なエネルギーを注がない
 77 レファ本の常備は時間を節約する
 78 出欠を迷うイベントには行かない
 79 一万円札と名刺は三ヵ所に入れておく
 80 もう腕時計をしない

 第9章 アウトプット編
 81 ノウハウはどんどん公開する
 82 「好き」をお金にしてゆく
 83 「本格的に勉強したい」分野の仕事を引き受ける
 84 アウトプットしないものはインプットしない
 85 数値目標とその根拠を明白にもつ
 86 同じネタで何度も稼がないように自戒する
 87 「新鮮でおもしろいこと」は三〇秒で説明する
 88 毎晩アルコールが欠かせない人は伸びない
 89 相手を飽きさせず一時間話せたらお金になる
 90 「必要でないこと」は極力やらない

 第10章 生活技術編
 91 死以外の悲劇は、一〇年後に必ず人生の肥やしになる
 92 子どもができたら、「仕事で二〇年後にブレイクする」準備を始める
 93 昨日と違う今日、今月と違う来月、来年と違う再来年にする
 94 加齢とともに遊び時間を増やしてゆく
 95 最悪の事態を想定し、その兆候が出たら動く
 96 よほど親しい人以外にはプレゼントをしない
 97 ドタキャンは月に一度だけ、と決めておく
 98 旅行用の持ち物リストをつくっておく
 99 子ども部屋より書斎を優先するのが、家族のためになる
100 大切な人は命がけで守る

詳しくは、以下の書評など見てください。

★ビジネスブックマラソン:
 http://tinyurl.com/65efyr
★404 Blog Not Found:
 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51056338.html
★マインドマップ的読書感想文:
 http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51425819.html

June 6, 2008 at 09:52 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (4)

2007.08.03

吸盤は「引っぱる」からくっつく

『吸盤のすべて』みたいのものを書きたいと思いながら1年がすぎてしまったので、思いつくままメモ書きしておくことにした。

Vfmi0192

ふつうの吸盤は「押しつける」ことによってくっつく。吸盤と壁の間にある空気をできるだけ追い出して「真空度」を高めようというわけ。

一方、吸盤には壁から「離れよう離れよう」という力が働き続けている。あまりよくくっついていないと、やがてこの離れようとする力に負けて吸盤は外れてしまう。

だったら、なぜそんな「離れようとする力」をかけさせているのだろうか。ゴムなどの材質の弾性のためにいやでもそうなってしまうからだろうか。2006年7月16日にこんなことを書いたメモがある。

| 1.市販の吸盤の仕組み
| いつも「外れよう」とする力が働いている。
| はじめに空気を抜くためにつぶすのはわかるが、そのあと常に「外れよう」とするのは無
| 駄なのではないか

そして、次のようにも

| 2.引っぱらないとくっつかないのか
|  平面のままであっても、面との間に空気がなければそれでよいはず。
|  「真上」に引き上げようとすれば、外せないのではないか

「真空室」と呼ばれる部分ができることによって、くっつく力が発生するという説明を聞いて、「そんなものなくても、単に面と面が密着して、そこに空気がなければいいのではないか」 と、当時は考えていた。

ところが、「トンでも吸盤」を使うとわかるのだが、「引っぱっていない状態」では、吸盤は「くっついていない」のであった。「くっついている」か「いない」かを厳密に判定するのは難しいが、テーブルに置いたトンでも吸盤を横にすべらせると簡単に動く。しかし、上に引っぱっていると動かない。「ひょっとして『引っぱるから』くっつくのか」と、ある時ようやく気がついた。ふつうの吸盤は手では引っぱらないが、ゴムの弾性によって引っぱられている。

では「引っぱられる」と何が起きるのかといえば、空間が広がって負圧状態が作られる。ここが間違いやすいところなのだが 吸盤の中がすでに真空になっているのなら、空間を広げる必要もないのだが、実際には大気圧と同じ圧力を持った空気が残っていて、この段階では「くっつく力」は発生していないと考えられる。弾性によって空間が広がると気圧が下がり大気が押す力が勝って、吸盤はくっつく。押しつけられることによって、材料と壁面との間の密着度が高まって空気が漏れ入らなくなるところもポイント。ふつうの吸盤では定かでないが、トンでも吸盤は、引っぱる前はスカスカで空気は自由に行き来しているようなので、引っぱることによって、シートが押しつけられて、漏れなくなる効果は大きいだろうと考えられる。

結局は、一般に言われるのと同じく「大気圧によってくっついている」ということになるのだが、「引っぱることによってくっつく」、というのはなかなか興味深い。

そういうわけで「引っぱる」必要がある一方、引っぱりすぎると外れてしまうというジレンマがある。そこを解決しているのが「リフター」などと呼ばれる、強力吸盤。それについては、またいずれ。(2007-08-03)

【関連記事】 
トンでも吸盤が飛ぶ
 「トンでも吸盤」デビュー間近」

August 3, 2007 at 12:39 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2007.05.08

『 図解 物理のウンチクがたちまち身に付く本』

Untiku『 図解 物理のウンチクがたちまち身に付く本』

こんな本が出ました。
1,050円 (本体 1,000円)

横浜物理サークル(YPC)の鈴木健夫さんが中心になって、サークルのメンバー10人ほどで分担して執筆。ぼくもいくつか担当しました。編集にも参加して、結構大変でしたがいろいろ勉強になりました。

出版元の秀和システムの紹介ページはこちら

こんな↓↓内容です。

本書は乗り物、住宅、風景など身近にあるものを題材に物理学の基本と楽しさを親しみやすいイラストや図解とともに解説した物理学のウンチク入門書です。 「車のボディーは壊れやすいほうが安全」「ジェットコースターは前と後でどっちがスリリング」「鉄の塊の船がなぜ浮く」「アポロの月面着陸捏造説を検証す る」「電子レンジが解凍が苦手なワケ」「ドミソの和音はなぜきれい」「スプーン曲げにもコツがある」「気功師が男5人を気で飛ばしたら本人も無事ではいら れない」「赤外線ストーブでやけどはしても日焼けはしないのはなぜ」などなど、今さら聞けないギモンの数々がたちどころに解決。この一冊で物理の楽しみ方 がわかります!

5/10から書店に並ぶ予定ですので、お手に取ってご覧ください。

May 8, 2007 at 11:38 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (3)

2007.04.22

紹介 『ソーシャルウェブ入門』

1年前まではウェブ業界の端の方にはいたのだけれども、「ウェブ本」はあまり読んだことがなくて『ウェブ進化論』すらまだ。そんなぼくが『ソーシャルウェブ入門』を読むことになったのは、著者が知人であるからというのが正直なところ。知人とはいっても、知り合ってから間もないし、著作が面白いかどうかという期待は特にしていなかった。が、読んでみるとこれが「流れるように」ページが進んでいく。

著者の滑川海彦氏は、ペンネームみたいだけど本名。23年前の役所勤務時代に『データベース入門』という本を書いている。(音楽雑誌にレッド・ツェッペリンの歌詞の訳を投稿していた過去?もあるいう説) ぼくとはほんの半年のつきあいなのだけど、同じ翻訳チームにいることもあって、メールでは毎日会話している。

さて、肝心の本の中身はといえば、Google、プログ、Wikipedia、mixiなど「ブログの今」を、初心者向けの紹介からウンチク的小ネタまで広く深く書いた本。テーマからして、まとまるはずがないと思うのだけれども、どういうわけかスッキリとまとまっている。文章が非常に読みやすい。日頃身近で聞いているような話だからということもあるのだろうが、日本語として無駄がない。読んでいく中で「あれっ」と思って読み返したところがほとんどなかった。そんなのは当たり前のようだけれども、小説でもエッセイでもたいてい、ひっかかるところはあるもの。(もちろんぼくの読解力の問題でもある。)


さてと。書評は異常に苦手なので、同書を紹介しているブログを紹介させていただく。まず小飼弾氏の「書評 - ソーシャル・ウェブ入門[BETA]」)より

私は本書が「面白くてためになる」と書いた。「ウェブ進化論」は面白いが、「使える」といえば疑問である。ウェブ進化論を読んでも、はてブを使えるようにはならない。逆に「グーグル明解検索術」は「使える」が「面白い」とはいえない。Googleがもたらす社会的影響に関して考察してるわけではないからだ。本書が絶妙なのは、論考と解説の分量が絶妙なことだ。本書はWeb0.0まで遡って話をしているにも関わらず、ブログの作り方まで解説しているのだ。

もういっちょ、在アメリカsatomiさんのLongtail Wolrd: 「祝・出版~滑川海彦著「ソーシャル・ウェブ入門」から、

長屋の隠居的コラムには「へえ」がいっぱい。元祖ソーシャルアニマルは「アリストテレス」とか、グーグルをヴィシュヌ神第8の化身クリシュナの別名ジャガーノートにたとえるかと思えば、ネット著作権で「のまネコ騒動」を持ち出したり。ウェブを自分の足で歩いて拾った雑感がとても楽しい

というわけで、なかなか面白いので読んでみてはいかが?

P.S.
上に書いた小飼さんに「紺屋の白袴」とお叱りを受けた著者のブログはこちら「Social Web Rambling

 

April 22, 2007 at 10:38 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0)

2005.09.27

『人はなぜお金で失敗するのか』G.ベルスキー&T.ギロヴィッチ 鬼澤忍訳

G. ベルスキー & T.ギロヴィッチ: 人はなぜお金で失敗するのか
『人はなぜお金で失敗するのか』

【原著】
"Why Smart People Make Big Money Mistakes"
by Gary Belsky and Thomas Gillovich  1999

著者のひとりであるギロヴィッチは、『人間この信じやすきもの』("How We Know What Isn't So")という本を書いている。

この本は、認知科学、認知心理学ではかなり知られた本であり、「ニセ科学批判」を志す?人にとっても必携の書ともいえる。1999年頃、認知科学の講議を三宅なほみさん(中京大学)から受けた時にこの本の一部が教材に使われていて、それがきっかけで認知科学に興味をもったようなもの。そしてskepticへと繋がった。

あまりに気に入ったので「他にGillovichの本はないのか」と当時探してみつけたのが、ここで紹介する『人はなぜお金で失敗するのか』である。翻訳はでていなくて、認知科学関係の人に「この本いいですよ、訳しませんか」と話したことを覚えている。

前置きが長くてすみません。この本を読むために上記の話は一切必要ありません。

心理学者のギロヴィッチと資産運用担当ライラーのベルスキーが組んで書いたこの本は、タイトルの通り「お金のことでいかに多くの人が失敗するか」を書いたものである。そして、その理由の根源は、
・自信過剰
・思い込み
であるという。

「心の会計」という言葉が使われている。
経済学者に言わせれば、「ルーレットで儲けた1万円」も「給料の1万円」も、「税の還付金の1万円」もみな同じ「1万円の価値」を持つ、と考えられている。ギャンブルで儲けた金であろうと、給料であろうと、自分の全財産への影響を合理的に計算すれば、使い方に変わりはないはずである。 しかし、ふつうの人間はそうはいかなくて「道でひろった1万円」は、「給料の1万円」よりも、よく考えもせずに使ってしまう。このように、本来「同じ価値」のはずのお金に「違った意味」を持たせることを「心の会計」と呼んでいる。ふだんの食料品の買い物の費用には十分気をつけている人が、電化製品や家を買う時には、かなり大ざっぱになるのも「心の会計」の一例。

「心の会計」がいつでも悪い、ということではないが、そのために誤った判断をする恐れが多い、ということをいろいろな例で示してくれる。

1.あなたは10万円をもらった上で、次の2つの選択肢を与えられた。
 A・・・さらに5万円もらえる。
 B・・・コインを投げて、表が出ればさらに10万円
     裏が出ればそれ以上は何ももらえない。

2.今度は、20万円をもらった上で、次の2つの選択肢を与えられた。
 A・・・5万円をとりあげられてしまう
 B・・・コインを投げて、表が出れば10万円を取りあげられしまう、
     裏が出れば、何も取りあげられない。

実験結果によれば、多くの人は「1」ではA(確実な5万円の利益)を選び、「2」では、B(10万円損するか、全く損しないかの5分5分のギャンブル)を選ぶそうである。(たぶん、ぼくもそうだろう)
「もらえる」ものは確実に。「失うもの」は、少しでも減らすチャンスに賭ける、というわけである。

しかし、みんなが避けた「2-A」は、実は「1-A」と全く同じ結果になるのである。どちらも「確実に15万円が手元に残る」のだから。一方、Bは、1でも2でも「うまくいけば20万円、そうでなければ10万円残る」という点で全く同じである。

この問題は、「どちらが正しい」というものではないけれども、この例を見るだけども人の考えることが結構いい加減であることがわかるのではないだろうか。

あなたはA社とB社の株を、どちらも1000円で買ったとする。3ヶ月後、A社の株は1500円に値上がりし、B社の株は500円まで下がってしまった。このあと、両社の株価がどうなるかは、予想はつかない。さて、あなたはどうするか?

こんな時、A社の株を売って500円の儲けを確定しようとする人は多いが、B社を売って「500円の損」を確定しようとする人は少ない。 A社株を持ち続けて、もし下がってしまうと、現在の「500円の儲け」が減ってしまう。一方、B社は、今売れば「確実に500円の損」だが、持ち続けていればいいことがあるかもしれない、と思ってしまう。
「値上がりしている株を早く売りする」ことと「値下がりしている株を持ちすぎる」ことは、どちらも非常に多い失敗だそうだ。「損失を確定させたくない」(「損失の嫌悪」という)気持ちからである。

6年前にこの本を読んだ時に特に印象に残ったことが2つ。
ひとつは「三つの扉」問題。

 あなたの前に三つの扉がある。そのうちひとつの扉の向こう側には豪華賞品(クルマ?)が、残りのふたつにはタワシが入っている。
 まずあなたは、ある扉(A)を選びました。ここで司会者が残った扉のひとつ(B)を開いて見せると、そこにはタワシが入っていました。そして、こういうのです、
「あなたは、今選んでいる扉(A)から、残ったひとつの扉(C)に変更することができます。変更しますか?」
さあ、あなたはどうするでしょう。

 この問題は大いに気に入って、あちこちで紹介した。その後、いろんな本でも見ることがあったのだけれども、最初に見たのがこの本であった。

もうひとつが「インデックスファンド」。当時も今も株には興味ないけれども、インデックスファンドだけは理解した。「株式市場全体が右肩上がりである」ことだけに期待した株の買い方といえばいいだろうか。個々の銘柄の上がり下がりを予測するのとは全く違うものと感じた。その後も「ファンドマネージャーなんていい加減なもの」という話を読むたびに、インデックスファンドのことを思い出す。

例のごとく、書評は苦手でうまく伝えられた自信がないので、他にこの本のことを書いた人のページをいくつか紹介しておきます。失礼ながら、URLだけ。

http://pitecan.com/bib/Belsky_MoneyMistakes.html
http://plaza.rakuten.co.jp/kajitta/diary/200504150002/
http://iii.moo.jp/review/r2/money_mistakes.shtml

September 27, 2005 at 03:12 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.09.02

J.R.Mahan "Radiation Heat Transfer: A Statistical Approach"

"Radiation Heat Transfer: A Statistical Approach"
J. R. Mahan (著), James R. Mahan (著)

チンダルの熱の本("Heat: As a Mode of Motion")に触発されて、Maxwellの "Theory of Heat", Max Planckの"Theory of Radiation Heat"をかじっている途中なのだが、print.google.com で遊んでいたら、この本を見つけて、また欲しくなって買ってしまった。

著者はVirginia Tech で30年以上、放射熱の研究をしてきた人で、モンテカルロ・レイトレース法(MCRT)という手法を使って放射熱を解析している。もちろん、ぼくにはまだ何のことだか全くわからない。

この本は、Wiley というまともな出版社から出ているのだけど441万2千円以上もするとてつもなく高い本です。需要がないのでしょうか。(2005/9/4 栃木庭球屋さんのご指摘で価格修正)

シロウトなりに放射熱のことを勉強するにしても、もう少し他に適切な本があるのでしょうが、マニアとしては、ついつい買ってしまうのである。3ページくらい読んだところでは、とりあえず読めそう。

ところで print.google はすごい。ふつうのGoogleはwebページの中を探すのだけれども print.googleは「本の中身」を探すのである。もちろんすべての本を探せるはずはなくて、登録されているほんのわずか(何冊だろう)の本なのだけれども、古い本もあれば、この本のように出版されて数年しかたっていなくて、かつ売れそうもない本も入っている。売れそうもないからこそ入れたのかもしれないけど。

本の中を検索できるというのは大変なことで、そうやって本を見つけるのが第一の目的だが、買ってしまった本の中身を検索するのにも役に立つ。上で挙げた "monte carlo"というフレーズがどこで使われているかがすぐわかる。まあ、それだけなら索引でもできるのだが、
"described"と"method"が出てくるページ、などというものも検索できる。(もうちょっとマシな例はないのか>自分)

本には、CD-ROMが付いていて、その中にはMCRTをやるFELIXというソフトの学生版が入っている。果たして、それを使ってみるまでに致るのかどうか。

September 2, 2005 at 01:32 PM in 書籍・雑誌, 科学 | | Comments (4) | TrackBack (1)

2005.08.21

板倉聖宣『虹は七色か六色か―真理と教育の問題を考える』

板倉 聖宣: 虹は七色か六色か―真理と教育の問題を考える

板倉 聖宣: 『虹は七色か六色か―真理と教育の問題を考える』(仮説社。2003)

「虹の色は本当に7色か?」ということは、時々話題になる。身もフタもない(でも正しいであろう)答えとしては「連続するスペクトルだから何色とは決められない」というのもあるが、ここでは、そちらの話ではなくて「文化」として「7色なのか6色なのか」という話。

15年ほど前に鈴木孝夫の『日本語と外国国』という本で「アメリカでは虹は6色らしい」という話を読んで、かなり強く印象に残っていた。2年ほど前に、板倉聖宣さんが「虹は7色か」という話をした時に「鈴木孝夫の話なら知ってるぞ」と思っていたら、話は、その遥か先を行くものだった。本の中で板倉さんは、虹の色の数そのものについてはともかく、アメリカでも「7色」とされていた時代があり、それが「教育」によって6色へと変わっていった過程を書いている。

この話で、ぼくがく感じたことは「目新しい話に飛び付く危うさ」とでもいうのだろうか、具体的には、「虹は7色」と多くの日本人は疑うことなく思っていたところに、鈴木孝夫その他の人たちによる「アメリカではずっと6色である、その理由は」などの新説を聞くと、ほとんど疑うことなく信じてしまうこと。「7色に決まっている」と思う人は、抵抗を示すかもしれないが、実際にアメリカの絵本などで6色にかかれているものを見せられれば「そうか、アメリカではそうなのか」と納得するに違いない。さらには「アメリカ人は日本人に比べて色彩感覚が鈍いので「青」と「藍」を見分けられない、などという話ももっともらしく聞いてしまう。

板倉説によれば、ニュートンが(非科学的な理由から)7色を主張して、それが広まっていたところに、ある学校教師が、実際には6色に見えることを実験で示して、それ以来アメリカでは6色説が主流になっていることや、日本でも、かつては6色だったことがあるという。

もちろん、この「新説」にも「飛び付く」のは危険なのだけれども、少なくとも以前の説と比べて調査の度合いが深いことは間違いない。ニュートンが7色を主張した話は、アメリカの論文で確認することもできる。
http://www.zianet.com/rainbow/frcolor.htm

ある話を「信じるかどうか」については、いろいろな注意点を考えているのだけれども、特に気をつけているのが「自分にとって都合の良い話には気をつけろ」というもの。
「うまい話には気をつけろ」というのは昔から言われていることなのだが、お金やモノにからまない話だと、ついつい信じてしまうのではないだろうか。ぼくの場合は「定説をくつがえす、ちょっと面白い話」が要注意。「みんなが7色だと思っている虹が実は6色だ」などというのは、なかなか魅力的なので気をつけなければならない。

August 21, 2005 at 01:51 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2005.06.08

"Theory Of Heat" James Clerk Maxwell

"Theory Of Heat"  James Clerk Maxwell

かのマックスウェルが1888年に書いた本。(初版は1871年)
それが、2001年に復刻されたおかげで、2000円以下で買うことができました。
熱の話がシロウト向きにわかりやすか書かれていて、ぼくには大変有難い。
もちろん放射熱のことも。

まず、熱素(Caloric)説を否定しておいて、続いて "heat"という言葉を丁寧に説明してくれます。

 熱(heat)という言葉は、素人っぽい感じで、科学的ではないようだけれども、これで十分にあいまいさなく〈測定しうる量〉を、表わすことができる。 なぜならば、「熱」と量を表わす言葉とをあわせて使えば「どれだけの量の熱」のことを言っているのかがわかるからである。
 私たちは、熱という言葉には、「熱いもの」という抽象的な意味は持たせない。もし「新しいミルクの〈熱〉」と言いたい時には、〈より科学的な言葉〉である「温度」を使って、「新しいミルクの温度」と言うべきである。

などと書いてあります。

Calorimeter(熱量計)という名前は、Caloric(熱素)から来ているにしても、もう使い慣れているし、Thermometer(温度計)と紛わしいこともないので、そのまま使っている。

など、ひとことづつトリビア的な話が面白い。

読みはじめばかりで、全体のことはまるでわかりませんが、期待しながら読んでいます。熱の「伝導、対流、放射」の話を少し読んだだけでも、何ともいえずぼくの好みです。「対流でも最終的な熱の移動は伝導による」とかね。

ざっと調べたところでは、日本語訳はでていないようです。でればいいと思うんだけどなぁ。

昔は教科書として使われていたこともあったそうです。

《J. Clerk Maxwell, Theory of Heat, London, 1880.
マクスウェル( 1831~79 )は電磁気学を大成したイギリスの物理学者。 この熱学書の初版は1871年刊で、当時最新の気体分子運動理論を紹介している。 展示書には「第十四号」という複本番号が墨書されているので、すでに明治13年ごろ、成立したばかりの東京大学理学部で教科書として用いられていたことが わかる。》だそうです(初版は1871年刊とのこと)
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/tenjikai/josetsu/2005_02/kaisetsu03.html

そうそう、どうやってこの本に出会ったか、というと、Googleのテスト中のサービス「Google Print」 で、"tyndall radiation heat"か何かで検索していたら、この本が見つかったからです。Google Printは「本の中身」まで検索して、見つかったページとその前後を「立ち読み」することもできるのです。

以下に目次を書いておきます。途中で、大量にあることかわかったので、Chapter 5からは、Chapter名だけ。
--------------------
CONTENTS

Chapter 1    Introduction

Meaning of the word Temperature    1
The Mercurial Thermometer    5
Heat as a Quantity    6
Diffusion of Heat by COnduction and Radiation    10
The three Physical States of Bodies    16

Chapter 2    Thermometry, or The Registration of Temperature

Definition of Higher and Lower Temperature    32
Temperatures of Reference    34
Different Thermometric Scales    34
Construction of a Thermometer    37
The Air Thermometer    46
Other Methods of Ascertaining Temperatures    51

Chapter 3    Calorimetry, or the Measurement of Heat

Selection of a Unit of Heat    54
All Heat is of the same Kind    56
Ice Calorimeters    58
Bunsen's Calorimeter    61
Method of Mixture    63
Definitions of Thermal Capacity and Specific Heat    65
Latent Heat of Steam    69

Chapter 4 Elementary Dynamical Principles

Measurement of Quantities    74
The Units of Length, Mass, and Time, and their Derived Units    76
Measurement of Force    83
Word and Energy    87
Principle of the Conservation of Energy    92

以降はChapter名だけ。

Chapter 5    Measurement of Internal Forces and Their Effects
Chapter 6    Lines of Equal Temperature on the Indicator Diagram
Chapter 7    Adiabatic Lines
Chapter 8    Heat Engines
Chapter 9    Relations Between the Physical Properties
Chapter 10    Latent Heat
Chapter 11    Thermodynamics of Gases
Chapter 12    On the Intrinsic Energy of a System of Bodies
Chapter 13    On Free Expansion
Chapter 14    Determination of Heights by the Barometer
Chapter 15    On the Propagation of Waves of Longitudinal Disturbance
Chapter 16    On Radiation
Chapter 17    On Convection Currents
Chapter 18    On the Diffusion of Heat by Conduction
Chapter 19    On the Diffusion of Fluids
Chapter 20    On Capillarity
Chapter 21    On Elasticity and Viscosity
Chapter 22    Molecular Theory of the Constitution of Bodies

June 8, 2005 at 03:23 PM in 書籍・雑誌, 科学 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2005.05.26

アメリカの犯罪が激減した理由

"Freakonomics"面白すぎ

この前紹介したこの本、面白すぎ。なかなか読む時間がないので、電車の中とか歩きながらも読んじゃうんだけど、きのうは田園都市線を渋谷で降りたホームのベンチで1時間くらい読んでた。家に帰りたくないわけじゃないけど、何かと雑用に追われるからね。

さて「書評ベタ」のぼくとしては、どう書いたらよいのかわからないけど、

「世間で言われていること、信じられていることが、実は違うよ」

ということを、ちょっとした計算や、思いがけない視点から面白おかしく紹介してくれるという本だと思う。

章のタイトルは

1.学校の先生と相撲とりの共通点
2.KKK(ク・クルックス・クラン)が不動産屋と似ているところ
3.麻薬密売人はなぜ、いつまでも母親と一緒に暮しているのか
4.犯罪はどこへいったのか
5.完ぺきな親とはなにか
6.完ぺきな計画パート2。

といった感じで、どれも面白いんだけど、いちばん「重そう」な話題で、かつ、発表当時に物議をかもしたといわれるのが「犯罪はどこへいったのか」という話。

1989年、アメリカで犯罪件数がピークに達して(って、後から見たから「ピーク」なんだろうな)識者たちは「これからも犯罪が増え続けて大変なことになる」と言っていたそうな。 ところが1990年以降、犯罪は、ものすごい速さで「減り」はじめた。「予想」の外れた学者たちは、「元々『悪くなる』とは言っていない」などと言い訳をしたのに加えて、〈犯罪が減った理由〉をいろいろと考え出したそうな。

1.警察の革新的な戦略が功を奏した
2.刑務所の信頼性が上がった
3.麻薬市場の変化
4.人口の高齢化
5.拳銃保持制度の強化
6.経済の成長
7.警察官の増加
8.その他

それぞれについて、「いかにダメか」の説明があるのだけど、その中では「刑務所により多くの人を置いておけた」というのは、犯罪減少の理由としてそれなりに大きいだろうと著者は言っています。 刑務所に関しては、ひどい議論もあって「刑務所を増やすと犯罪が増える」といって建設反対運動があったそうです。そのことを「地元のチームがワールドシリーズに優勝して、市民たちが大騒ぎして祝うのを見て、その町の市長が、翌年は、シリーズが始まる前に、祝賀会をやるように言った」のと同じようなもんだ、と皮肉ってます。

で、著者(レビット)の考える「犯罪が減った理由」は、

1960年代以降から1973年の「Roe vs Wade」裁判にいたって「人工中絶が合法化」されたからだというのです。

1.特に貧困層において「望まれずに生まれた子どもたち」が非行に走る率は高い
2.中絶によって、その子たちが生まれてこなかったために犯罪は減った

という論法です。

この説は、当然のごとく「中絶を是認するのか」などなどの猛反発を受けたそうです。ぼくはまだ全部読んでいませんし、本人の意見だけを読んでもフェアでないので、いずれ反論も探してみようと思いますが、犯罪数の「激減」を説明できるものが他にないようであれば、悲しいけれどもこれが事実である可能性は高いと思っています。

他には、もっと笑える話がたくさんありますか、相撲の八百長の話は、いずれまた詳しく。

May 26, 2005 at 05:07 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (5) | TrackBack (1)

2005.05.24

"FREAKNOMICS" Levitt and Dubner

Freakonomics: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything
 Steven D. Levitt (著), Stephen J. Dubner (著)

eSkepticというオンラインマガジンで Michael Shermerが推薦していたので早速購入。

例によってぼくは本の紹介や要約が極端にヘタなので、どう書いたらよいのかわからないのだけど、「ものごと、表面的なことにだまされちゃあいけないよ」という話がたくさん載っています。

アメリカ人が書いた本なのに「7勝7敗のスモウレスラーは勝率が異常に高い」という、こちらでも時々話題になりつつ放置されていることが取りあげられていて、「勝率が高い」というところまでは、よく見ることなのだけど、著者は7-7と8-6の対戦を特に取りあげて、その時の対戦では7-7力士が圧倒的に勝つのに、同じ2力士の「その次の対戦」では、8-6力士が「ふつう以上の」勝率を上げている、というところまで調べている。

去年出た本なのだけど、どの程度知られているのかな、「山形浩生さんは読んでるだろうか」などと思ってちょっと調べてみたら、はたして山形さんはamazonでレビューを書いていました。2005/5/20というからつい最近のことですね。


初めてamazonのアソシエート用のタグを貼ってみたけど、テキストの回り込みのやり方がわからなくて、カッコ悪い。

May 24, 2005 at 10:10 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.04.13

板倉聖宣『かわりだねの科学者たち』(仮説社)

ひょんなきっかけでこの本を読むことになりました。2年前、板倉さんの本を読みまくっていた頃に買った本なのですが、ほとんど読んでいませんでした。「かわりだねの科学者」ということで、ぼくはなんとなく「欧米の科学者」をイメージしていたのですが、目次を見ると、日本人の、それもあまり名前を聞いたことのない名前が並んでいたので、あまり興味を引かなかったのかもしれません。(でも買った、ってことか)

ジャーナリストの日垣隆さんのメルマガが、ほぼ週刊で送られてくるのですが、海外旅行中ということで、その回は「1987年に書いた原稿」というものでした。「<独学>と<内なる事件>」と題したその話の中には、「芥川賞作品を全部読んだ」時の話とか、松本清張が芥川賞をとった後で、様々な〈人格攻撃〉を受けた話などに混じって、「教育」の話題が書かれていました。(これが、松本清張の話と無関係というわけではなく、『断碑』という作品の主人公のモデルが、実は・・・、という話でうまく撃がっているのだ)

長野出身の藤森栄一という、学歴のないいわゆる「在野の考古学者」の話が紹介され、また、その藤森の先生である三沢勝衛という人の話がでてくる。

 ところで、藤森栄一は中学校のときに三沢勝衛に地理を教わっている。この
三沢も中学を出ただけで苦学して教師になった人であるが、彼は授業の中でも、
身をもって「自分の仮説」を示し、その研究の仕方、また失敗の仕方を生徒と
ともに実地でやってみせるというホンモノの教師であった。教科書だけをやっ
ていたのでは、(いままでのところ)何がわかっていないのかがわからないし、
教科書に書かれていることだけが大切なことだなどというヒドイ錯覚に陥って
しまうことになりかねない。そうではなくて、自ら探究心をもって、何がわか
らないことなのかを見きわめつつ、その解明に乗り出す力を身につけることこ
そが肝要なのだという信念を、その日常の教育の中で実践していたのが、三沢
勝衛であったのだ。そしてまた藤森氏は、この中学(諏訪中学)で石川税とい
う歴史の先生に感化されて考古学に興味を抱いた、と書いている。この人は、
一年間の授業をほとんど古代史で終らせてしまうほどの熱の入れようであった
という。

「仮説」という言葉にまずは反応しました。もちろん「仮説実験授業」の話ではありませんが、生き生きとした授業風景が目に浮かびます。

日垣さんの文章は、この後「教科書批判」「デモシカ教師復活期待」などの話が続き、教育に関するこんな言葉が紹介されている。

ボクが教育学というのもオモシロイなと思ったのは、宗像誠也という人を通
じてであった。とりわけて今でも鮮明なのは、
「教育学が大切なのではなく教育が大切なのだ。教育学は教育のためにあるので
あって、教育が教育学、あるいは教育科学のためにあるのではない」
というセンテンスである(『宗像誠也教育学著作集』第一巻・青木書店)。

何しろ20年近く前に書かれ、まだ日垣氏が「読んでくれる人に無料で配り歩いていた」というものだそうで、今とはかなり調子は違う(違わない?)のだけど、とにかく面白かった。 仮説の知りあいには長野の先生がいるので、いつか三沢、藤森のことを聞いてみようかな、などと思っていました。

と思った翌々日に、ふだんは会うことのないその長野のKさんと高田馬場の仮説社で会うことができたので、ふたりのことを聞いてみたところ、もちろんご存じだった上に、三沢勝衛のことは、Mさん(仮説仲間)が詳しく研究していたというし、さらには、板倉さんの『かわりだねの科学者』に登場しているというではありませんか。早速仮説社にあったその本(売り物ですが)で確認。家に帰って早速読みはじめました。

三沢、藤森のふたりは、

第八章 渡辺敏と三沢勝衛と藤森栄一

として出てきます。この渡辺敏(わたなべ〈はやし〉と読みます)が、これまた信濃の生んだすごい人で、『一壜百験』という面白い実験書が仮説の会員によって「現代語訳」されるなど、この?世界では知られている人なので、ぼくも知っていましたが、三沢、藤森の話は初めて。はたして板倉さんがどう評価しているのか大変気になるところでした。読んだ結果は「絶讃」といっていいほどでした。板倉さんは、まず渡辺敏を調べつづけていて、その過程で三沢勝衛が一緒に書かれているのを見つけ、そしてそれを書いていたのが藤森栄一だったというわけです。この章のはじめに板倉さんは「タナボタ式研究法」の話をしているのですが、たしかにこの藤森栄一との出会いの話はその典型かもしれません。

順序が逆になりましたが『かわりだねの科学者たち』の序論に、板倉さんはこんなことを書いています。

ガリレイ、フランクリン、ランフォード、ファラデー、ジュールなど、欧米の有名な科学者の多くは、個性があふれていて、その伝記を読むだけで、「ああ、科学というのは、こういう自分自身の好奇心を大事にした民衆の中から生まれでたのだな」ということが感じられる。私はそういう科学者が好きだ 
 しかし、現代日本の科学者となると、どうも親しめない。「これがあの科学を生みだしたのと同一種類の科学者たちなのだろうか」と、ただただ唖然とする。その人たちの経歴を見ると、一流中学→一流高校→一流大学と順調に進学、卒業して、海外に留学し、一流大学の講師・助教授・教授となって定年を迎え、何でそんな研究をやったのかよくわからないが、なにしろその分野では日本の権威だといわれている--それだけのことである。現代の日本の科学者は、大衆的な伝記の対象にしようとしても、どうにもさまにならないのである。日本では官僚の伝記のほうが波欄にとんでいておもしろいぐらいである。

そんな中で、

しかし、私はとくにここ数年間、日本にも何人かの個性ある科学者、民衆と問題関心を共にするような生き生きとした何人かの科学者、かわりだねの科学者がいることを知ってうれしくなった。それらの科学者の場合でも、私は必ずしもその生き方を全面的に支持するわけではないが、ともかく日本の科学者のすべてがお役人的な専門家でないことを知ったことは、私にとって大きなよろこびであった。》

として、見つけることのできた「かわりだねの科学者たち」のことを書いた本、というわけです。

目次等は、仮説社のページ↓にあります。
http://www.kasetu.co.jp/book12014.html

April 13, 2005 at 12:56 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (1) | TrackBack (2)

2005.04.11

2005-04-10 本

『刑法三九条は削除せよ! 是か非か』呉智英・佐藤幹夫 洋泉社 760+
『The Old Man and the Sea』Ernest Hemingway Simon & Schuster New York $10 1365円
『「おろかもの」の正義論』小林和之 ちくま新書 740+

『批評の事情』永江朗 ちくま文庫 820+
『新 教養主義宣言』山形浩生 晶文社 1800

ジュンク堂にて。

きのう大阪で「大読書会」というものに参加してきて、いろいろと「読書法」的な話を聞いたのですが、その中で「買ったけど読んでいない本を読むきっかけ」を作る方法というのを質問したら。

1.仕事にする
2.いつまでに読むと宣言してしまう

という答え?をいただきました。

「1」は無理なので、「2」を実行すべくここに書いてしまおう。

39条の本は、ドトールで集中的に読み終ったのだけど、何か書くには重いんだよねぇ。軽いところで永江さんの本に関すること書きかけてます。

そうそう、なんで突然ヘミングウェイか、ということを含めてこいつを今週中に読むと宣言しよう。感想なんか書けないだろうけど。

April 11, 2005 at 12:59 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.28

『On Radiation』John Tyndall

チンダル先生が1865年5月16にケンブリッジ大学の人たちを相手に「放射」に関して講演したものをまとめた本。

何度もここで紹介してきた『Heat (considered as) a Mode of Motion」の中に放射熱(radiation heat)のことが、詳しく書かれていることを知って、さらには『On Radiation』(放射について)という、そのものズバリを本があるとわかったのでひと月ほど前にBook Finder経由で注文したものが、つい先日届いた。本文が62ページの小冊子。$29.95+送料$7.49は高いようではあるが、江戸時代末期に書かれた原本だと考えると骨董的な価値もあるのだろう。12/27に注文して届いたのが1/24だったかな、船便だろうからまあまあ。

さて、肝心の中身は・・・の前に、まず、この本、あまりに古くてボロボロと表紙やページが外れるので、最初にしたことはコピー。60ページほどなのであまり時間はとられずにすんだ。続いて製本。「製本屋さん」という「手動製本機」を使う。最後に、原本の修復。どうせ読むのはコピーなんだから、原形を留めておいた方がいいかなとは思いつつも、骨董品じゃあないからと割り切って、不細工に修復。

内容は、まだ数ページ読んだところながら期待どおり。プラチナ線に電気を流して熱していくと、まず暖かくなって、赤くなり、オレンジになり、ついには白くなる。そこからの光をプリズムで分けて、などという話から入る。「人間がものを見るためには視神経に何かがぶつからなければならないが」というようなことも。

ここでは、光や熱の波は「エーテル」を媒質として伝わっていることになっている。「ああ、まだそんな時代だったのか」と思う一方で、「ぼくが知りたいようなことは、エーテルで説明がついてしまうのかも」とも。たまたま並行して読んでいる『アインシュタイン 16歳の夢』(戸田盛和著 岩波ジュニア新書)では、エーテル説が打ち破られるところなので、そのちょっと前の時代の人たちがどう考えていたのかを考えると面白い。

January 28, 2005 at 05:10 PM in 書籍・雑誌, 科学 | | Comments (0) | TrackBack (6)

2004.11.21

『へんないきもの』 早川いくを

smile-kani.jpg

「実在する」へんないきもののイラストとコメントの本。
「足が85本のタコ」とか仮死状態になると「絶対零度、真空」でも死なないクマムシという微生物とか。
子どものこら図鑑で見たものとか、「トリビアの泉」で見たようなものも中にはあるけれども、そのほとんどは初めて見るバカバカしさ。コメントがおもしろいからこと成り立っているともいえます。
上の「スマイルガニ」は、ヒライソガニというどこにでもいるカニなのだが、子どもが潮干狩りで見つけて水族館に持っていった。どうもてもマンガなので当然「誰かがマジックで書いた」と思われたが、脱皮した時に本物であることがわかったそうです。ヒライソガニがみんなこんな顔をしているわけではないのですが、こういうのも参加しているところがこの本の面白いところ。
 「王様のブランチ」で紹介されていたので、その日に買いに行ったら新宿紀伊国屋では平積みになっていました。

November 21, 2004 at 11:08 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (3) | TrackBack (1)

2004.10.13

"Are You Afraid of the Dark?" Sidney Sheldon

Are You Afraid of the Dark? by Sidney Sheldon

アカデミー出版の「超訳」で、一時はベストセラー連発だったシドニー・シェルダン、最近は見かけないなぁ、と思ったけど、そもそも原作が最後に書かれたのが2000年("Sky is Falling")だというから仕方ないか。

英語小説を読むようになったきっかけが、このSheldon.「これを読むためだけにも英語が読めてよかった」という、明らかな言い過ぎを言ってしまうほどいつもハマっています。
月曜に紀伊国屋で見つけて、「amazonで買おうかな」と思いつつも、普通サイズのペーパーバック版が1800円代と安かったので買いました。他に、いくらでも読まねばならぬ本があるのですが、これを買ったからには徹夜覚悟。
実際には、その日にちょっとだけ、翌日の電車の中(持ち歩くの大変!)で数十ページを読んだあと、水曜から明け方3時過ぎまでかかって一気に読みました。

老眼にはフルサイズの印刷はうれしい。(ハードカバーだともっときれいだけど そのために2倍近くは払いたくない)途中から眼鏡も、遠近両用から読書専用に変えました。思ったほど効果がなかったけど。

あらすじと書評が以下にふたつ。評価がえらく違います。
http://www.multishop.jp/0060742410.html
http://www.cybersaizensen.com/book/2004/b10.html

「先を読めない」ぼくには、Sheldonの作品のトリックが、すべて効果的。この本も楽しませてくれました。とはいえ、今度ばかりは「ちょっとお粗末」と思ってしまうことが多かったなぁ。上の書評でも指摘されています。それでも、いつも通りのドンデン返しはあるし(Sheldonではこのくらいではネタバレにならない)5段階評価なら4くらいかな。

英語がいつにも増して読みやすかったので、上達したのかと思った(ウソ)けど、これを書評によると「今回特に読みやすい」ということです。
珍らしく日本と日本人が登場。アメリカ人が寿司屋で注文するんだけど「hamachi temaki」はないよなぁ。

October 13, 2004 at 02:48 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (2)

2004.10.11

「細木数子妖しき大殺界の女王」 日垣隆

『文藝春秋』2004/11月号に載った日垣隆氏による「細木数子解剖」。
この記事を書くにあたって、最後にどうしても本人を取材したいと思って申し込んだが断われ続けて

    「むしろ会わない方が書きやすい」と意地の悪いことを
    細木事務所に伝えた直後「会いましょう」ということになった。

ということになったそうです。

14ページにわたる記事の内容を要約することは、ぼくにはとてもできないので感想だけにします。

「面白かったけど、なんか物足りない」

うーん、どうしてだろう。細木占いが科学的にどうのこうの、というところは、「今さら言ってもなぁ」とぼくも思うので、日垣さんがそこに重点をおかないことはまあ当然かもしれないのに、それを期待してたのかな。

「予言が当たった」とされていることが、いかにインチキ(というか、「誰にでも当てられる」)であるかということをピシッと指摘しているし、押えるべきところは押えていると思うのだけど、若くして店を持ったり、ダマされたりしながらのし上がっていくところを読んでいると、「占いを憎んで人を憎まず」じゃないけど、不本意ながらも「案外いい人なんじゃない?」という気になってしまうんだよね。

・・・と不思議な感覚を得たんだけど、考えてみると「オカルト批判」の文章というのは、もともと「批判的」な人たちは、楽しく、気持ち良く読めるけど、オカルトな人にとっては、読むに耐えたい(であろう)ものが多いでしょう。そもそもオカルト好きの人は読まないかもしれない。でも、文春のような本に載れば、その手の人も読む可能性が高い。
「アンチ細木」「アンチ占い」のトーンで書くと、本来読んで欲しい(とぼくが思っているような)人たちからは反発を食うだろうから、こうして、微妙に「細木のすごさ」を示しながら、要所要所で「インチキ」を暴くのはよい作戦なのかもしれません。

細木にしても、『水からの伝言』の江本にしても、〈大量に出回っている〉こと自体が問題なので、(マイナーなものではなくて)こういうのを批判することには理由があるのたけど、なんとなく「あんなのがどうして儲けてるんだろ」という「ひがみ」がないかと言われると、自身はないね。

October 11, 2004 at 12:18 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.10.06

なんだかちょっと心配 この熱力学の本

先日買った
□『なっとくする熱力学』(都筑卓司著)
という本を読んでいるんだけど、ちょいと横道モードで「水はとってもかわり者」という話が何ページかに渡っている。
「水は、身近にたくさんあるけれども、物質としてはかなり特別な性質を持っている」という話。熱容量が大きいとか、凍ると体積が増えるとか、クラスター(この本では、塊とか会合とか呼んでいる)の話とか。興味のあるところをわかりやすく書いてあって、よかったのだけど、終りの方でちょっとアヤシくなってきた。

「うまい水は、分子の集合状態が違うのではないか?」という、浄水器メーカー的な話を、「まだわかっていないこと」とはしながらも、かなり期待しちゃっている。

続いて「水にヒステリシス(履歴)があるという」という話になって、「ふつうの水は0度以下ですぐに凍るのに、一度沸騰してから冷めた水は零下10度くらいまで凍らないことがある」と書いている。これを

「一度熱湯を経験した水は、水素結合がしにくいに違いない」

と説明しているけど、これはダウトしたい。湯ざましが過冷却になりやすいのは、水に溶けている空気が少ないからなんじゃないの? ふつうの水と、湯ざましとでは性質が違うのは事実かもしれないけど、空気も何も含まない「超純水」の話ならわかるけど、何かが溶け込んでいる状態で、その溶け込み方が違っているのなら、それは水そのものとしての違いではないと思うんですが、どうでしょ。

奥付を見たら、都筑卓司さんは2002年7月に亡られたそうで、もう聞くことはできませんが、他に教えてくれる人がいることを期待します。

◆オマケ
 こんなこと書きながら読み返していたら、こんなのがありました、

このほか会合性の塊の数を論じたものには、単独のH2Oの1に対して、(H2O)nをknと考える理論もある。もちろんkは1より小さい数とし、温度が高くなるほど小さくなるものと考える。(高橋秀俊:物性研究3(1943)水素結合と誘電的性質)
へぇー、ぼくが生まれる10年前に、こんなこと書いてたんだ、秀俊さん、28才かぁ。

しかし、これだけwebやパソコン進歩してるのに、H2Oくらい、なんでもっと簡単に書けないんだよぉ。これだって、そんなにカッコよくないし。

October 6, 2004 at 06:49 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.10.03

熱力学いろいろ

チンダルの「熱」の話を読むのに、「ふつうの熱力学」もわかっていないのはまずかろう、と今さらながら熱力学の本をいくつか読み始めた。

□『熱力学 -現代的視点から』(田崎晴明著)
 2月に買って20ページくらい読んで放置してあったのを引っぱり出してピストンで重りを持ち上げるところとか、カルノーサイクルなどを見てみる。前よりはかなりわかった気がするけど、「数式が・・・」と一般的な反応をしておく。

□『熱とはなんだろう』(竹内薫著 ブルーバックス)
 図書館で見つけて読んでみてます。この人、たくさん本書いている有名な人だったんですね。先生ではなくて「著述業」だって。 パラパラと読んでいたら〈示量変数の時間変化が非常にゆっくりしているために…〉というようなことが書いてあったので、「ふうん、田崎さんもよく〈示量変数が〉とか書いていたな」と思ったら、田崎さんの本からの引用だった(140ペ)。 このあとに、こんなことが書いてあった。

すでにでてきたが、この本を読んで、僕は大いなる衝撃を受けた。なぜなら、熱力学の専門家と量子力学とか素粒子とかをやっている専門家とのあいだには大きな見解の相違があることを知ったからである。
この前には、『エントロピーから化学ポテンシャルまで』(渡辺啓著)が引かれているので、それとの対比なのかな。実は、まだどちらが「量子力学とか素粒子とかの専門家」なのかわかってないんだけど、田崎さんのことなんだろうなぁ。田崎さんの本で印象に残っていたのが〈ミクロな世界についての知識を「カンニング」せず、マクロな手段で観測できる量だけに基づいて、完結した体系を描き出したい〉と「量子力学などに頼らない立場」をとっているんだろうなと思っていたんだけど、そういう問題ではないか。田崎さんの「熱力学と普遍性」については、別途ちゃんと感想を書かなくちゃ。なんて、そんな大それたこと書けないが。

□『なっとくする熱力学』(都筑卓司著)
 紀伊国屋の「物理学--熱力学」の棚で買ってしまった「いかにも」というようなシリーズの本。ブルーバックスでおなじみだよなぁ、この人。「この書は教科書の副読本として使われることを意図して書かれている」なんて、いきなり書いてあったので、ちょっとドキッとしたが、まあ、教科書じゃないんだからいいでしょう。

□『熱学思想の史的展開 -熱とエントロピー-』(山本義隆著)
 田崎さんの本の中で紹介されていたので買おうと思ったら、出版社で在庫切れみたいだったので、ネットの古書店で買いました。4800円→3000円。題名がスゴイから、ふつうにな手に取ることもなかっただろうけど良い本です。って、ちょっと読んだだけだけど、ラムフォードの実験が「熱素説」を打ち破ったことを強調しすぎるのは「神話」であるなどなど面白い。この「ラムフォードが熱素説を消滅させた(annihilate)」とはじめに主張したのがチンダルらしい、と書いてあるのだけど、これは、まさに今読んでいるチンダル本に書いてあることで、たしかに、そんなことが書いてある。
この話に絡めて、こんなことが書いてある(231ペ)

これまでの--少なくとも1950年代までの--物理学史は,現代から見て「正しい」理論につながる経路にのみ脚光を当てるきらいがあった,現代から見て意味のある研究のみを重視し,加うるに,あたかもそれらが後の「高い立場」での統合を予見してなされたかのように現代的な解釈を施し,他方でその経路から逸脱したものを単なる誤謬や異端として片づける立場といえよう。

いわゆる「後付け」ってやつですよね。ヒドイ話だな、と思いつつ、自分もついついそんな立場をとっていそうなので、真摯な気持ちで読んでしまった。

October 3, 2004 at 06:50 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (2) | TrackBack (1)

2004.09.27

『メジャーリーグの数理科学』

『メジャーリーグの数理科学』 上・下
J.アルバート /J.ベネット 著 
"Curve Ball: Baseball, Statistics, and the Role of Chance in the Game"
by Jim Albert, Jay Bennett
加藤 貴昭 訳 
シュプリンガー・フェアラーク・ 版 
各巻とも2,835円(税込) ISBN4-431-71016-7 

ちょっとタイトルが大げさだけど、大リーグのデータをいろいろな統計的手法を使って表わした本。
「送りバントは意味があるのか」とか「『調子の波』はホントにあるのか」などなど、前々から気にしていたことを、取り上げてくれた嬉しい本だったので、書店で見つけてノータイムで買いました。レジに行ったら、何やらすごい値段でビックリしたけど買うしかないでしょう。

All Star Baseballという1950年代からの野球ゲームの話から始まって、いろいろな「モデル」が、選手やチームの実力をうまく表わせるかどうかを細かく検討している。例えば、あるシーズンの打率が.350の選手は、「実力どおり」.350なのか、実力は低いのに、運良くそのシーズンだけが.350なのか、という命題をわかりやすく説明してくれる。

全般的にちょっとクドイかなという気もするけど、徹底的にやるとこうなっちゃうのでしょう。原書は1巻だけど、翻訳で2冊になったところはハリーポッターと同じ。セット販売ではないけど2冊で6000円近いから、単なるメジャーリーグファンには買ってもらいにくい。アメリカの「スポーツ統計屋さん」の中には「統計学者」はいない、著者は言っちゃってますが、この本で少しは状況が改善されますように。

日本にも野球データを揃えているwebがたくさんあるので、同じような調査をしてみると面白そうです。

訳者は、慶応大学で野球部にいて、マイナーリーグでプレーしたこともある人だそうす。

September 27, 2004 at 01:20 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.09.13

『アルプスの氷河』 50円

アイスキャンディーの名前じゃないよ。
チンダル(John Tyndall)の "Glaciers of the Alps, Mountaineering in 1861, and Hours of Exercise in the Alps "のいう長ったらしい名前の本の前半部分を訳したもの。

チンダルは別に『アルプス紀行』という本も出ていて、また日本の雪の大家、中谷宇吉郎の『アラスカの氷河』という本もあって、どちらも持っているので、つい最近まで『アルプスの氷河』も持っていると思い込んでいたのである。検索してみたのは初めてかもしれない。「日本の古本屋」ではなく、Googleでいきなり探したところ、運の良いことにシロウト古書店で「50円」ででているのを発見。送料にいくらかかってもこれは安い。すると、メールが来てヤマトのメール便なら160円なので、合計200円で良いという。(10円まけてくれた!) さて、その200円をどうやって送金するか? 郵便貯金で送金しようとしたら手数料は130円。うーん、ふだんは高いと思わないのだが200円を送るんだからなぁ。よって、切手で送ることにした。それも封書なら80円かかるところ、ミニレター(郵便書簡)なら60円で送れる、と、これも売り主が教えてくれた。かくして、合計260円で貴重なチンダル本が手に入ることになった。早く来ないかな。
ちなみに原書の方は、6月頃に入手済で、そっちは$8+送料$8弱。これも安かったね。

肝心の内容だけど、氷河の研究がこうじて、すっかり山好きになってしまったチンダル先生の、科学と山のお話。このblogのタイトルの「復氷」の話も書かれている。

September 13, 2004 at 09:55 PM in 書籍・雑誌, 科学 | | Comments (0) | TrackBack (5)

2004.09.01

唯物論者チンダル

このところチンダル(John Tyndall)のことをずっと調べている。というと学者みたいだけど、一冊の本を読んでいるだけでもある。ただ、ここ数日間は、チンダルが「筋金入りの唯物論者だった」ということを知って、そのあたりを(webレべルではあるが)調べているのである。

「原子論」という言葉は、ふつうの科学ではあまり聞くことがないのだけれども、それは「ものが原子でできている」ということが、当たり前になっているから。 天動説や創造説が幅をきかせていた頃は「原子論」といえば「反キリスト教」ということにもなって、そう簡単な話ではなかったらしい。 チンダルは「ものの動きとしての熱」という本の中で(つまり、イギリスの王認協会のクリスマス講演の中で)、「もとが粒からできている」ということを、しつこいばかりに強調している。例えば、「人間が熱を感じる」という話をする時に、「人間の中の原子が動かされて」という話が狭まれる。板倉聖宣さんに言わせると、「当時の原子論者と違って、現代の科学者は原子論は人から聞いてあたりまえになっているだけで、体にしみついていない。だから、簡単に(オウムなどによって)ひっくり返されちゃう」ということである。たしかに、キリスト教とケンカして命がけで原子論を考えている人は違うでしょう。
現代では原子論を信じるために宗教とケンカする必要もないのだけど、小さい時からキッチリと理解しておいた方が良さそうなことはたしか。

さて、チンダルの頑固なまでの唯物論者ぶりが発揮されすぎてしまったのが、1874年にイギリスのベルファストで行われた、「ベルファストでの講演」というもの。
チンダルはここで原子論、唯物論を語るあまり、キリスト教を批判しすぎて、かなり叩かれたそうである。幸いにして、この講演の記録(日本語版)を入手したので、じっくりと読んでみたい。

September 1, 2004 at 03:34 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.08.16

本屋さん

青山ブックセンター(ABC)が倒産して、再建するのかどうのという話なんだけど、ABCはナゼか好きだったなぁ。別に深夜に青山店に行くというわけでもないし、新宿には紀伊国屋が2つもあるんだけど、品揃えが面白いからかな。
サブカルチャーよりちょっと品のいいあたりの本とか、認知心理学っぽい本とかで「へぇー」というのが見つかることがあったような気がする。

ところで、amazonが出来てから、本の買い方はずい分変わっただろうと思ってるんだけど、どうも、〈その分本屋で買わなくなったか〉というとそうではない気がする。以前と変わらないか、むしろ増えたかも。

当たり前の話なんだけど、amazonで買うのは
・洋書
・書名がわかっていて、かつ「今すぐ」でなくてもいいもの
・夜中にweb見てて欲しくなっちゃったもの
本屋で買うのは、
・そこで見つけた時
ということになります。

「買うものが決まっていて書店に行く」というのが実はすごく苦手です。
よほどのベストセラーでもないと、まず見つからない。しかし、店員に聞くのがイヤ。
それでも、書名や著者名がハッキリとわかっている時は、意を決して聞くこともあるけれど、「あいまいな記憶」の時には絶対に聞けない。 その点、紀伊国屋の「KINO NAVI」みたいな検索システムはとてもうれしい。ところが、これがいつも混雑してるんだよね。しかも、やってるやつの操作がトロイ。

あ、話はそれるけど忘れないうちに書いておこう。KINO NAVIの端末のひどいところを。
タッチパネルなんだけど、これが感度が悪いのか、押しても効かないことがよくある。それ自体許せないのだけど、その30倍くらい信じられないのは、その「押しそこない」の時にも、確認音が(成功した時と全く同じように)「ピッ」と鳴ることである。タッチパネルはタッチタイプできないから、入力された文字を見ずに、押すんだけど、「ピッ、ピッ」と鳴っているから安心して押してから見上げると、バサバサと文字が抜けている。みんな、よく画面を叩き割らずに使っているなぁ。

August 16, 2004 at 05:27 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (2)

2004.07.26

【書きかけ】The Doctors' Plague

"The Doctors' Plague" Sherwin B. Nuland

W.W.Nortonという出版社の Great Discoveries というシリーズの中の1冊。突然こんな本を見つけるわけもなくて、Skeptical Inquirer July/August 2004の書評に出ていた。本の内容に入る前にシリーズのことを書くと、「著名な作家(prose writerというのは別の言い方があるのかも)による、著名な歴史上の人物(著名にきまってるか)の、簡潔でいて説得力のある伝記」だそうです。これは、Penguin Publishing GroupのPenguin Livesというシリーズを模したものらしい。 そして、著名な作家と史人との「ありそうにない組み合わせ」もウリ。 しかし、そんなこと言われても知らない人だからわからない。例に上がっているのが、 David Foster Wallaceによる"Everything and More: A Compact History of Infinity" Wallaceは、小説や、短編、エッセイなどの作家で、数学者であるGeorge Cantorの「無限の発見」について書くとはふつうは思えない、というもの。 これも面白そうだったけど、買ったのは、Sherwin B. Nulandの
"The Doctors' Plague: Germs, Childbed Fever, and the Strange Story of Ignac Semmelweis"
病気や医者の話だから、一体どんな(意外な)作家が書いたのだろう、と思うと、Nulandは、外科医だというから、別に「ありえない組み合わせ」ではなかった。
・・・おっと、出かけなくてはいけないので続きはまた。

July 26, 2004 at 06:57 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.07.18

2004-07-18 本・とりあえず

『道具としての微分方程式』 斎藤恭一著・吉田剛絵 ブルーバックス
『摩擦の話』 曾田範宗著 岩波新書 (前から家にあった)

『死とは何か』 J.ハックスリ著 丘英通訳 岩波文庫 (古書)

『雪は天からの手紙』 中谷宇吉郎エッセイ集  池谷了 岩波少年文庫 
『雪』 中谷宇吉郎 岩波文庫
『アラスカの氷河』 中谷宇吉郎 岩波文庫

"Experimental Researches in Chemistry and Physics" Michael Faraday
 Reprintなんだけど、新しくてきれいでビックリ。

July 18, 2004 at 11:13 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2004.07.07

『現代日本の問題集』 日垣 隆

『現代日本の問題集』 日垣 隆  講談社現代新書 720円

日垣さんの本はどれも買うので、これを買った動機、というのは特にないし、「どういう本か」と聞かれると、とても説明の難しい本である。ホントにいろいろなことが、それも順不同かよ、と思うようにどんどん書いてある。で、

どれもが「問題である」のだから、やっぱりこの本は「現代日本の問題集」に違いないのだろう。

新書であるにもかかわらず、新聞か週刊誌を読んでいるような錯覚をおぼえるのは、イラク問題、北朝鮮拉致問題などの情報が「異常に新しい」から。2004年6月20日発行だというのに、橋田信介さん小川功太郎さんが殺された話が書いてある。今調べてみたら、亡くなったの(「殺された」の方がいいのか)は5月27。奥さんの「本望だったと思います」と語ったのはさらに後だからいうから、ほんとにギリギリの話が載っていることになる。 
実は有料メルマガの6月3日に「校了直前に原稿を挿入した」と予告はあったのであるが、イザ出版されてみると、その「新しさ」に驚くばかり。もっともこの新鮮さを感じられるのは今だけなんだなぁ。
 ところで、ここでいう「校了」というのは、

出版社の編集者+校閲と校正のプロ+著者による初校、再校などの末、出版社から印刷所に原稿データを手渡す前の最終的な校正作業のこと
だそうで、要するに「トンデモナク」ギリギリの作業だったということみたいです。

おっと、肝心なことを忘れそうになった。
かくして、いろいろと読み応えのある本なのだが、一番気に入ったのは、
第5章 「ショッピング・リテラシーを身につける」の中の「可処分所得をどこに投資するか」の話である。 
親の小遣いを減らしてでも、子どもの学習塾や習いごとには金をかける。子ども部屋は作っても書斎は作れない。という事態を嘆き、こんなことを言っている。

大人が犠牲になって子どもに期待をかける、という家計のあり方は、明らかに後進国のメンタリティでしょう。子ども部屋も父親専用の書斎もない、というのならわかります。しかし、世界一の個人金融資産を保持しながら、自宅新築時に子どもの勉強部屋をつくっても大人の書斎空間がつくれない、という事態はもはや現代史的スキャンダルと言うほかありません。
 うまいこというなぁ。さらに、
ここでよく考えていただきたい。
多少の学力偏差値アップが、このご時世でいかなる幸福を保証してくれるのか。そして何より、次世代から見て、「自分を磨く」ことに貪欲でない大人が魅力的に映るかどうか。自分を磨ぎ続ける「かっこいい大人」が身近にいることほど、家庭教育で重要なテーマはほかにないのではないか---。
 ここにシビれました。日垣さんは、自信をもって「自分がそうだ」と思っているから書けるのでしょうが、ぼくも、この部分は「いい線いっているな」と思えるのである。(おっと、「都合の良い意見はすぐに受け入れる」は、「だまされる第一歩」)
 実際には書斎はないのだけど、何度か息子(22才)に「おとうも、おかあも、年とってからもいろいろやりたいことやってるよね」というようなことを言われたことを思いだすと、「自分を磨いている」と見てもらえているのかもしれない。
  息子いわく「以前のお父さんは『週末は寝ていて、ふだんはいつも夜遅く帰ってくる』というイメージだった」そうである。(毎日遅くまで「自分を磨いていた」としても、そうは見えないってことだな。実際、磨いてなかったんだけど)

なんだか、照れくさいことを書いてしまった。

July 7, 2004 at 05:09 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (7)

2004.06.29

『雪と氷の世界から』 と『アルプス紀行』

古本屋に注文しておいた本が2冊届いていた。古書店を巡って、堀り出しものを見つける喜びは経験したいものだけど、今のところネット古書の便利さばかり。 それでも古書店巡りには「あこがれ」があるので、時々行ってみる。いつだったか「法曹夜話」を探して、高田馬場と神田を歩いたけど、結局ネットですぐに見つかった、ということがあった。それなら最初からネットで探せばよかったようなもんだけど、書名を告げた時に書店の人の反応なんてのも見ないとね。

『雪と氷の世界から』  樋口敬二著  岩波新書 291

『アルプス紀行』 ジョン・チンダル著 矢島祐利訳  岩波文庫 青922-1

どちらも『トンデモ本の世界T』で藤倉珊さんが参考書にあげていたもの。
チンダルの本は原書は1871年に書かれ、1940年に第1刷。1996年に「リクエスト復刊」として第7刷が出ている。原書は"Hours of exercise in the Alps", Tyndall, John, 1820-1893.とのことなのだけど、実は、チンダル(ティンダル)は、似たような本をいくつか書いていて、実はこの本の原本だと思って"Glaciers of the Alps "を注文していたが別ものであった。で、"Hours of exercise in the Alps"の方は ,Making of America というデジタルライブラリにあった。これは、全ページ(図版とも)をPDF(イメージ)でダウンロード可能なのだが、「1ページづつ」しかとれないので、200ページ近い本をこうしてとるのはキツイ。印刷サービスをやっているので送ってもらうことができるが、それなら古書の方がいいかな。

June 29, 2004 at 10:59 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (2)

2004.06.28

『人間この信じやすきもの』

人間この信じやすきもの』 トーマス・ギロビッチ著 守一雄・守秀子訳
  新曜社 認知科学選書 ¥3,045 (税込)
How We Know What Isn't So by Thomas Gilovich

1998年頃だったか、社内教育のひとつで「認知科学」の講座を受けた時に、〈「バスケットのシュートなどが波に乗る」というのはウソである〉という話を紹介された。その試合で調子良くシュートを決めている選手は「波に乗っている」から、同じ選手にシュートさせるのかよい、と信じられているが、実際にはそんなことはないだろう、ということを統計から調べたという話。この調査自体には疑問もあるのだけど、とにかくこの話が載っていた本が『人間この信じやすきもの』だったというわけ。 


すぐに、本を買ってきて、その後今にいたるまで認知科学関係では最高の書だと思っている。 その後、いろんな本を読むと、推薦書にこの本が出てくることが何と多いことか。それも、「特におススメ」となっていることが多い。

訳者のひとりの守一雄さんは認知科学の専門家で、わかりやすい文章で訳に心配などないのはもちろんのこと、守さん自身の書いたものも面白い。日垣隆の「サイエンスサイトーク」の初期に登場していて、ぼくが日垣さんの本にハマルきっかけにもなっている。

ギロビッチ氏は一般向けの本はこれ以外にあまり書いていないのだけど、共著の、
"Why Smart People Make Big Money Mistakes And How To Correct Them:
   Lessons From The New Science Of Behavioral Economics"
by Gary Belsky, Thomas Gilovich
も、面白かった。「3つの扉」の問題を初めて知ったのはこの本。
翻訳されてもいいと思うのだけど、いまだに出てこない。 と思っていたら、出ていた出ていた、

『賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか』
ゲーリー ベルスキー (著), トーマス ギロヴィッチ (著) 鬼沢 忍 (翻訳)
なんだ、2000年に出てたんじゃないか。,  しかも文庫版も出てた。買ってこよう。

ところでamazonでは、Gilovichは『人間この…』では「ギロビッチ」、他では「ギロヴィッチ」になっていたために、著書一覧に出てこなかった。

June 28, 2004 at 08:50 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2004.06.25

『コーヒーブレイクに地球科学を』 友田好文著

『コーヒーブレイクに地球科学を』 友田好文著 海猫屋 定価:本体2300円(税別)←アレッ?

同好の仲間である海猫屋さんの初出版物、ということで読みはじめたところだけれども、いろいろと面白い。

全体テーマである「地球科学」(地球「化」学じゃないんだな、と思って検索したら、「科学」の方がヒットは多かった。「地球化学会」はあっても「地球科学会」はない)が良いのだけれども、何といってもこの本の特徴は「文筆家の文章」を大坦に転載しているところだろう。科学者もたくさんでてはくるが、夏目漱石や三島由紀夫もでてくる。あとがきによれば、「パリに在住の作家、辻仁成氏から転載許可の通知が届き、転載許可の事務はすべて完了した」ということだそうで、さぞかし大変なことだったのだろう。総合索引はついていないが、「人名索引」がついているところが、特徴を物語っている。人名の中に「オポチュニティー」というのがあったので、スワ誤植か、と読んでみたら、〈火星に降り立ったロボットの「ひとり」〉のことであった。笑わせてくれます。

本の作りには、海猫屋さんらしい(といわれてもふつうの人にはわからないだろうけど)ところが随所に見られる。
転載、引用が多いために、ぼくのようなそそっかしい読者は、いま誰がしゃべっているのかわからなくなりそうなのだけど、インデントと傍線でわかりやすい。長い転載や引用が多いのは、仮説社の本の特徴でもあるのだけど、この本に〈文筆家の文章を転載する〉という発想は、著者の提案なのか、編集者とアイディアなのか興味のあるところ。 奥付のあとには「海猫屋エンドロール」として世話になった人たちの名前が書かれていて、さらには用紙は刷色の記号があった。パソコンソフトだったら、About...のどこかをクリックすると出てくるのだろうか。

一般の流通にはのっていないようなので、この本を買うには海猫屋に注文するか、仮説社に行くかすれば入手できます。

June 25, 2004 at 03:08 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (2) | TrackBack (0)

2004.05.17

2004-05-17 本(題名のみ)

『科学の倫理学』 内井惣七
『科学哲学入門』 内井惣七

伊勢田哲治さんの本がきっかけで、知った内井さんの本2冊。上はbk1で、下はamazonのマーケットプレイスにて。
『科学哲学入門」はちょっと読みにくそう。当時大学院生だったらしい伊勢田さんが手伝っているらしいけど、その伊勢田さんの本で置き換えられることになるのか?

『 Mathematician Plays the Stock 』 John Allen Paulos
『Fooled by Randomness 』 The Hidden Role of Chance in the Markets and Life Nassim Nicholas Taleb

この2冊を注文したのはPaulosの本の和訳を買った時だから、3月頃かな。別に新しい本でもないのだけど、版が変わるところだったのか、ずっと放置されていたのが突然やってきた。
Paulosの本は、ちょっと間が空いたこともあって今すぐは読む気はしないが、もう一冊の Fooloe by Randomnessはなかなか面白い。Paulosの本で参照されていて知ったのたと思うが、見つからない。

May 17, 2004 at 11:01 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2004.05.12

本いろいろ

最近買った本。とりあえず備忘録。

ウェブや本で見つけて、すぐその場でamazon行っちゃうから止まらない。

■「超能力」授業入門 講座・超常現象を科学する (7)
田中 玄伯 (著)

■大人の科学研究室―好奇心を満たす珠玉の考察記録37 I・O BOOKS
似非科学研究会 (著)

■魅惑の似非科学
似非科学研究会 (著)

■ Guinness World Records 2003

■ How We Believe: Science, Skepticism, and the Search for God
Michael Shermer

■ The Science of Good and Evil:
--Why People Cheat, Gossip, Care, Share, and Follow the Golden Rule
Michael Shermer

■Catcher in the Rye
J.D. Salinger

May 12, 2004 at 04:37 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (3)

『疑似科学と科学の哲学』 伊勢田哲治著

『疑似科学と科学の哲学』 伊勢田哲治著
       名古屋大学出版会  2800円+税

進化論と創造論のページで紹介されていたもの。全く知らなかったけれども、これはかなり面白い。
「科学と疑似科学」ではなく「疑似科学と科学」としたところがすごい。
例によって、まだ買ったばかりで少しか読んでいないのだけどまずは書いちゃいます。
章立ては、以下のとおり。

第1章 科学の正しいやり方とは?
  --創造科学論争を通して
第2章 科学は昔から科学だったのか?
  --占星術と天文学
第3章 目に見えないものも存在するのか?
  --超能力研究から
第4章 科学と疑似科学と社会
  --代替医療を題材に
第5章 「程度」の問題
  --信じやすさの心理学から確率・統計的思考法へ

これを見ただけでもワクワクする。「超能力」の話はあちこちで読めるけれども、「創造科学」や「代替医療」が扱われているのがなんとも嬉しい。

第1章では(って、まだここしか読んでないけど)「帰納」と「演繹」や「反証」についての解説が実にわかりやすく書かれている。実例がニセ科学に関することだから〈私にとっては〉わかりやすいってことなんだろうけど、

ともあれ一気に読めそう。Born to Rebell読みかけなのに。

※ふと思いついて伊勢田さんを検索したら黒木さんの掲示板に1998年に書いていたのが見つかった。田崎さんへのコメントなんてのもあった。
 この本の書評もふたつみたけど、どちらも好意的だった。京都大学の内井惣七さんが書評の中で

著者のような力量のある人が「疑似科学」を題材として追いかけるのは問題ないのだが、
キミたちのように科学の素養に乏しい人たちが、ホンモノの科学を調べることをないがしろ
にして「疑似科学」ばかり面白がって追いかけるのは「要注意」やゾ!

と書いていたのが、ぐっと来ました。ほんとに要注意>>nob.

May 12, 2004 at 11:29 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.07

右と左

「50年後の夢」に続いて、高橋秀俊のエッセイの紹介。 ただし、こちらは1981年だから、ついこの間、亡くなる4年前の作品。
「物理の世界には『右と左』の区別はない」(細かくは例外はあるが)という話は、へぇー。

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右と左

高橋秀俊

右とか左とか言ってもイデオロギーの問題とは関係ない,物理的な右と左の話である。

そもそも右と左の区別を覚えるのは人間にとって決して易しいことではない。幼児が文字をよく裏返しに書くのはその一つのあらわれである。大体,「右」と「左」の意味を何も知らないこどもにはじめて教えるのは大変難しい。それには本当に手を取って教える以外なく,言葉で説明する方法はない。箸を持つ手,茶碗を持つ手などという言い方がわかるのは,右と左の区別を一応身につけた後のことである。
 つまり右とか左とかいう概念は,本来,言葉で定義できないのである。太陽や月が左から右へまわると言えば北半球の人にはわかり易いが,南半球の人は右と左を逆に思うだろうし,赤道上に住む人たちには全く意味がわからない。右利きの人なら,利き手の方が右だと言えばわかるが,左利きの人は逆に覚えてしまう。しかし,心臓のある方は左で,盲腸のあるのは右側というのは,内臓のことを知っている人には例外なく適用する定義である。
 上のような例をいろいろしらべてみると,右とか左とかを言いあらわすのに使える万国に通用する表現というのは,何かしら生物に関係したことに限られることがわかる。言いかえれば,生物に関係しない物理学の本当の基本法則には,右と左とかいう言葉は決して入って来ない。仮に入って来たとしても,右と左を取りかえても差支えないような入り方だということなのである。
 こう言うと,読者から異論が出そうである。電気で出てくるフレミングの右手法則や左手法則はどうなるのかと。ところが実は,これも右手を左手と言いかえても一向にかまわないのである。ただ,そのときは磁力線の向きの定義を逆にして,磁石のS極からN極へ向かうように矢印をつけなおせばよいのである。
 そういうと,そう勝手に磁力線の向きを変えたのでは話にならないと思われるかもしれない。しかし実は,磁力線の向きをN極からS極へ向かうように定めたのは全く便宜的な約束事なのである。それなら,電気力線の向きを,正の電荷から負の電荷に向かうようにきめたのも約束事ではないか,と言われるかもしれないが,それとはだいぶ事情が違うのである。したがって,フレミングの右手の法則や左手の法則は(右,左という点に関しては)苦労して覚える必要がないものだと言える。それを間違って逆に覚えても一向に困らないのである。
 それでは電流の磁気作用に対して,どんな法則を覚えればよいかと言うと,それは電流と電流の間の力の法則,つまり同じ方向に平行して流れる電流は引き合い,逆方向の電流は反発するという法則である。磁石は電流の流れるコイルと同じと考えると,電流と磁石の間の力もこの考えで知ることができる。
 このように,自然法則には右と左の区別がないというのが,物理学の基本法則の一つであると,最近まで物理学者たちは信じていた。ところが,物質を構成する窮極的な粒子である素粒子の間にはたらく力のうちには,右と左を区別するものがあることを,中国系のアメリカの物理学者リーとヤンが発見して世界を驚かせた。しかしこれは日常の現象とはかけはなれた素粒子の世界のことであって,普通の現象の扱う物理学では,やはり右と左は区別する必要はないのである。
 では生物の場合はどうして右と左がはっきり区別されるのだろうか。なぜ盲腸が左にある人はいないのだろうか。それは生物を構成するいろいろの分子,たとえばいろいろのアミノ酸のほとんどのものが左右で対称でない,いわば「ねじれた」ような構造をもっていて,しかも、すべての分子が同じ向きにねじれているからである。そして,そういう,生物だけが,そのように一方にばかりねじれた分子を生産することができるのである。
(東京大学名誉教授)

中学教育資料 (文部省 中学教育課、高等学校教育課 編集) 昭和56年4月号 No.425

May 7, 2004 at 08:56 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (6) | TrackBack (0)

2004.05.05

オートメーションの時代 --50年後の夢--

以下の文章は1956年に高橋秀俊が「電信電話」という雑誌(おそらく電電公社の社内誌か何か)に発表したものです。

「50年後」なんて、まさに「夢のような話」を書いたのだと思いますが、すでに48年が過ぎて、まもなくその「50年後」になります。ちょっとフライングですが、50年前にどんなことを思っていたのか、興味ある方はご覧ください。

『オートメーションの時代』
 = 五○年後の夢 =  (『電信電話』 1956年2月)

高橋秀俊

「オートメーションで作った○○石鹸」という新聞広告が出るくらいで、オートメーションは日本の近頃の流行語の一つになつたようだ。この所、この言葉の生れ故郷のアメリカも顔負けだとは最近アメリカから帰つて来たある人の話であるが、果して○○石鹸の工場やその他にも本当のオートメーション工場が日本にあるかどうかは知らない。つまり各部分の精密な調整を自動的にやるだけでなく、全体の状況を絶えず見まもり、綜合的に判断して各部の調整を変えるよう指令を発したり、事故を発見して自動的に対策を講じたり、つまり人間が高度の頭悩的作業としていた仕事をすべて機械にやらせるのが本格的オートメーションである。このような本格的なオートメーションを工場や事務組織に応用することは欧米でもこの一二年ようやく緒についた所のようであるか、最近の様子を見ていると、もう四、五年の間に、オートメーションは大企業の大半に浸透して来ると思われる。

 オートメーションというといかにも目新しいが、そのようなことは、ある方面ではずいぶん古くから行われていた。ある方面とは他でもない、電話の自動交換である。自動交換機のする仕事は、番号を「記憶」したり、空線を「探し」たり、インパルスを「数え」たり、いろいろと人間的な言葉で表現されるようにかなり高度の頭悩的な仕事を行つて来た。電電公社で最近実用化した新方式の電報自動中継装置にしても、先程試作されたパラメトロン式電子交換方式にしても世界に誇るものであるが、今後、オートメーション全盛の時代となつても、電信電話事業はその第一線を行くことを期待したい。
 では将来、たとえば五○年後に電信電話事業はどんな風に発展するのだろうか。五○年後の東京に田舎者のようにほうり出されたつもりにして、夢をえがいて見たい。
× × ×
二○○六年の東京の家々は、他のことはさておき、電話のない家は一軒もないのに感心する。他の都市はもちろん、日本全国偶々(ママ)までそうだというが、五○年前に電燈のない家がないのと同じ程度だろう。ぜいたくな家では室ごとについている。もつとも五○年前でも会社、官庁はそうだつたから驚く程のこともない。それより、どの電話機のそばにもあるタイプライターのようなキーのならんだ小さな機械が気になる。実はこれも五○年前でも大会社などで使つていた頁式テレタイプ(印刷電信機)なのだそうだ。電話機には、指をつつこんでまわすダイヤルはついていない。では一つこの電話(兼電信)機の使い方をきいてみよう。
 東京都内の電話の数はざつと三、四百万だろうから電話帳は大変だろうと思うかどこにも電話帳は置いてない。あるのは始終かける相手の番号の抜書帳だけである。その中にない家へかけるときはまず先方の局の「番号調べ」を呼び出す。電話局の受持区域と行政上の区とは一致しているから、局を覚えるのは容易だし、局番号でなくて局名略号をテレタイプのキーでたゝいて呼ぶのである。そうして番号調べが出たら、相手の姓名をそのまゝタイプでたゝけば、すぐに相手の番号をさがしてつないでくれる。また同時にその番号をテレタイプで送つてくれるので、手許に印刷されて出るから、必要なら抜書帳にうつして置けばよい。なお局名もわからないときは中央局の番号調べをたのむこともでき、また同姓同名があるときは、そのことを返事して来るから、更に職業の略符を送つてやる。それでもだめなときはどうするかは長くなるのできかなかつた。
 ところで、これだけのことをするのに番号調べ係が何百人もいるかというと、実は、これは全部自動的で機械がやるのである。だからすべてのやりとりは声ではなくて、テレタイプでやるわけである。もつとも希望によつては、先方からの返事は人工発声機で声を送つてもらうこともできる。
 電話は都内だけでなく、日本全国、さては外国までも同じようにしてかけられ、どんな遠い所でもものの十秒もかゝれば通じる。
 こうしてどの家にも電話があるようになつてからは、電報というものは自然消滅となつた。それに事務的な通信は大部分テレタイプですませるから、手紙を書くこともあまりいらなくなつた。もつとも情緒テンメンたるラブレターの類はテレタイプではどうも、という人が多いので郵政省は、これらと小包とを扱って辛くも余命を保つているとか。
 ところで、以上は電話の用途のほんの一端にしか過ぎない。五○年前にも、電話で時報や天気予報の特殊サービスが好評だつたが、今ではそのようなサービスの方がむしろ本業といつてもよい程である。
 テレタイプがついているので、先方が不在でも、印刷で用件を伝えておくことができるのは至極便利である。また、不在にする人が、室を出る前に局にそのことを知らせておけば、よそからそこへかけたとき、すぐに「不在」という返事が来る。もつともこれは五○年前試作した装置にもついていたので大して新奇ともいえないが、今は更に、出かけた先まで教えることもできるようになつている。
 また、相手が不在のとき、電話局の録音機に用件を録音してもらうこともできるのであるが、印刷電信が普及してからは、これの利用者は少くなつたそうである。
 電話はまたいろいろの質問に答えてくれる。天気予報や時報はもちろんのこと、株価、日用品の値段、列車の時刻、映画館の案内からその映画館の現在の入りの状態まで知らせてくれる。もつと専門的なこととなると、「百科事典局」を呼べざ、地名、人名の説明や外国語の単語の訳語など百般のことを教えてくれる。これらもまた、ほとんど全部が機械で、つまり人工頭悩がやつてくれるのである。
 テレタイプで送つてもらつて、手許に帳簿を作らせることもできる。もちろん、いろいろな不正、盗難を防ぐために、特殊な合符を使うなどあらゆる防止策が講じてある。しかし、こうしてすべての取引が白日にさらされては、税務署に対してのことはともかくとして、一家の主婦はヘソクリもできず、男の方も、ちよつと飲み屋に立寄つても帳簿につけられてしまうのではかなわないという声が強く、やはり現金の完全な追放とまでは行きそうもないようだ。
 模写電送の機械をもつていれば、電話線で写真や図を送つたり受けたりもできる。もちろん天然色で送受する機械もできている。
 五○年前頃はあちこちで実験されていたテレビ電話は、大会社、官庁などでは大分使い出したが、施設費がかなりかかるので、まだ家庭で使う所まではいつていない。しかし、電話で打ち合わせておいて公衆電話まで出かけて行けは誰でも相手の顔を見ながら話ができる。このように極度に発達した通信組織、広くいえは情報処理の組織の特色は、どこかで発生した情報が、それに関係のあらゆる部面に迅速にほとんど一瞬に伝達され記録されてしまうことだ。たとえば、どこかで子供が一人生れて、その出生届が(もちろんテレタイプで)役所へ出されたとする。それは磁気テープとして役場に記録されると同時に県庁、内閣統計局へも電信で送られ、そこにある人口統計の記録に直ちに算入される。だから統計局へ行けば毎秒毎秒(といつても届けの出される時についてであるが)どこで幾人が生まれ、幾人死んで行くかが、いながらわかるということである。昔のように何年に一度かの国勢調査ではじめて正確な人口が(それも何カ月か後になつて)判明するのとは大きな違いである。同じように入学、卒業、就職、昇進等のあらゆる情報がそれぞれ関係方面へ時を移さず送られて直ちに算入される。だからもうこれから普通の意味の国勢調査はやらないだろう。
 このようにいつでも斬新な正確な統計が手許にあるということは、いろいろな国家的計画を樹てるのに不可欠なことと考えられている。またこのよう資料をもとにして、数学的に、最も合理的な計画をたてることはオペレーションズ・リサーチといつて五○年前頃にも大分研究されていたが、今では電子計算機が自由に使えることと相まつて、これは非常な成果をあげている。生産計画なども非常に能率がよくなつて、昔あつたような生産過剰になつては操業短縮をやるような現象は見られなくなつた。
 天気予報も各地から送られてくる気象の数値が中央気象台の計算機に直接入って自動的に計算されるので、予報は全く機械がやつてくれる、これも通信と計算機との結びついたよい例だろう。
 このように通信が発達したための興味ある現象は一時危機を叫ばれていた交通地獄が、忘れたように消失したことだ。つまり、電話で何でも用が足りるので、誰もあまり出歩かなくなつたからである。また官庁や商社などもわざわざ都心地に集まる必要もなくなつたので、それらは東京周辺一帯にひろがつて、みな、その周囲に職員住宅をもつているから、通勤者は昔の三分の一ぐらいしかいない。
 効能はこのくらいで大体わかつたので、次にこの至れり尽せりのサービスをする「情報公社」の現場つまり電話局や計算局などを見せてもらう。
 どこの現場も似たりよつたりで、五○年前の電話局の機械室のように、機械が沢山ならび、その間を電線の束往来しているが、ちがうのは、ここは全く静かなことだ。どこにもガタガタ働くものはなくたゞ、パネルにならんだラップが目まぐるしく明滅するだけである。技師の話では、このランプもほとんど不要なのだが、万一故障のとき、しらべる助けになるからついているのだそうだ。
 蓋をあけて中を見せてもらう。何か細い線が、縦横、斜に無数に、しかし整然と織りなして、それらの交点に、何か玉のようなものがあるようだがよく見えなかつた。とにかく恐ろしく細かくできていて正しく脳の中を見ているような気がした。これらの装置は大部分が記憶につかわれるのだそうである。なるほど、電話局の機械は、その局の何十万の加入者の電話番号簿を全部暗記(?)しているから、立ち所につないでくれるのだとうなづいた。
 これだけの機械が故障をおこしたら大変だろうときいて見たが、このように、動く部分のない「電子的」な装置にしてから、保守はまるで楽になり、故障もほとんどないそうだ。しかもすべての装置に少しづつ予備があり、故障になると自動的に予備のものに切換るので、ほとんど業務に支障をきたさない。そこで数十万回線を受持つ大きな局でも局員は二人か三人しかいない。
 銀行、保険会社などにあるのも大体似たような機械だそうだ。たゞこちらは人間を相手の仕事なのでやはりかなり多勢の人がいるが、計算、記帳のような機械的仕事は一切しないし、新入社員は札束を数えることを練習する必要もない。
 所で一番心配になつたのは、こんなに何でも機械がやつたら大部分の人は仕事がなくなるだろうということである。きいて見ると、たしかに無職者はずいぶん多いそうだ。今では仕事といえば教育者、科学技術者、芸術家が数の上では大部分である。しかし社会保障制度が行き届いているから、これらの人も相応の生活はしていて、生活の不安はないのである。もつとも、こうなるまでには一時はずいぶん混乱した時代もあつた。今はとにかく生活の保障だけはできて、多少落付いたが、失業問題は解決したのでは決してないといわれている。「人はパンのみにて生くるものにあらず」という古いことわざが、今日、つまりすべての人にパンが与えられるようになつた今日ほど明瞭にわかつたことはないと人々はいう。失業者をどう導くかは五○年前とは別の意味で為政者の最大の課題となつて残つているのだ。
 まだ色々知りたいことがあつたが、こゝで夢はさめてしまつた。さめてから考えれば、夢は要するに夢で理屈に合わない所が多いのは当り前である。もつとも、それにしては、妙に理屈つぽい夢らしくない夢だつたようにも思えるが、また、これはかなり楽観的な夢だというかも知れない。
 オートメーションの発展は、原子力と共に自然の勢であつて、誰もこの潮流を止めることはできないのだとすれば、少くとも、この夢が現実となることを望んでやまないのは筆者だけだろうか。この夢とは正反対の悲惨な現実がもたらされる可能性がないとは誰も保障できないのだから……[東大助教授]

May 5, 2004 at 12:10 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (4) | TrackBack (1)

2004.04.23

『Born To Rebell』

Born To Rebell -- Birth Order, Family Dynamics, and Creative Lives --
Frank J. Sulloway

「懐疑は踊る」の方にちょっと書いたこの本が火曜に届いた。600ページもある本なので、すぐには読まないかと思っていたのだが読み始めたら引き込まれていく。Skeptic Magazineの書評は、難しくて読みにくかったのだが、Sullowayの文章はかなりわかりやすい。

まだ48ページまで来たところだけど、はじめにダーウィンが進化論に致るまでの話がかなり詳しく書かれていて、そこから「長子(first born)と次子以降(later born)とでは、革命的な事象を認める度合が大きく違う、というこの本の主題に入ったところ。 

引き込まれるように読んでいる、とはいっても20ページ/日がせいぜいなので、ひと月かかるかなぁ、と思って後ろを見てみると、本文は368ページで、あとは〈異常に詳しい〉Appendix, Notes, Bibliographyなどであった。よって、このペーシであと16日ほど。

この本では「歴史を統計的、科学的に解明する」ということが大きなテーマになっている。「生まれ順による考え方の違い」の研究は、その一例として考えられる。自然科学と違って、歴史は「実験できない」と考えることが多いが、Sullowayに言わせれば、実験室で実験などしなくても、記録を調べればわかるから簡単じゃないか、ということになるらしい。(このようなことを書いた部分が見つからないので、後で調べておきます)

ところで、これから紹介していく中で、first born, later born という言葉の訳に困っている。前者には「長子」という、日本語がいちおうあるが、 later born には困った。次子といえば2番目だけだろうから、とりあえず「次子以降」などという情ない用語を使っているけど、どうにかならないものか。「後子」とでもするかな。

この本では、当然のことながら birth order(生まれ順)が重要な因子なのだが、実はこれ、英語の人が言うのはちょっと意外。 brother, sister という時に、それが elderなのかyoungerなのかをおよそ気にしないらしい、ということをかねてから感じていたから。 日本人が、誰かと話をしていて、その人の「男兄弟」を話題にする時に、それが兄さんなのか、弟なのかを気にしない、ということはめったにない。(そもそも、最初から「兄」とか「弟」とか言うから、気にするもなにもないけど、例えば会話の中で「家には男きょうだいしかいないし」と言われて、それが兄か弟かを聞くずにいらねないのではないだろうか。 アメリカ人「1名」に聞いたところでは、誰かのbrotherが兄か弟なのかなど気にならない、とのこと。 そんなアメリカ人が生まれ順の話をして、また、「長子は親の期待に答えようとする」などという認識については、日本人と同じであるのはちょっと意外。

用語でもうひとつ。 sibling というやつ。これはbrother+sister のことで、日本語では「兄弟」と呼ぶことか多いけど、「姉妹」への遠慮からか「きょうだい」と書くこともある。 兄と弟の区別もしない人たちだけに、男きょうだいと女きょうだいの区別もつけずにsiblingと呼ぶのだろうか。これは学術用語ではなくて、学校のPTAの案内なんかに「小さいsiblingを連れてくるな」などと書かれることがある。 たしかにこれは便利。「きょうだい」かなぁ。あまりも日常のことだけに、造語するのも気がひける。

この本についての日本での情報は少ないのだけど、心理学

■ご冗談でしょう、サロウェイさん:出生順位にまつわるエトセトラ

April 23, 2004 at 02:30 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.04.20

洋書3点

『The Demon-Haunted World: Science As a Candle in the Dark』 Carl Sagan
 
『Why People Believe Weird Things: Pseudoscience, Superstition, and Other Confusions of Our Time』
Michael Shermer

2冊とも、最近邦訳を読んだもの。「原書でなくちゃぁ」などと大それたことは思っていないが、いろいろな用語や表現を知るのに役に立ちそう。内容が内容だけに、「邦訳に際して削除された部分」は期待できない。

『Extraordinary Popular Delusions & the Madness of Crowds (Wordsworth Reference)』 Charles Mackay

 これは、(おそらく)邦訳の出ていない本。上記のカールセーガンの本の中で参照されていたもの。邦訳はないのに、書名が訳されていたので、ちょいと探すのに苦労したけど、たしか「チャールズ・マッカイ」で検索したのだと思う。
実際どんな本なのかは、まだよくわからない。 skepticっぽい話としては、
-Fortune Telling
-The Withc Mania
-The Alchymist
などがある。
初版は 1841年に書かれている。こういう話は古くならないのだろうなぁ。

April 20, 2004 at 05:33 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (3)

2004.03.25

板倉聖宣 『原子論の歴史』

板倉聖宣著 『原子論の歴史』  仮説社
 以下の2分冊になっています。
 『原子論の歴史 誕生・勝利・追放編』
 『原子論の歴史 復活・確立編』
 各税別,1800円。
 四六判ハードカバー装丁は安野光雅さんです。

『たのしい授業』に2002年~2003年にかけて連載されたものですが、かなり大幅に加筆されているようです。
まえがきによると、当初は「高校の総合理科」で科学史を扱うことになったので、「科学史嫌いを増やされては大変」と、この本を書こうと思ったそうですが、いざ書き始めたら新しい発見がいろいろあって〈とても教科書には使ってもらえない〉量になってしまったそうです。ぼくも上下巻になっているのには驚きました。 もっとも、表紙には「上下」とは書いてなくて、『誕生・勝利・追放編』と『復活・確立編』と、単体でも買いやすいようになっています。(奥付を見て「上・下」であることを知りました)

さて内容は、そのものずばり「原子論の歴史」。驚くほど「歴史」がたくさんでてきます、と書いてから気付いたけど当たり前ですね。「原子論とは」ではないのですから。 実は、まだ上巻の80%くらいを読んだ段階なので、内容については書く資格はありませんが、2点だけ。

□そんなに昔から原子論?
 デモクリトスがB.C.460生まれというから、日本では縄文時代。そんな頃の記録が残っていること自体が不思議なのですが、「すべてのものは小さな粒からできているらしい」ということを考えた人がいた、というのは驚くばかり。
(現代でも〈すべての生き物は、創成者によって作られた〉と言っている人がいると思うと・・・)

□迷信を打ち負かすため
 大昔に原子論を考えた人がいたとしても、それを何に使ったかが気になるところですが、そのひとつとして「迷信を打ち負かすため」ということがあったそうです。これは嬉しい。なぜなら、もともと迷信・オカルト嫌いの私は、最近Japan Skepticに入り、さらにアメリカのSkeptic Societyにも入るなど力を入れていたところだったから。

板倉ファンならずともお薦め、といいたいところですが、原子論、それも板倉流の「やさしくかつ本質的な原子論」を聞いていない人には、読みにくいかもしれません。

March 25, 2004 at 10:02 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (4) | TrackBack (1)

2004.03.02

「物理の 百円均一ショップ デパート」

こんなタイトル付けてもわけがわからないのだけど、これは物理学者の田崎晴明さんが、岩波書店のシリーズものをからかった言葉。で、1年前にこんなことを書いています。 そのシリーズの中の1冊を買った話を書いたばかりだったんだけど、この田崎さんの「百円均一本批判」の記事が、実は肝心のところを書く前に「この続きは・・・」で終っていた。 としてその続きがなんときのう、発表されたのである。

三冊まとめての書評(ということ自体もネタにされているわけだが)は、本の主題を全く理解できないぼくにも十分面白い。 あれだけコキおろしておいて、「これによって、ご本人への敬愛や尊敬に変わりはない」と言っちゃうのがすごいね。「罪を憎んで人を憎まず」というのがあるけど、これこそが「科学的態度」なのかなぁ。 しかし、批判をした後でもそんな気持ちでいられる相手でなければ、とてもあんなことは書けないのかもしれない。 なんだかフツーの感想。

March 2, 2004 at 10:32 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (3) | TrackBack (0)

2004.02.29

ベイズ統計と統計物理

岩波講座 物理の世界  物理と情報
 『ベイズ統計と統計物理』   伊庭幸人  1400円

田崎さんがホームページで紹介しているのを見て知った本。ここに紹介されるのは、理論物理の難しい本だったりするので、そうそう買おうと思うものではないのだが、「ベイズ定理」といえば、「確率マニア」としては、ちょっとひかれる。さらにはこの「物理の世界」のシリーズは、田崎さんが「物理の百円均一ショップ」と、からかっているものらしいが、この本は珍らしくほめていたのである。

めくってみたところ、難しいことはたしかだが、なんとか「読めそう」である。「氷の不思議な性質」についての話もあるそうで、意外な楽しみ。

【この本を買うまで】
結構よっぱらって、新宿の高島屋を通って紀伊国屋に向かう途中で時計を見たら8時「5分前」。紀伊国屋の本店の方に電話をしたら、南店は8時まで、本店は8時半までという。(この前聞いて知ってただろうが)5分で行くのはきついなと思って一瞬、本店に行こうかとも思ったが、今更遠いので南店まで走る。蛍の光の流れる店内を探す。webで調べて在庫はあるはずなのに、この本の分が抜けている。あらためて検索するとやっぱりあるはず。店員に聞こうとしたが空いた人がいない。ふと思いついて、書棚の下の重い引き出しをあけてみたら、果してそこにあった。まるで隠してあったように。

February 29, 2004 at 10:08 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (2) | TrackBack (0)

2004.02.11

『知の欺瞞』

『知の欺瞞』 アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン
 田崎晴明・大野克嗣・堀茂樹 訳      岩波書店
Impostures Intellectuelles / Alan Sokal , Jean Bricmon
(Fashionable Nonsense)

とうとう買っちゃっちなぁ。 『熱力学』 =現代的視点からを書いた、というよりは、「日々の雑感的なもの」の作者である田崎さんが翻訳した本ということで気にはなっていたのだけど、いかにも『重』すぎる感じがしていたのであった。それが、紀伊国屋で「科学フェア」みたいなコーナーにあったものだから・・・。ま、いずれ買えばいいかとも思ったけれども、絶版になってもいけないと思ったのと、ちょっとページをめくったら、読みたくなってしまった。一気には読まなくても、手元に置いておく本だろうと思う。

「ソーシャル・テクスト」という雑誌に「パロデイ雑誌」を投稿したら、採用されてしまった、という「ソーカル事件」のことなどを書いた本、ということしかまだわかっていない。

February 11, 2004 at 10:37 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

フルハウス 生命の全容

『フルハウス - 生命の全容- 四割打者の絶滅と進化の逆説』 
スティーブン・ジェイ・グールド
  渡辺政隆訳  ハヤカワ・ノンフィクション文庫
Full House The Spread of Excellence from Plato to Darwin / Stephen Jay Gould

パウロスの『天才数学者、株にハマる』で引かれていたもの。日本語版で副題にしているだけあって「四割打者」のところが読み応えあり。パウロスの本でもその話がでていた。洋書売り場で原書を少し立ち読みしたが、「日本語で読みたい」という気持ちが出て文庫売場に行く。一緒に『なぜ人はニセ科学を信じるのか』も買えてよかった。

で、結局6章の「四割打者」のところから読んでいるのだけど、ギロビッチの『人間この信じやすき者』のバスケットボールの話を思い出す。「四割打者がでなくなったのは、打撃力が下がったわけではない」という考え。

February 11, 2004 at 10:13 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (1)

なぜ人はニセ科学を信じるのか

『なぜ人はニセ科学を信じるのか I, II』
 マイクル・シャーマー  岡田靖史訳  ハヤカワ ノンフィクション文庫
"Why People Believe Weird Things  " Michael Shermer

先週紀伊国屋の「精神世界」のコーナーでハードカバーを見てちょっと欲しくなった本。探していたわけではなかったが、グールドの「フルハウス」を買ったら、となりにあったので迷わず買ってしまった。
著者はアメリカのSkeptic誌の代表。 序文をグールドが書いていた。
いつものことながら、買ってすぐでこれを書いているので、内容に立ち入れないのがなさけない。
プロローグで、著者が超能力番組に出た時に話を読んでいるところ。

February 11, 2004 at 09:32 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (3)

2004.02.04

『天才数学者、株にハマる』

『天才数学者、株にハマる』
 ジョン・アレン・パウロス著
  望月 衛、林 康司 訳
  ダイヤモンド社
Mathematitian Plays The Stock Market / John Allen Paulos

『熱力学』と『科学正しい理由』の2冊を持ってレジに向かう途中で平積みになっているのを見た。題名を半分読んだくらいのところで著者に気づいてしまった。「数字オンチ諸君」に始まって、読みまくったJohn Allen Paulos。一時は、amazonで検索しては、新しいのがないか探していたのだが、そういえばここ2年くらい忘れていた。いや、もしかしたら見たのかもしれないけど、ちょっと気が散っていたのかも。

ともあれ、買うと決めて、さらには目次を見ると魅力的なことばかり。 数ページ読んですでにハマり気味。


February 4, 2004 at 10:51 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (1) | TrackBack (3)

『科学が正しい理由』

『科学が正しい理由』 The Truth of Science: Physical Theories ad Reality / Roger G. Newton
 ロジャー・G・ニュートン著  松浦俊輔訳  青土社

帯には「どうして科学はきらわれる」と書いてある。紀伊国屋本店の「科学一般」のコーナーで、かなりいろいろな「アンチニセ科学」系の本を見た中で、なぜかこれと思って買ってしまった。 タイトルがちょっとやりすぎだと思うのだが、第2章の「社会的構成体としての科学?」というのにひかれたんだろう。

別に急ぐわけではないけど原書を読もう、という気にはならず。

February 4, 2004 at 10:39 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (1) | TrackBack (1)

『熱力学』 =現代的視点から

『熱力学』 =現代的視点から
 田崎晴明著  培風館

田崎さんは学習院大学の物理の先生で、「日々の雑感的なもの」というコラムを書いている。 ファンメールを送った縁で何回かやりとりをしたので、著書も読んでみようとは思っていて、今日ようやく紀伊国屋の本店で見つけたのだけど、いくらなんでも難しすぎる。いくら田崎さんでも、いくら「現代的視点」でもなぁ、と思って棚に戻す前に「あとがき」読んだら、やっぱりちゃんと読みたくなって、というよりは「お近づきになりたくて」買ってしまった。「まじめに熱力知りたいな」という気持ちも35%くらいはあるけどね。そうそう、もうひとつの理由は「動かせる把っ手のついたブラックボックス」という概念を高橋秀俊から借用した、という話があったから。立読みでは見つけられなかったが今見つけた。27ペに、こんな表記がある。

 力学的な世界である外界から見た熱力学的な系は、いってみれば「動かせる把っ手(とって)のついたブラックボックス」のようなものだ(*)。把っ手を動かすことは、すなわち、示量変数を制御することである。われわれは外界の側に立って、これらの把っ手を---ときにはがちゃがちゃと激しく、時には慎重にゆっくりと---動かす。それによって、われわれは熱力学的な系をある程度コントロールできるのであり、また、その操作の際の「手応え」を通して熱力学的な系の「状態」を知るのである。ブラックボックス、つまり、熱力学的な系の内部でおきていることを覗いたり、想像したりは、あえてしない。あくまで、「把っ手」への操作とその「手応え」だけをもとにして熱力学的な系を理解していこうというのが、基本姿勢である。
そして、脚注には、こう書いてある。
 筆者は、このような表現を(そして、おそらくは、視点をも)高橋秀俊『物理学講義:物理学汎論』(丸善)から学んだ。

数式だらけの本文を見ると、およそ読める気はしないのだけど、目次で「侵透圧」なんていうのを見ると、「このくらいはわかるかな」と思ってページをめくってしまう。(もちろんわからなかった)

ともあれ、死ぬまでの間にはもう少し読むことはあると思う。

February 4, 2004 at 10:15 PM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.01.30

『ギリシア神話を知っていますか』

『ギリシア神話を知っていますか』  阿刀田高  新潮文庫
(渋谷・紀伊国屋)
またまた珍らしい本を買ってしまった。きのう見たどこかのwebの影響なんだけど、それが何の話だったのか思い出せない。多分スウィフトの『ガリバー旅行記』の話からだとは思うのだが。なぜガリバーかといえば、きのう読んでいた竹内靖雄の『世界名作の経済倫理学』の中で、ガリバーが訪れたフーイナムという馬の姿の生き物が支配している国の「家蓄以下」の扱いを受けている生き物が「ヤフー」と呼ばれていた、という話を調べていたから。 いやまてよ、それにからんで同じスウィフトの『奴婢訓』の方だったか。 

January 30, 2004 at 09:38 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (0)

『オトナ語の謎』

『オトナ語の謎』 
 -オレ的にはアグリーできかねるんだよね。-
  [監修]糸井重里  ほほ日ブックス

「ほぼ日刊イトイ新聞」から生まれた本。製作、流通までそこでやったというところがスゴイということで、先日の「ガッキィナイト」で紹介されたのだけど、もちろん中身が面白い。

「オトナ語」というのは、〈学生諸君や会社勤めした経験のない人にとっては手の込んだ冗談のように感じられるかもしれない〉というような言葉のことである。

御社、弊社、みょうにち(明日)など「会社マナー入門」にもでてきそうなオフィシャル感の高いものに始まって、なるはや、ゴゴイチ、取り急ぎ、など「ギョーカイ語」の紙一重のものもある。 会社勤め23年の経験からほとんとの言葉は知っていたけど、たしかに大学生の息子は知らないものが多いだろう。立派な「社会人」である妻も、学校教員という職場事情から、知らないことが多いかもしれない。

もっとも、ぼくが知っていると思っているものも実は、ナマで聞いたわけではなくて、テレビや雑誌の知識かもしれない。

January 30, 2004 at 09:17 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (1)

2004.01.28

杜甫詩選

『杜甫詩選』  黒川様一編 岩波文庫

こんな本一生買うことも読むこともないと思っていたけどなぁ。
ガッキィナイトで勝谷誠彦さんが「だまされたと思って読んでみてください」と杜甫や李白を紹介してくれたというだけの理由。 たまには、心落ちついていいだろうなとも思って買いました。数点読んだだけですが、悪くないね。

January 28, 2004 at 11:14 AM in 書籍・雑誌 | | Comments (0) | TrackBack (3)